第37回JPNICオープンポリシーミーティング議事録

第1部

1. JPOPM37オープニング

中川 あきら(JPOPF運営チーム)

[質疑応答]

なし

2. [I] JP PDP (JPNICにおけるPolicy Development Process)解説

中川 あきら(JPOPF運営チーム)

[質疑応答]

なし

3. [I] 初めてのLACNIC

谷崎 文義(JPOPF運営チーム)

[質疑応答]

Q. プログラムを見ると、ポリシー議論は火曜の昼にあったようだが、APNIC
   ではポリシーSIGとして、グループに分かれて実施するが、LACNICでは、
   分かれてではなく全体でポリシー議論をしているのか(鶴巻)

A. グループはなく、全体でやっていた(谷崎)

Q. LACNIC地域は、NIRが存在する数少ない地域。NIRからの参加者もいたか
   (鶴巻)

A. NIC.brの方がいた(谷崎)

C. IX.brは(ブラジルのNIRである)NIC.brが運用していて、おそらく現在トラ
   フィックは世界一(鶴巻)

C. LACNICでは、元々IPv4アドレスが地域外に流出することを懸念していて、
   今回のLACNICのポリシー提案は、当初は歴史的PIアドレスだけを域外に移
   転し、全アドレスの移転を受けるという内容の提案だった。しかし、それ
   ではARINが許可しないということで、域外に移転するアドレスについても
   制限を設けないこととした。そのため、今後、ARINも相互に移転すること
   になり、JPNICも今後、APNICを通してLACNIC地域との移転ができるように
   なるだろう(川端)

4. [I] Internet番号資源ホットトピックス

谷崎 文義(JPOPF運営チーム)

[質疑応答]

Q. ARINの事件は詐欺が罪状なのか。アドレスをもらう組織が利用せず、転売
   を目的としていた(鶴巻)

A. ARINに対する詐欺、ということだった。会社、社長が実在しないにもかか
   わらず、立派なWebサイトが用意されている(谷崎)

C. 連邦警察だから刑事訴訟ということ。、刑事訴訟できてしまうのだと驚い
   た(鶴巻)

C. APNIC地域でもこういう話はあり、おそらくAPNICでは把握していると思わ
   れる(谷崎)

C. APNIC地域とARINとの違いは、一つの国(米国)で閉じているか、多国籍で
   あるかというところ(鶴巻)

Q. JPNICでもこういうことは考えられていたりするのか(鶴巻)

A. ARINでもAPNICでも、簡単な確認で契約をしていると思われるが、JPNICで
   は契約に当たって書類提出などを含めて、きちんと確認をしている。こう
   いった事件が起こり得ないとまでは言えないが、起こりにくい状況ではあ
   ると思われる(佐藤晋)

C. ARINのケースについても、登記簿を確認していれば防ぐことができたと思
   われる(谷崎) 

Q. 仲介の際はかなり厳しく取引先の確認をされるのか(鶴巻)

A. 海外との取引場合、銀行にお金を預けるので、預け先が大丈夫か、アドレ
   スがあるかは確認する。幸いにも売り手の方がペーパーカンパニーだった
   ことはこれまでなかったが、改めて注意したいと思った。

C. この記事に関して、いくつかブログが出ていたが、ブローカーの方が書い
   ていた記事では「安心できるブローカーからアドレスを買ってください」
   ということだった(谷崎)

Q. なぜ起訴されたのか、良く分からない(Youtubeライブラリからの質問)

A. 起訴状をよく読むと、起訴されたファミールオレスタンという人は、
   2014年2月ぐらいから、実在しない偽企業、社長でARINからIPv4アドレス
   を入手し、しばらく寝かしておいてから、2017年から2018年にかけてブロー
   カーを利用してアドレスを販売した。ARINでのIPv4アドレス在庫枯渇は
   2015年9月なので、用意周到に実行したという印象。罪状は詐欺というこ
   と(谷崎)

C. ARINのアドレス取得費用、維持費用はそれほど高くないので、販売金額は
   ほぼ丸々設けになる。ただ、今、APNICでは、アドレスの分配を受ける際
   には、アドレスを利用する機器のinvoiceを求められることがあり、この
   ような詐欺を起こりにくくしている(鶴巻)

C. ホットトピックスの号外として。RIPEのIPv4アドレスが2019年11月25日に
   枯渇した。今後は、希望者は/24を1回だけもらえる。ただし在庫がないの
   で、返却があるまで待機者リストに並ぶ。10月2日に連続する/22はなくな
   り、2ヶ月後の11月25日に寄せ集めた/22もなくなった。急になくなった、
   という印象が強いが、そうではない(川端)

5. [I] JPNICアップデート(統計情報)

中川 香基(JPNIC)

[質疑応答]

Q. アドレスの割り宛てが増えている国というのは、人口に比例してきたとい
   うことなのか。バングラディシュ、インドネシアなど(鶴巻)

A. 確かに、人口の多い国での伸びは目立つ(中川)

A. インドでは人口が多いが、IPv4アドレスに手が出なくて、IPv6に流れよう
   としている。IPv6の普及率を押し上げているのはモバイル。人口の多い国
   では、IPv4アドレスの割り当て増加とともに、v6アドレスの普及も進んで
   きている(川端)

C. インドはv6の普及率が高いが、バングラディシュでは普及は進んでいない。
   中国については相当進んできている状況だがAPNICの観測に出てきていな
   い(佐藤晋)

C. バングラディシュは、割り振り、割り当ては終わったけれど、これから実
   際に機器の対応に入っていくタイミングだろう。中国に関しては、日本で
   v6が一番繋がるのはgoogleで、そこがないというのと、APNICの測定シス
   テムではgoogleの広告にマーカーを付けているので、そのアクセスがない
   のが影響している(鶴巻)

Q. インドネシア、バングラディシュについては、国策としてv6を推進してい
   るのか、民間主導なのか、ご存知の方はいるか(谷崎)

A. インドネシアはIPv4アドレスはもらえないので、自分たちでAPNICメンバー
   になることを国が勧めているようだ。v6も推しているのではないか。バン
   グラディシュはまとまったコミュニティは見受けられないが、NOGはある
   ので、そういうところで盛り上げているのではないか。国として伸びてい
   ることも関係していると思われる。また、通信サービスを国が推進してい
   る(川端)

6. [I] WHOIS教室

中川 あきら(JPOPF運営チーム)

[質疑応答]

Q. IP指定事業者が、割り振りアドレスすべてを自組織のために割り当てた場
   合、割り振り情報と割り当て情報が表示され、上位情報、下位情報共に該
   当なしと表示される。そのような仕様か。

A. 原則として割り振り情報と割り当て情報が表示される仕様。個別に具体的
   な内容を確認した上でご案内させていただきたい(川端)

第2部

7. [I] RIRsレポート

川端 宏生(JPNIC)

[質疑応答]

Q. 過去に日本で、APNICのポリシーミーティングが行われたことはあるのか?

A. 3回ある。2002年に北九州で、2005年に京都で、2015年に福岡で3回あった。
   東京で開催されたことはない(川端)

A. 最近、東京での開催が難しい面はあるようです。800人規模の会場を1週間
   押さえることが難しいのが原因。JANOGが東京で開催がないのも同じ事情
   (鶴巻)

Q. IPv4アドレス枯渇に対してIPv6の推進を進めていると議題になったとのこ
   とだったが、アプリケーション側の導入が進まないのが原因と感じている。
   IPv6の推進が当初の予定通り進んでいないのは、運用やトラブルの対応が
   むずかしいというのが考えられるが、そういった議論はあったか。

A. IPv6を展開するためには、まずアドレスが必要という観点から、ARINのミー
   ティングでは円滑に分配するためのルール作りにフォーカスが当たってい
   る。個別のアプリケーションの対応については、どちらかというとNANOG
   で議論されるようなところだと思う(川端)

A. 日本だとJAIPAや日本データセンター協会(JDCC)などで、推進しようとし
   ている(鶴巻)

A. v6化自体は、進んでいるところは進んでいる。コンテンツではGAFAは進ん
   でいる。WindowsやMacのような端末対応も進んでいる。フレッツは3分の
   2くらいは対応している。日本のコンテンツ事業者が、v6導入のモチベー
   ションがないという面はある。顧客対応のコストなどで(中川あきら)

Q. ARINのミーティングロゴがコウモリだったのは意味があるのか?(鶴巻)

A. 開催地にちなんだロゴがつけられるのが通例。オースティンは、橋の下か
   ら1万羽くらいコウモリが飛び立つ風景が有名らしい(川端)

8. [I] JPNICアップデート(ポリシー実装)

川端 宏生(JPNIC)

[質疑応答]

なし

9. [P] コンセンサスに至らなかった提案の扱いの明確化

谷崎 文義(JPOPF運営チーム)

[質疑応答]

【提案1について】

C. 次のJPOPMまでに再提案がなされなければならないとされている。仕事の
   関係などで出席できないとか、他の議論が多く時間が取れないこともある
   のではないか。事務局の判断で次々回でもいいというのがあるようなので、
   この提案もシンプルに。

C. 修正提案はするようにとしているが、発表が必要とまでは書いていない。
   例えば、仕事の都合で来られなかったので、一旦保留ということはあり得
   ると思っている(谷崎)

C. 現在の表現ではそこを読み取れなかったので、表現は見直した方が良い気
   がする。一次コンセンサスを得るための提案を出すようにと読み取れるの
   で。

C. オンラインフォーラムで議論が続いているのであればOKだと思うけど、現
   在の表現ではキッチリと仕上げて再提案しないといけないように読み取れ
   てしまう。

C. 「翌回」を「翌々回」とする、「オンサイトフォーラムまでに」は「議論
   が継続されていればよい」ような表現がいいのでは。

Q. 「議論」をどのように定義するのがよいだろうか。

A.メーリングリストで1行でも話題が出るような状況であればいいのではな
   いか。

Q. 「翌回まで」の開始は、JPOPMが終わってからという認識でよいか。

A. 「翌々回」という表記であれば、そんなに時期がずれるということもない
   かと思う。

C. OPMの翌日にペロッと1行議論継続意志が出たとしても、次のJPOPMでコン
   センサスには至らないだろう。そこで、チェアが提案を却下する判断をす
   れば問題ないのではないかと思う(鶴巻)

C. 提案の目的として、終わりを決めましょうということ自体は、みなさんも
   問題ないと思う。切って捨てていこうという考えなら、短くした方がいい
   だろう。議論をキッチリ拾っていこうというなら、少し長めの方がいいと
   思う。翌々回とするかは決めの問題(佐藤晋)

C. 「翌回」としていたところは「翌々回」と変えた形としたい(谷崎)

C. (提案2について)どこまで遡って議論がされていないかは慎重に判断した
   方がいいと思うが、議論されていないものを整理することはよいと思う
   (佐藤晋)

C. 提案1ができたとしたら、1年後には議論されていない提案は消えるという
   考え方でいいのではないか。


【コンセンサス確認】
元の提案内容に、以下2点の変更を加えたものについて、賛否を確認する。
(変更点1)「翌回」→「翌々回」
(変更点2)「修正提案がなされなかった場合」
          →「メーリングリスト上で議論がなされなかった場合」

提案1:
 -------------------
  賛成           17
  反対            1
  どちらでもない  1
 -------------------

提案2:
 趣旨としては提案2に賛成だが、表記は加えない。
 -------------------
 賛成            17
 -------------------

10. [I] WHOIS正確性向上WG中間報告

鶴巻 悟(WHOIS正確性向上WG)

[質疑応答]

Q. 既存のアドレスホルダーに対して個人情報取得など同意を取る必要がある
   かと思うがどう考えているか。

A. 法的部分などは今後JPNICと共に検討していく予定(鶴巻) 

11. [I]JPOPF Update

中川 あきら(JPOPF運営チーム)

[質疑応答]

なし

12. JPOPM37クロージング

中川 あきら(JPOPF運営チーム)

[質疑応答]

なし

以上

None: JPOPM37minute (最終更新日時 2019-12-16 09:32:32 更新者 guest)