第14回JPNICオープンポリシーミーティング議事録

日時:2008年7月23日(水) 10:00 - 17:50
会場:TKP秋葉原ホール

[■議事録について]
  - プレゼンテーション資料は別途掲載しております.こちらよりご参照ください.
  - ご参加いただいた方: 75名 (スタッフ含まず)
  - コンセンサス確認の際には,関係者が含まれます.

[■議題]
  1. オープニング

  2. 前回までのフォローアップ
    2.1 Action Item 確認(I)
    2.2 JPNICでのポリシー対応状況(I)
    2.3 ip-users ML アーカイブ設置提案 その後の報告(I)
    2.4 「AP地域LIR共同利用IPv4アドレス空間の新設」提案報告(I)

  3. JPNIC活動紹介
    3.1 歴史的 IPv4 アドレス回収に関する状況報告(I)
    3.2 DNS lame delegation への対応(I)
    3.3 IPv4アドレス枯渇に関する取り組み(I)
    3.4 経路情報の登録認可機構実験について(I)

  4. APNIC 25におけるポリシー提案のご報告(I)

  5. APNIC Update(I)

  6. IPv4アドレスの枯渇に向けたポリシー議論のご紹介(I)

  7. 「IPv4アドレスの回収・再分配」アワー
    7.1 概論(I)
    7.2 世界動向(I)
    7.3 アドレス譲渡に関する調査紹介(I)
    7.4 APNIC ポリシー議論動向(I)
    7.5 JPNIC からの意見(I)
    7.6 IPv4アドレス枯渇問題(I)
    7.7 ディスカッション

  8.APNIC 26 における提案について(I)

  9. DNS root Server の IPv6 対応に関する状況(I)

 10. まとめ
   10.1 コンセンサス確認/まとめ(I)


  (P) 提案事項
  (I) 情報共有を目的とした発表 


[■ 発表および質疑応答 (以下、Q. 質問、A. 回答、C. コメント)]
1. オープニング (藤崎智宏/ポリシーワーキンググループ チェア) [質疑応答]   なし
2. 前回までのフォローアップ 2.1 Action Item 確認 (藤崎 智宏/ポリシーWG チェア) [質疑応答]   なし
2.2 ポリシー実装状況の報告(奥谷 泉/JPNIC) [質疑応答] C. JPOPM10でのコンセンサス事項がまだ検討段階になっている他,実装に時間 がかかっている.できるだけ早く進めてほしい。 (ポリシーWG/藤崎) A. JPNICとしても実装が遅れていることについては非常に申し訳ない。で きるだけ早く実装を進めて行きたいと考えている。(JPNIC/奥谷)
2.3 ip-users ML アーカイブ設置提案 その後の報告 [コメント] C.ip-usersの登録者は約1000人程度いるので、そのユーザを収容できるような レンタルサーバがあればポリシーWGへぜひ紹介してほしい(ポリシーWG/藤崎)
2.4 「AP地域LIR共同利用IPv4アドレス空間の新設」提案報告(芦田 宏之/iTSCOM) [質疑応答] Q.IETFでの反応について、何か知っていることがあれば教えてほしい(藤崎/ポリシーWG) A.メーリングリストでの議論は行われていない。実際のミーティングの場 での議論が中心になると考えられる(発表者)
3. JPNIC活動状況紹介 3.1 歴史的 IPv4 アドレス回収に関する状況報告(佐藤香奈枝/JPNIC) [質疑応答] Q.歴史的PIアドレスの回収を完了後は、課金を検討しているのか(藤崎/ポリシーWG) A.課金については、これまでにJPNIC総会等でお伝えしているとおり、 2010年に料金制度の見直しを検討しており、その際に歴史的PIに対する課 金についても検討することになると考えている(JPNIC/佐藤香奈枝) Q.APNICや他のレジストリはどのような課金をしているのか(藤崎/ポリシーWG) A.たとえばAPNICでは、メンテナー単位で課金がおこなわれていると聞いて いる。JPNICで検討するにあたっては、APNIC等での課金方法もひとつの方 法として視野に入れながらJPNICとして望ましい方法を検討していく。 A.APNICでは、メンテナーの再発行の際にUS$100をいただいている(藤井美和氏/APNIC) Q.回収した歴史的PIアドレスについて、その後の対応はどうなるのか A.歴史的PIアドレスに限定せず、一般的に回収したPIアドレスは、最低で もその後1年間は再割り当て/再割り振りの対象には含めない方針を適用し ている。アドレスの枯渇がせまってきた暁には歴史的PIアドレスもこれと あわせたかたちで再分配対象とすることを予定している(佐藤香奈枝/JPNIC)
3.2 DNS lame delecation への対応 (川端宏生/JPNIC) [質疑応答] C.このとりくみによって初めて割り当てを受けていることを知ったというケー スもあると聞いている。この取り組みを例えば歴史的PIアドレスの回収等とも 連携してうまく活用して対応していただければと思う。 A.本取り組みに伴い6,000通メールを送って20%が戻ってきた。戻ってきた メールアドレス等については、指定事業者にも連絡しているので、現在は もう少しメールの到達率はあがるのではないかと考えている。(川端/JPNIC) Q.IPv6でもlame対策の取り組みを実施しているのか? A.IPv6でも同じく対応している(川端/JPNIC) Q.IPv6のトランスポートは登録できるようになっているのか?(藤崎/ポリシーWG) A.IPv6のトランスポートでも確認している(岡田/JPNIC) C.評価できる取り組みである。正引きの対応はJPRSに丸投げでJPNICでは関知 しないとの見解なのか。民間企業であるJPRSの対応には限界があるため、 JPNICも取り組みにかかわってほしい。 (チャットからコメント) A.たとえばDNS健全化タスクフォースの時には、JPNIC/JPRS/WIDEで協力し て進めてきた。正引きでこのような取り組みを実施するときには、関 連する組織で協力して進めることになるのではないかと思う。(岡田/JPNIC)
IPv4アドレス枯渇に関する取り組み (前村昌紀/JPNIC) [質疑応答] C.顧客にIPv4アドレス枯渇の状況を伝えていく必要があるが、自社の資料では 視点が偏る可能性がある。また、JPNICのような公共性のある組織が簡単にま とめたものを提示してくれれば、顧客への説明にあたって説得力も増すように 思う。以前発行された報告書では長いので、技術的な内容よりも経営層への説 明ができるものがあれば有益と考える。 A.ニーズは理解できるので検討させていただきたい。(前村/JPNIC) C.IPv4アドレスの枯渇に向けての対応として現在なにがどう進んでいるのか全 体像が把握できない。JPNICがイニシアティブを取ってまとめると良いのでは ないか。JPNICは技術的な点の検討よりもポリシーメイキングに専念しても良 いと思う。 A.技術的な検討を行うつもりはJPNICとしてもなく、他の団体にゆだねたほ うがよいと思っている。全体像を把握するための基礎的な技術調査は必要 かもしれないが、それ以外は全体像の提供に徹するほうがよいと考えてい る(前村/JPNIC) C. 各団体がどのようなことを行っているのかを把握できない状況にある。各 団体での検討状況がまとまったWebページなどがあれば教えてほしい。 A. 現時点でまとまって情報が掲載されているものはない。事業者を対象と した内容に必ずしもなるわけではないことをご留意いただければと思うが、 JPNICがそのようなとりまとめを行う方向で考えたいと思う。(前村/JPNIC) C.DNSの健全化を進めないと大変なことになる(AAAAの導入でlame delegation が悪化する)。また、教育機関、資格試験運営機関等へ、IPv6教育の要請をす べき (チャットからコメント) A.ヨーロッパではIPv6教育の重要性が指摘されているので、JPNICとしても 検討する必要があるのではないかと思う。また、DNSの健全化についてもご 指摘は拝聴した。(前村/JPNIC) C.IPv4アドレスの枯渇に関する一連の話を、できるだけ速度感をもって、どれ ぐらい網羅できているかについても考えてほしいと思う。説得力をもっていろ んな人に話をするためには共通の理解が浸透して議論できる土壌を作ってほし いと思う(橘/ポリシーWG) A.そのような要請もあると思うので、JPNICとしても努力していきたい。(JPNIC)
経路情報の登録認可機構実験について (木村泰司/JPNIC) [質疑応答] C.IRRをみんなが使ってくれないと対策が進まない状況にあるのかもしれない。 他の地域では、IRRの利用促進についてどのような状況にあるのか。(藤崎/ポリシーWG) A. RIPEではある程度IRRに立ち返る活動を行っているが、全体として他の 地域ではIRRよりもリソース証明書の利用に向けて進んでいる印象がある。 リソース証明書の活用は、IPアドレスとASを組み合わせたROAオブジェクト をルータに検証させて、まちがったデータをルータがとりいれない仕組み を検討している。JPNICで検討している登録認可機構はこのひとつ前の準備 段階としてそもそも正しいIPアドレスとAS番号の組み合わせを確認すると いうところにあるといえるかもしれない。 4. APNIC 25におけるポリシー提案のご報告 (奥谷泉/JPNIC) [質疑応答] なし
5. APNIC Update (藤井美和/APNIC) [質疑応答] Q.OECD(経済協力開発機構)はIGFとは別の枠組みで開かれた会議なのか。 A.OECDは経済協力機構として、各国の閣僚級が集まって会談を行うもので ある。IGFでは閣僚が参加しておらず、異なる。(前村/JPNIC) Q.OECDはインターネットに今後は介入してくるのか。 A.OECD側は、基本的に民間主導の今のスタンスについては理解をしていて、 介入してくることはないと思う。(前村/JPNIC) A.IGF的なスタンスはあまりなくて、政府関係者はそもそも状況を認知して いないので共有するための会議であったと聞いている(藤井氏/APNIC)
6. IPv4アドレスの枯渇に向けたポリシー議論のご紹介 (奥谷泉/JPNIC) [質疑応答]   なし
6. 「IPv4アドレスの回収・再分配」アワー 7.1 概論 (藤崎智宏/ポリシーWG) [質疑応答]   なし
7.2 世界動向 (奥谷泉/JPNIC) [質疑応答] Q.各RIRへ現在提出されている提案はいずれも、移転先と移転元がそれぞれ合 意済みのうえでRIRへ移転の申請を行うものでありほしいけれども相手はいな い、または移転したいけれど相手はいないというケースは想定していないとの 理解でよいか A.ご認識のとおりである(奥谷/JPNIC) 移転の提案を認めるべきかどうかに関する参加者への確認 参加者総数:84 賛成:31 反対:9 どちらでもない:20
7.3 アドレス譲渡に関する調査紹介 (福島直央/MRI) [質疑応答] Q.相対と市場取引という例が出てきたか、その中間の形態はないのか。たとえ ば仲介(紹介)という形態も考えられるのではないか。 A.それはありうると考えられる(福島氏/MRI) Q.その場合資産にはならないのではないか。 A.あくまで資産になる可能性がなり得るということを述べており、必ず資 産になると主張しているわけではない。実際に購入していても一度レジス トリに形式としては返却をするという方法もありうると考えられ、さまざ まな方法があるが、資産になる可能性を紹介させていただいた次第である。 アドレスも会社が占有的に使い続けることができるという点から、利用権 を保有しているという見方もできるという可能性があることを紹介させて いただいた。(津国氏/MRI) Q.資産となれば、税金が発生することになると思うが、資産になるかどうかの 判断はどこで行われているのか A.会計士協会で資産価値があるかの判断を行っていると聞いたことがある(参加者) A.税金と考えるのであれば、国税当局の判断になると考えられる(福島氏/MRI) Q.本提案はこれまでのアドレス管理のあり方をくつがえす提案であるように思 う。ここでの議論は移転を認める前提でその方法の議論となるのか、それとも そもそも移転を認めるべきかというところから議論を行うのか A.アドレスの移転の是非から議論を行い、移転を認める前提で議論を進め るのではないと、パネリストの一人として理解している(前村/JPNIC)  A.その通りである(藤崎/ポリシーWG) C.予断だがアドレス管理ポリシーの階層図にAfriNICも含めてあげたほうがよいかと思う。   A.対応する(前村/JPNIC)
7.4 APNIC ポリシー議論動向 (奥谷泉/JPNIC) [質疑応答] なし
7.5 JPNIC からの意見 (前村昌紀/JPNIC) [質疑応答] Q . 売買されるときの金額は誰が決めるのか。現在想定しているのは誰か?た とえばJPNICではIPアドレス維持料が基準になったりするのだろうか。現状だ と、値段を決める機関はないのではないか。 A. 専門家の意見も聞いてみたいところだが、レジストリに年間で払ってい る金額はベースとなる比較対象にはなるかと思う。ただし、それは初期値 としての値として考えられるのものその後は需要と供給のバランスに応じ て経済のメカニズムによって決まっていくのではないかと考えている(前村/JPNIC) Q.価格を決める基準が維持料にあるということはあまり意味がわからない。維 持料とは別の話ではないか。 A. その通りである。移転の料金は維持料とは本来別であるが、維持料で設 定されている料金が移転の料金設定において、なんらかの基準値となるだ ろうと予測しているという話である。(前村/JPNIC) C.補足として、今はどのRIRでの提案でも、データベースを移転先の情報を変 更することにまでしか述べられていない。そこから先にどういうかたちで移転 を進めるべきかということについてはレジストリは関与しないというスタンス をとっている。そのような提案であるとの前提のうえで、賛否について議論を 進めていければと思う。(奥谷/JPNIC) Q .いったん返却してレジストリが再分配するという方法もあると思うが、そ の方法について議論が行われず、移転についての議論が行われるのはなぜなのか A.移転のほうが経済的なインセンティブがつきやすいので、移転に関する 議論が盛んなのだと思われる。(前村/JPNIC) A.現状、分配されているIPアドレスがほとんど利用されておりそのまま返 却される可能性が低い現状から、リナンバリング+αのコストのことも考 えて、移転に関する議論のほうが盛んなのではないかと考えている。他の ネットワークに移転するにあたってはリナンバのコストも考慮する必要が ある(荒野/JPNIC理事) A.レジストリに一度返却するけれど経済的なやりとりを行うというのは方 法論として検討されていないが今後余地がある方法かもしれない。(奥谷/JPNIC) C.IPv6アドレスへの移行が進むと、IPv4アドレスが余剰となり、その余剰となっ たIPv4アドレスの移転が盛んになると思う。したがって、IPv6への移行に伴い 「余ったアドレスを譲ってほしい」ということで移転が盛んになるのではないか。
7.6 IPv4アドレス枯渇問題 (白畑 真/株式会社クララオンライン) [質疑応答] C.最後のスライドを見ても、移転がIPv6 への移行に向けてのインセンティブ には感じられない。完全にすべてIPv6に移行するのであればインセンティブに なると思うが、IPv4を使い続けるのであ れば、IPv4+IPv6でコスト増になって しまう。将来的には安くなるとは思うが、IPv4アドレスの取得コストのほうが まだ安いのではないかと思う。 A. この説明では単純化をしているので、このスライドだけでは説明しきれ ていないと思う。(発表者)
7.7 ディスカッション [質疑応答] ---------------------------------------------------------------- ■議論の余地が残されているポイント + RIR間の移転はどういう形で認めるか? + 移転を暫定とする/恒久とする? + 施行時期はIANA在庫枯渇後/それ以前もあり? + 必要性の証明は必要か? …等 ---------------------------------------------------------------- C. 移転を認めるべきかどうかも含めてディスカッションを行いたい。(藤崎/ポリシーWG) C.この移転の提案には反対。なぜいいのかがわからない。APNICでの議論は移 転の方法について議論をしていると思う。移転を行ったらどういう影響がある かについて、議論が行われていないのではないか。アドレスポリシーの中に市 場の経済性に関するポリシーが必要になってくるとおもう。本当に移転につい て考えるのであれば、社会性に関する議論から必要ではないか。アドレスなく なったら取引をする人が出てくる人についてどう考えるかであるが、今のポリ シーの枠組みの中でどう対応できるのか検討する余地もあるだろう。例えば今 のポリシーでもLIRからの割り当てを認めており、接続性が提供されない割り 当てもみとめれば今のポリシーの枠組みの中で対応可能なのではないか。他の みなさんのご意見もお伺いしたい。 C.前回のAPNICミーティングで、今表明されたような意見も紹介したと思うが どういう反応だったのか。(藤崎/ポリシーWG) A.アドレスを使ってなければレジストリに返すという原理原則に反するこ と、それからお金があるところがアドレスを買い占めることにつながるこ とへの懸念をJPNICから表明したが、提案者は市場原理にゆだねて淘汰され れば仕方がないというスタンスだった。したがって、資産化等の社会的な 影響については提案者の立場としてはレジストリの考えることではなく、 市場のみなさんが考えるかということであると回答が返ってくると思う。(奥谷/JPNIC) C.APNICでのポリシー提案では、レジストリデータベースの正確性の維持が目 的であると書いてあり、どのように取引をするか、どのように規制をするかに ついては今回の提案に関する議論の範囲外としている。ここで議論されている 内容については必要な検討ではあると思うけれど、提案者として、市場の話ま でポリシーに含めてしまうと議論が拡散するということを考慮して議論を別に している。提案者もそれらの問題も認識はしているけれどあえて分けている。 したがって、ここは分けて議論をしたほうがよいと思う。大切な提案なので和 訳して全部理解した状態で議論を行うことが必要であると考える。(藤井氏/APNIC) A.prop50の新しい版については、まだちゃんと理解できていない。日本語 にした上で、議論をする必要性はあると思う(前村/JPNIC) C.それらの議論は分けた場合、提案以外の点についてもAPNICのフォーラムと して議論する余地はあるのか。そこはAPNICで検討することではないと言われ るような気がしている。(奥谷/JPNIC) C.方法論しか議論しないということは理解できるけれど、そこをそもそも分け ることが適切ではないように思う。レジストリは一意性の保証をするのが仕事 だということは理解できるが、その範囲外の部分でアドレスの売買が行われ、 資産性が出てくるかもしれない。そういった影響を検討せずに方法論だけを議 論しても意味がないと思う。 C.方法論だけではなく、移転がもたらす影響が考慮されなければ提案に賛同/ 反対できないというのであれば声を上げていってほしいと思う。JPNICの立場 としてはアドレスの管理ルールが、他の要素にも影響があればそれを明確にし たうえで議論をするべきだと考えている。(前村/JPNIC) C. ポリシー提案としてふたつを分けて議論するのはいいことだと思う。ただ し、別個のものとして議論するのではなく、あわせて一緒に議論、検討を行う ことは必要であると思う。例えば例えば売買の機関を切り離したとしても、ど こかでやはりアドレス管理に関わってくるのでレジストリと一体化して検討/ 調整することになるのではないかと思う。また、資産化などに伴う影響がある ことが明らかなのであればその点を明確にする必要がある。(津国氏/パネリスト) C.その意見に個人的に賛成である。この件は問題が大きいので、まずは prop-050に書いてある内容を理解して、そこでなにがかけているのか明確にし たうえで意見を表明する必要があると考える。prop-050を語るにあたって、そ れ以上の問題についても有効ではあるけれど、切り分けないと収集がつかなく なると思う。(藤井氏/APNIC) C.資産化に伴う影響、それからアドレスの投機化などの影響も検討する必要がある(白畑氏/発表者) C.移転に関して賛成。ただし公平性が担保されることの制限を設けた上で、移 転の制度を設ける必要があると思う。これからIPv4アドレスを使う人が使える ようにしてほしいと思う。公平性を担保したうえで譲渡を認めるようにしてほ しい。今のJPNICの仕組みの中で対応できることが望ましいと考える。アドレ スが他からもらえる仕組みがあれば必ずしも譲渡である必要はない。 C.実際にアドレスを利用することを考えると分配を受けたアドレスについてリ スクを考えざるを得ない。お客さんに配ったり、自分たちで使うためにアドレ スが必要になるが、アドレスが使えない、といったリスクは減らさないといけ ない。一意性や実際に利用できることが本当に保証されない限り、譲渡や移転 は全く意味がないと思う。ポリシー提案の内容だけを見て議論をすればよいと いう問題でもないと思う。 C. 実際のホルダーを反映したい。問題があることは認知している。 C.提案者の意図としては各種付随する問題があることは承知しつつ、実際のア ドレスの保有者を把握することを実現することは枯渇後も重要で、その目的達 成にあたってその他付随する問題を整理してからでは遅すぎるのでまずは進め たいというスタンスであると考えられる。したがって、もしコミュニティとし て方向性については支持できるのであれば、その方向で進めてもよいけれど、 それに付随諸問題についても検討していくべきであると表明する必要があるだ ろう(前村/JPNIC) C. APNICへJPコミュニティの意見を紹介するにあたって、方法論とは分けて、 または取り組もうとしている問題については共有して、対処することには賛成 できるのかをまずはお伺いしたい。(奥谷/JPNIC) C. 提案者が担保したいことはレジストリによるDB情報の維持という認識でよいのか。 A.2点あると考える。公式にはDB情報の維持。はっきりといっていないかも しれないけれど、IPアドレスの流動化も狙っているような気がする。2点目 については目的に含まれていなかったとしても、もしメリットを感じるの であればそれを日本のコミュニティとして伝えてもよいと思う。(奥谷/JPNIC) C.このポリシーの主目的は、APNICのアカウントホルダー間でアドレスの登録 情報の移転を認めること。本ポリシーが実装された場合のメリットとしては、 ネットワークの一意性、ルーティング、アドレッシングインフラに関するリス クを排除することができると述べている。また、使われていないIPv4アドレス を利用するインセンティブになると延べている。デメリットについても認識し ており、すべて記述されている。(藤井氏/APNIC) C.メリットとデメリットは何なのかを教えてほしい。ひとつ懸念点としては 経路の増加があげらられる。また、移転を認めるのであればRIR間の移転は行 わず、ひとつのRIR地域に閉じた移転でもよいのではないかと思う。いずれに してもメリット、デメリットが明確ではないため、今の段階では判断ができない。 A.メリットとデメリットはあまり整理されていないかもしれない。すべて の状況が整理されるまで待っていると自然に整理されるものではない。 RIR間での移転に固執する必要はないというのはその通りかもしれない。(前村/JPNIC) Q.ここで言う移転とはどういうものなのか。話者が移転に対してそれぞれ異な るイメージを持っているのではないだろうか。 A.WHOISの割り当て先組織名をDB変更することに閉じている。使う権利を持っ ている人が正しくDBに反映、更新されていることを目指している。(前村/JPNIC) A.移転の定義を提案を移転元、移転先、移転アドレス、移転日がきちんと 登記されていることを移転と定義している。この場ではそれを超える部分 で議論されている。(藤井氏/APNIC) Q.移転の対象は割り振りアドレスか割り当てアドレスか。 A.割り振りアドレスと、APNIC/NICから直接割り当てられたPIアドレス。 LIR経由に割り当てられたアドレスは対象外(奥谷/JPNIC) C. 提案者は確信犯的に移転に伴うDB更新に提案内容を限定しており、その他 の影響は対象外している。したがって、その他の影響について懸念を表明した 場合にどういう反応が返ってくるのか気になるところである(奥谷/JPNIC) C. アドレスが枯渇してもAPNICでDB情報の正確性を維持したい。そしてその手 段としてアドレスの移転を認めることを提案している。 C.いくつか目指していることがあるように思う。市場メカニズムの導入により アドレスが効率的に使われることへの期待。 アドレスの正当な方法での入手。 混乱の防止等。そして、アドレスの一意性が崩壊して勝手に使われることを一 番避けたいことではないかと思う。これら解決したい問題に優先順位をつけるべき。 C.アドレスの割り当てと接続性は連携しているのか A.していない。(前村/JPNIC) C.次回のAPNICミーティングで通るのではないかと思う。その前提で、その対 応について考えてみるとt提案されている内容に閉じて通してよいのか、それ ともそれ以外に懸念すべき影響があるのかということを検討しないといけない。 そして、もし本当に懸念すべき影響がある.JPNICでこの1ヶ月でWGを立ち上げ て、APNIC26で意見を述べるにあたって検討するべき。具体的に懸念すべき課 題を列挙していく必要がある。ちなみに資産化については少なくとも日本では 大きな問題ではないように思う。APNICでの落としどころは、賛成はするけれ ど、その影響について研究会を立ち上げて、しっかり検討し、後日検討すると いうことにするのがよいように思う。(荒野/JPNIC理事) C.指定事業者はJPNICに申告しなくとも移転が認められるのであれば、NIRの存 在価値がなくなってしまうのではないか。 A,NIR管理下のPIアドレスについては対象外となっている(前村/JPNIC) C. 歴史的PIアドレスの整理がきっちりとされれば、移転の必要性に関する議 論の方向性がもう少し変わってくるのではないか。    C.RIR間の移転の話。まずは各RIRでの方針をかためてからRIR間の移転につい て議論をするのがよいということに賛成。その進め方で、将来的にはRIR間の 移転もできるようしてほしい。 A.難しい問題ではあるが検討を続けていきたい。(前村/JPNIC) C.提案の和訳をJPNICと協力して提供したい。また、アドレスの流動化を認め るべきかという点について会場の意見を伺いたい。(藤崎/ポリシーWG) C. 流動化という言葉に表されるものがなにかによってスタンスが変わる。移 転なのかそれとも今のルールの中で対応できる方法であるのかによって変わっ てくるのではないかと思う。流動化そのものに反対しないが、トランスファー による流動化を認めるべきか、を確認してほしい。 C.提案者の目的は流動化ではないと思うが、どうなのか。したがって、そこは 議論のポイントではないのではないか。提案者と目的は共有しつつも、実現方 法はそれだけではないのではないかというところが重要だと思う。 C.目的にはこだわらないで、メリットがあると考えるのであれば賛成してもよ いのではないかとも思う。もし目的には賛成であっても手段に賛成できないの であれば、代行となる手段を提示できる必要があるだろう。それをここ1ヶ月 で、できるのかという問題もあると思うが、この点も含めてWGを作って検討す るということがよいのではないか。(荒野/JPNIC理事) C.ではWGを立ち上げて検討することとする。(藤崎/ポリシーWG) C.日本のコミュニティとして意見を述べるにあたって、目的そのものはOKだと 思うことを伝えたうえで、方法論としてそれがよいのかどうか、について述べ る必要がある。方法論はおいておいて、移転そのものはよいと思うのか、それ とも目的そのものにも反対なのかということは明らかにするべき。 C.条件付き賛成なのか、まったく反対なのかはスタンスとして違うので分けた ほうがよい。 A.条件つき賛成なのであれば、その条件を提示することも求められるだろ う。(前村/JPNIC) [採決] + prop50の根本的な目的(DB登録の維持)に賛同するか 全数:84 賛成:70 反対:0 + 目的を実現する方法として、prop50を通しても問題ないか 全数:71 問題ない:0 反対:41 判断不明:10 8. APNIC 26 における提案について (奥谷泉/JPNIC) [質疑応答]   なし
9. DNS root Server の IPv6 対応に関する状況(豊野 剛/NTT 情報流通プラットフォーム研究所) [質疑応答]   時間不足のため,概略のみ説明,質疑応答なし
10. コンセンサス確認/まとめ (藤崎智宏/ポリシーWG) [質疑応答]   なし
以上