第9回JPNICオープンポリシーミーティング議事録

[■議事録について]
  - プレゼンテーション資料は別途掲載しております.こちらよりご参照ください.


[■議題]
  1. オープニング

  2. 前回までのフォローアップ
    2.1 Action Item 確認
    2.2 歴史的経緯をもつPIアドレスに関するご報告 (I)
    2.3 WHOIS WGに関するご報告 (I)

  3. IPv6アドレスポリシー
    3.1 IPv6割り振りポリシーアップデート (I)
    3.2 [提案] プロバイダ非依存なIPv6アドレス割当に関する提案 (P)

  4. [提案] RIR情報の迅速な共有体制作りの提案 (P)

  5. [提案] IPv4プライベートアドレス拡張提案 (P)

  6. 日本・世界の動向
    6.1 IPv4アドレスの寿命に関するご報告 (I)
    6.2 第20回APNICオープンポリシーミーティングのご報告 (I)
    6.3 インターネットガバナンスアップデート (I)
    6.4 大規模IPv4アドレス空間実験 活動状況アップデート (I)
    6.5 JPNICアップデート (I)
    6.6 IPアドレス検討委員会活動報告 (I)

  7. まとめ
    7.1 本日のまとめ
    7.2 オープンマイク

  (P) 提案事項
  (I) 情報共有を目的とした発表 


[■ 発表および質疑応答 (以下、Q. 質問、A. 回答、C. コメント)]
1. オープニング (藤崎智宏/ポリシーワーキンググループ チェア) [質疑応答]   なし
2. 前回までのフォローアップ 2.1 Action Item 確認 (藤崎智宏/ポリシーWG チェア) [質疑応答]   なし
2.2 歴史的経緯をもつPIアドレスに関するご報告 (佐藤香奈枝/JPNIC) [質疑応答] Q.「未提出」と「回答無し」とは分けて扱うべきのではないか。「連絡回答 なし」に該当する場合は連絡方法の検討が必要なため、「未提出」の場合とは 対応が異なる。 A. 集計の都合上このような形式となり申し訳ない。現時点では集計の都合 でこういう統計になっているが、回答無しが多い。(発表者) Q. 連絡対象組織の中には吸収合併等の事情により連絡先変わったところもあ ると考えられる。経路が広告されているのならば、その経路を流している指 定事業者経由で連絡をとることはできないのか。 A. JPNICの登録情報のみに頼らず、提案していただいた方法も選択肢の一つ として検討したい。(発表者) Q. どこのISPから経路が流れているかは把握してるのか。 A. 今は手元に資料が無いが把握はしている。(発表者) Q. 代表番号が分かっているところについては連絡することはできないのか。 A. 工数だけの問題で、連絡することは可能ではあるが、登録情報以外の情 報を使うと、個人情報保護などの関係で難しい可能性もある。(発表者) C. きちんとした手続きをとらない組織が好き勝手にアドレスを使い続けら れるような状況は避けてほしい。 A. JPNICもそのような状況は望ましくないと考えており、賛成である。(発表者) C. 本件について送付している文書が機械的すぎる。当時は経緯もわからずた だ必要ということでアドレスを取得したユーザも多く、送られてきた情報だ けでは判断しにくい。それが不十分であるため回収が進まない部分もあるの ではないか。また、将来課金を行う可能性があると公言すれば回収が進むか もしれない。いずれにしろ顧客の状況も理解したうえでの十分な対応をお願 いしたい。 A. ご指摘承りました。今後は連絡を行う際、放置されず、対応していただ ける形を考えていきたい。(発表者) C. 一点提案すると、電子メールでの連絡先の通知だけではなく、組織とし て今後きちんと返信用書類を入れた方がよいのではないか。電子メールだけ ではなく、他の手段もあわせて回答ができるような形を検討してほしい。  A. 了解した。(発表者) C. 古くからコミュニティに関わっている人たちも一緒に協力していくこと が鍵になるのではないか。 A. 人的な協力から得られる部分は大きいと思うので周囲と相談していきたい。(発表者) C. 極端に言うと現在のポリシー文書を全部添付して経緯の説明を行ってもよ く、ある程度強い行為に出る用意もしておいた方がよいだろう。このプロジェ クトはJPNICの人徳を図るものだ。できるだけ円滑にかつ早く決着をつけて もっと新しいことに手を付けて欲しい。 C. JPNICと現段階でほとんど関わりをもっていない組織が多く、そう簡単に 進むプロジェクトではないと考える。そしてIPアドレスについてあまり 知識がない人たちに向けて、現在の方法を続けても回収率があがるとも 思えない。指定事業者を通じた働きかけを開始しないと、いつまでたっ ても回収が進まないのではないか。 A. 今までは指定事業者への負担を考え、お願いするのは避ける方向で進め ていたが、協力いただけるのであれば、是非そういったことについても検討 したい。(発表者)
2.3 WHOIS WGに関するご報告 (佐藤 晋/JPNIC) [質疑応答] C. 実害が大きいので個人名前がWHOISで表示されるのはどうにかして欲しい。 歴史的経緯を持つPIアドレス情報でも、連絡先として担当者情報ではなく、 担当グループ情報を登録することはできるのか。 A. 登録可能なので是非ご利用いただきたい。(発表者) C. 既存の担当者情報をすべてJPNICが担当グループ情報に置き換える、つま り、個人として登録されている連絡先の情報は全てJPNICデータベースから 無くすということも検討して欲しい。 A. ご意見ありがとうございます。(発表者) C. 電子メールではなく、電話で連絡をしてくる人への対応は電子メール以 上に負荷が非常に大きい。 A. 個人的には、電子メールでの連絡先さえきちんとしていれば他の手段は いらないのではないかとも思う。今後検討していきたい。(発表者) C. 個人ベースの情報で電話番号、FAX番号が出ているのは問題だと思う。個 人の連絡先の登録は本当に必要なのか。 A. 現在はすべて担当グループ情報としてご登録いただく対応が可能。よい 対策を今後一緒に検討していければと思う。(発表者) C. 今までの話を踏まえてWHOIS WGの中で今後も議論をお願いしたい。これは 日本国内だけで結論を出すのではなく、世界的に巻き込んでいかないと仕組み を変えられないだろう。おそらくはISPのみなさんがユーザのみなさんに確実 に連絡が取れることを担保に、他の手段を考えていくことになるのだろう。み なさんも一緒に考えていってほしい(JPNIC)  C. 一点補足。今回のWHOIS WGではWHOISをベースに連絡先の提供を行う前提 で検討を進め、WHOISそのものの必要性を問うことは検討事項に含めていない。(発表者) C. 現在各種情報に対する連絡先として登録している担当者情報を担当グルー プ情報に置き換えるのは手間がかかる。担当者情報を特定の担当グループ情 報へ一括変換できる方法はないのか。 A. Webベースでの申請で、ネットワーク情報中の担当者情報を特定の担当グ ループ情報に一括変換する機能は提供している。(川端) C. 不要な連絡先情報は削除しているが、網羅できていない可能性がある。 自組織で登録を行っている連絡先情報を一覧で参照することはできないのか。 A. どの情報からも一定期間参照されない連絡先情報は自動的に削除される 仕組みになっている。(発表者) C. 2年前に議論を行った際には、トラブルシュートのための情報提供は必 要であるという意見が大勢を占めていたように思うが、現在はできるだけ 提供しない方向の方が支持が大きいようだ。今後、既存の方法ではなく、 新しい方法でトラブルシューティングを行う方向でコンセンサスはあるのか。 A.コンセンサスとまでは言えないかもしれないが、指定事業者が間に入っ て連絡をとる形もひとつの方法としてありなくはない。それが実際機能し ているかどうかは確かめる必要がある。(JPNIC) C. その場合指定事業者はネットワーク運用にも暗黙の責任を負っているこ とになるのか。そのような前提で今後運用が必要であれば最低でもJPOPMの ような場で共通認識を形成することが必要なのではないか。共通認識の形 成というかたちではなく、文書で明文化する方法もあるかもしれないがそ の場合、組織的にも内容を一行追記するだけでも相当大変だろう。 A. もしそのような対応が必要なら、JPNICに対して意見を上げていただける と組織的に議論ができる素地ができるだろう。今回のJPOPMではまだ具体化 しなくとも、引き続き議論をお願いしたい。(JPNIC)
3. IPv6アドレスポリシー 3.1 IPv6割り振りポリシーアップデート (奥谷泉/JPNIC) [質疑応答] C. 割り当てサイズの新設について、/48割り当てを受けた既存ユーザが追加 割り当てを受ける際に適切なサイズが/56になるのか/48なるのかの判断が必 要となるため、今後「影響が無い」とは言えないのではないか。ISPに判断 がゆだねられたとしても判断に迷うところである。  A. 了解した。(発表者) C. 細かく定義をしてもらわないと困るという話は聞いている。LIRの立場と しては、追加申請を行う場合の判断をどうするかなど細かいところまで分か らないと、賛否を示しにくいと思う。(ポリシーWG 藤崎) C. ISPが判断してユーザに割り当てて良いという場合、きちんとした割り当 て基準がないと現実的にISPは/48の割り当てを行うことになると思う。また、 割り当てサイズが新設された場合、追加割り振り申請時には/48の割り当て は/56x256として算出するのか等詳細が不明。このような点も含めて判断基 準を明確にして欲しい。 A. 了解した。追加割り振り時の計算方法については/48の登録であれば、 /56x200として計算されるのだと推測するがいずれにしろ提案者に確認したい。(発表者) C. /56は好まないので/48で割り当てを行っていくいうことは本当にありあ るのだろうか。 /56でも十分に大きなサイズであるように思えるがこの点    でどうなのか。(JPNIC) C. 消費者心理としては実際に必要かどうかは別にして、サイズの大きな方 を望むだろうということではないか。 C. 単に/48を実際に利用することになるだろうからという理由で提案に反対 するのであればそれは述べないほうがよいだろう。日本は前回のAPNICミー ティングでで抵抗勢力と見なされており、次回のためにきちんと理論武装を する必要がある(JPNIC) C. ポリシーが頻繁に変わると普及促進に影響を及ぼす。その点も考慮した うえでポリシー調整を進めてほしい。  A. そのようなご意見をアンケートでもいただいており、了解した。(発表者) Q. 今回の/56の新設というのは実運用ではなくWHOISの登録単位を指している のか。今までは/48が登録必須最小サイズだったのでこれが/56になると、負荷 が大きい。 A. 認識の通り、/56が最小登録単位となる。(発表者) C. 頻繁ポリシーがに変わるとIPv6の普及、運用に影響を及ぼすというのは 全うなご意見である。しかし、今このような考えが世界では通用していない。 IPv6が一番普及しているのは日本であると再認識しており、これはきっちり 伝えていく必要があると考えている。(JPNIC) Q. 日本ではケース3(可変的な割り当て)はあまり好まれていないが、北米だ とそれを好む人が多い印象を受ける。何故なのか。 A. 主観だが、北米では実際に運用に携わっている人が少なくIPv4の経験を ふまえて理論的に賛成しているのではないかと思われる。(発表者) C. その場合、北米地域にも日本の意見としてきっちりぶつける必要がある のではないか。是非頑張っていって欲しい。  A. ご意見に賛成であり、了解した。いただいたアンケート結果を踏まえて 今後、そのようにしてきたい。(発表者) Q. これは次回のAPNICで発表する予定なのか。 A. その予定である。(発表者)
3.2 プロバイダ非依存なIPv6アドレス割当に関する提案 (外山 勝保/NTT) [質疑応答] C. ARIN地域でもIPv6のPIアドレス新設について議論が行われているのだが、 ここで提案されている基準はARINでの議論が非常によく反映されている思う。 ARINではPIの必要性があることについては合意が得られているが、経路情報 への影響が大きく懸念されているのでこの点を理論武装したうえでの提案と いうのは説得力があるだろう(JPNIC)   C. IPv6におけるPIアドレスのニーズは非常に高いと思っている。IPv6アド レスにおいてもPIアドレスを是非設けるべき。ただし、定義はもう少し厳密 にした方がいいだろう。これはインターネットへ接続しているネットワーク を対象とした提案だと思うが、IPv6だとそれ以外の使い方もあるので、対象 をよりはっきり定義した方が良い。また、PIアドレスが認められると取得す る人が多数出ることが予想されるのでアドレスの消費については厳しめに見 積もっておいたほうがよい。 A. アドレスの消費については今後きっちりと見積もっていきたいと考えている。(提案者) C. IPv6でもPIアドレスが認められれば需要が増えるのではないかとのこと だが、IPv4においてPIの割り当てサービスを開始して1年経った現時点で14 件しか申請を受けていない。IPv6においては需要が大きく伸びると考えれば よいのか。(JPNIC) A. IPv4のPIについてはサービスの存在自体を知らない、または敷居を高く 感じている要素もあるのかもしれない。もしIPv6におけるPIアドレスも、簡 単に取得されるべきものではないとのスタンスをとるのであればあれば敷居 を上げることも検討しなければいけないだろう。(提案者) C. マルチホーム以外にグローバルなルーティングが行われないケースにお いてもPIアドレスの需要は想定される。従って、対象を絞り、特定の対 象に対してサービスを提供することを明確にしておいた方が良いと思う。  A. 賛成である。対象をはっきりと明言したうえで提案していきたい。(提案者) C. 経路の増加にルータのメモリが対応していればこのようなサービスを提 供してもよいだろう。ただ、対応できないのであれば考慮が必要なため、 経路の増加に対応できる機器があるのかを考慮する必要があるのではな いだろうか。  A. ベンダーさんとも意見を交換できる場があればありがたいと思う。(提案者) C. 基本的にこの提案に賛成。また、PIアドレスを特定のアドレスレンジに まとめるのは良いアイデアだと思う。そして、将来、そのPI専用のアドレス 空間がフィルタリングされる可能性があることをどこかに明記すべきなのか、 それともそのような記述は不要だと考えているのか意見を聞きたい。 A. マルチホームのニーズがある組織がPA空間のパンチングホールを行って しまうよりは、きちんと定義された基準を設け、それに従うことに同意した うえでアドレスを使ってもらったほうがよいというのが提案の趣旨である。 フィルタリングについてはまた今後状況をみて必要であればそれも視野に入 れて検討していきたい。(提案者) C. それを踏まえてのコメントだが、ユーザの需要としては2通りあるだろう。 1つはコネクティビティの問題を解決するため、もうひとつは上位のISPから 独立したアドレスが欲しいという需要。本質的にこれら2つは違う。2つめ の需要は除外するような基準を設けた方がいいのではないかと考える。  A. 要望については理解した。基準の中にそれがうまく入れられるか検討し ていきたい。(提案者) C. 前回のJPOPMでも似たような話をしたが、何かしら抑制する客観的な条項 を入れるのは難しいのではないかと思う。また、LIRから独立したアドレス を必要とする需要に対する抑制と、マルチホームなどルーティングの必要性 からくる需要に対する抑制は分けて検討してはどうか。 A. 割り当てを受けることにより、経路表を増やすことになるため、それに 対する課金というかたちをとることを検討している。(提案者) C. 先ほども述べたが将来のルータビリティ、アドレスが永久にそのまま利 用できることは保証されないということをやはり明言した方がよいのではな いか。それによってある程度需要が抑制され、気軽に申請する人を制御でき る。ルーティングの問題からアドレスを必要とするのであればアドレスが永 久に利用できなくとも申請するだろう。 A. 割り当てを受けたPIアドレスが永久に使える保障はないということを明 記するということですね。(提案者) C. ルータビリティだけがPIの需要のベースではないということは明確な認 識をもってほしい。 A. そのようなニーズがあることは理解した。議論を混在させてないために まずはニーズをわけて第一ステップとしてはマルチホームのニーズにこたえ るようにして、第2ステップとしてその他のニーズに対応できるように別途 提案していけばよいのではないかと思う。あまり論点が多いと議論が複雑に なるのでフォーカスしたい。(提案者) C. IPv6のPIアドレスがとても欲しい立場からの発言だが、自組織のネット ワークの特性からアドレスが特定のプロバイダに依存しないことは非常に重 要。1点質問だがマルチホーム料金というのは、別途何かしらの料金を取る ということを指すのか。 A. 経路表を増やすことに対して対価を払うべきという考えのもとにそのよ うな視点を提案に入れた。(提案者) C. 経路が増えるとルータの性能が上がることが確認できるような資料はな いか。もしそれがあれば経路の増加を懸念しなくとも大丈夫だと言えるの ではないか。 A. 個人的にはそれに関して楽観論でありたいが,悲観論説に立つと,経路 表の増加に伴い,ある点から一気にルータの性能低下が起きることも考 えられる.この点についてはまだ検討が足りていないと思うのでルータ のベンダとも話をしていきたい。(提案者) C. 今後の進め方だが、少人数でより詳細なドラフトを作成し、再度それを持 ち寄るようにすればどうかと思う。 A. その案には賛成であり、是非みなさまお力をお借りしたい。今後WGを設 立して提案をドラフトしていければと思う。(提案者)  C. ある程度おおまかなコンセンサスの確認を行ったうえで細かい点につい てはWGに一任するようにすれば進めやすいのではないか。また、次の JPOPMまで待たずに次回のAPNICミーティング(2006年2月)で提案するスケ ジュールで進めてはどうか。(JPNIC) [コンセンサスの確認] 今後の進め方として、細かい点はWG一任でIPv6 PIを提案することでよいか。(ポリシーWGチェア 藤崎) →会場でのコンセンサスが確認された [結論] IPv6におけるPIアドレスの新設を検討することで次回のAPNICミーティング で提案を行う。WGを設立し、基準の詳細はWGで検討する。
4. RIR情報の迅速な共有体制作りの提案 (豊野 剛/NTT) [質疑応答] C. 広報の不手際についてはお詫び申し上げたい。障害発生についての第一 報の情報提供が不十分であったため、こちらも反省し、内部の体制を見 直しを進めている(JPNIC) C. 告知方法については既存のものに加えて他にご要望があれば、是非ご意 見をお伺いしたい。(JPNIC) C. 指定事業者に対してはDNSの障害についてメールで告知をしないでほしい。 本来であればFAXや電話で一斉告知を行うべき。 Q. 正引きは問題なく逆引きの障害であっても電子メールで連絡を行うことは 問題なのか(JPNIC) A. コメントの意図としては、電子メールが問題というよりも、電子メールに 加えた情報手段を希望している、ということである。 C. 業務コストとの兼ね合いも考えると難しい問題であり、どこまでの粒度で 情報提供を行うべきかについて検討していかなければいけないと考えている。 この点についてもみなさんのご意見をお伺いしたい。(JPNIC) C. メールではない代替手段として他の方法も検討しておいてほしい。また、 障害対応の連絡先を設けて欲しい。  C. 内容については共感したが、この場で議論することが適切なのか。JPNIC の事業運営のあり方に関わるためIPアドレス管理指定事業者連絡会でやるべ き議題なのではないか。 C. APNICにも関わってくる内容なのでこの場でも問題ないと思う。(ポリシーWG 藤崎) C. APNICも検討すべき問題としてAPNICのDNS SIGで提案する価値があると思う。(JPNIC) C. JPNICが提案の内容を取りこむのであれば、対応に伴う費用も含めて、検討してほしい。 C. DNSの障害に対する対応のあり方について議論を行うことは非常に重要で ある。その体制について事業部として検討し、指定事業者のみなさまに対し てはコンセンサスのあるなしにかかわらず、ご報告するべきであると考えて いる。(JPNIC) C. マスコミに流すこと(プレスリリース)も検討するべきだと思う。問題が 発生したときに原因ではなく、第一報を受けることが重要なため。   C. 本件については周知とトラブルシューティングの調整のふたつの問題が ある。JPNICとしても対応の検討は必要だが、既存の連絡パス以外の選択肢 もできるよう、事業者も一緒にできることを検討していくべき問題だと思う。 C. JPNICが障害時の体制を整えること、APNICとの連絡パスをしっかりする こと、APNIC/RIRとしてもちゃんとした体制をとってもらう、ということが 今後対応が必要なことである。それぞれ整理したうえで対応を考えるとよい のでないか。また、指定事業者に対する体制と、一般的に通知すべき体制を 分けて整理して考えるべき。 C. APNICの障害体制についても確認し、IP-USERSメーリングリスト等で共有 してほしい。 C. JPNICとしての体制を、APNICとの連携部分も含めてみなさんと共有して 再度コミュニティにご意見をお伺いする(JPNIC) [コンセンサスの確認] JPNICが一般的なチャネルにおいて障害に関する通知体制を整えることについて賛成か。(ポリシーWGチェア 藤崎) →会場でのコンセンサスが確認された [結論] ・JPNICが一般的なチャネルにおいて障害に関する通知体制を整えることについてコンセンサスが得られた ・JPNICとしての体制を、APNICとの連携部分も含めて固め、再度ご意見をお伺いする(JPNIC)
5. IPv4プライベートアドレス拡張提案 (新延 史郎/NTT) [質疑応答] Q. なぜ本プライベートアドレスは利用目的を限定する必要があるのか。一般的 に利用できるようにしては問題があるのか。 A. 事業者用として利用し、ユーザ側のネットワークで利用しているプライ ベート空間と重ならないようにすることが目的。基本的には他のネットワー クとのインターフェースも含めて一意性が担保されていればよい。(提案者) C. 電話網のみのためにIPアドレスの用途を限定してよいのかが疑問。公平 性に欠けると思う。 C. 電話会社に限定しているから齟齬があるかもしれないが、大規模なIPサー ビスであればいいと解釈すればよいのではないか。 C. そうであれば問題ない。 Q. 既存のIPv4ネットワークをIPv6に移行するまでにかかる期間が1年程度で あればなぜIPv6アドレスを使わないのか。 A. IPv4の設備を持っている組織にとっては、IPv6の導入はコストがかかる ので敷居が高いと考えているところは多い(提案者) C. どちらにしてもグローバルに接続する際にNATを利用するのであればIPv6 を使えばよいのではないか。もしくはグローバルなIPv4アドレスを申請して、 IPv4アドレス空間を使い切ってしまうことも一案かもしれない。  A. インターネット全体として、IPv6にすぐに移行できない部分があるため、 全ての部分ではIPv6アドレスは使えない(提案者)  C. プライベート空間を拡張したとしても、グローバルなコネテクティビティ が必要であることには変わりないだろう。また、1年程度で移行できるのであ れば、IPv6に移行したほうがいいのではないか。 A. 組織においては既存のIPv4ベースの設備を延命させたいと考える事情もある(提案者) C. 新規導入においてIPv6の機器を増やしていくのはどうか。 A. 考えかたとしては賛成である(提案者) C. 提案のメリットがよくわからない。申請して新しいIPv4アドレスを取得 する労力と、このようなアドレスを設ける労力と比べて、どちらが大変なの か考える必要があると思う。プライベートアドレスを拡張したとしても自社 とクライアント側のネットワークを簡単に切り分けられない部分もあり、自 社内で一意性を確保することは大変だろう。(JPNIC) C. プライベートアドレスが拡張されることについては賛成だが、用途を限 定することには反対。 A. それではユーザネットワークも自由に使える空間でもいいとするべきなのか(提案者) C. ユーザネットワークと空間が重なるのであればダブルNATを利用すればよい。 C. 新しいサービスを開始するタイミングで、いまから機器をIPv6に対応して いった方が低コストで対応できるのではないか。 C. 設備とサービスが必ずしも一致しない場合があるかもしれない。 C. IPv4のプライベートアドレスを拡張する案自体はよいが、本当にそれで 問題が解決するのかの確認は行った方がよいだろう。また、グローバルなア ドレス空間が、現在クラスA換算で残り60個程度であるため、そのうちの3つ を利用するためにはもっと理論武装が必要と思われる。(JPNIC)  A.了解した(提案者) [結論] ・提案に対するコンセンサスは確認されなかった。今後の再提案にむけて継続議論を行う。
6.日本・世界の動向 6.1 IPv4アドレスの寿命に関するご報告 (穂坂 俊之/JPNIC) [質疑応答] C. いずれかの時点でIPv4アドレスの割り当てを行えなくなる。本当に重要 なネットワークに対しても必要な割り当てができないような事態は避けるべ き。従って、割り当て終了時期をそろそろ見極めたうえで対応を考えていく べきではないか。 A. ご意見承った。(発表者) C. ARINミーティングの状況を紹介。いずれIPv4アドレスはなくなるもので ある。従って、アドレスの延命や寿命予測の正確性そのものについて議論を 行うのではなく、枯渇した場合の対応をみんなで考えようとの議論が行われ ていた。また、インターネット全体としIPv6に移行できていないが、IPv4ア ドレスの割り当てが受けられなくなることが想定される。そういった場合の 対策も検討が必要。(JPNIC) C. JPNICとしては、IPアドレスの利用者が困らないようにすることが重要な 課題と考えている。割り当てが行われていながらも使用されていないアドレ ス空間を回収したとしてもせいぜい2〜3年延命される程度だろう。IPv6にイ ンターネットの重心が移っていく必要があるのではないか感じるが、実際状 況をお聞かせいただける方がいらっしゃれば是非お伺いさせていただきたい。(JPNIC) C. IPv6への数値目標でも作ってみるのはどうか。 C. 誰が策定するのかという問題がある。 C. 2012年にIPv4アドレスが枯渇するのであればいまから7年後。これから機 器を買うならIPv6対応のものにするべきであるという説得は可能ではないか。(JPNIC)
6.2 第20回APNICオープンポリシーミーティングのご報告 (奥谷 泉/JPNIC) [質疑応答] Q. 次回のAPOPMはいつ開催されるのか。 A. 2006年2月末〜3月上旬 オーストラリア、パースで開催される。(発表者) [事後補足:2006年2月27日-3月3日]
6.3 インターネットガバナンスアップデート (前村 昌紀/JPNIC) [質疑応答] C. スライドP.7について、IGTF-Jの会津氏は異なる読み方をしている。イン ターネットリソースについては2006年第1四半期までに新しい枠組みを始め る(IGFに含まれない)という見解。どちらにも解釈は可能。(JPNIC) A. 政府の関与を強めるということも確かに書かれている。とりあえず現状 の枠組みから大きな変更がなさそうであるとはいえ、みんながインターネッ トガバナンスに力を合わせていかないといけないと考えている。今後も動向 は追っていく必要があり、随時ご報告していきたい。(発表者)
6.4 大規模IPv4アドレス空間実験 活動状況アップデート (福島 直央/IPv6普及・高度化推進協議会事務局) [質疑応答] Q. 本実験はフェイズ2で終了し、今後またフェイズ3を行なう予定はないことを確認したい。 A. フェーズ2で終了し、フェーズ3を行うことはない。(発表者) Q. 「v4よりv6のコストが安い」ということだが、具体的に何のコストが安 いのか? あまりIPv4アドレスとの違いが見えない。 A. IPv4の場合、例えばIP電話であれば個々に技術者を派遣して設定をしな ければならないものが、IPv6の場合繋いで自動設定できるようにしておけば、 リモートで対応できる。また、対応期間も短縮できる。設備そのものが安い いうわけではない。(IPv6普及・高度化推進協議会事務局) C. JPNICでは、本実験におけるIPv4アドレスの分配がJPNICポリシーと大き く違わないように監視している。実際にはネィティブなIPv6ネットワークへ の移行ではなくデュアルスタックで使用されていたりするので、完全な返却 ではなくRIRのポリシーに添って今後引き続き使用されることも含めて検討 していく予定。(JPNIC)
6.5 JPNICアップデート (佐藤 晋/JPNIC) [質疑応答] Q. スライドP.11のPIアドレスについては「解約」ではなく「返却」のまちがい ではないのか。 A. 契約締結を行ったうえで割り当てているので、そのアドレスを利用しな くなった場合「解約」という扱いになる。(発表者) Q. スライドP.11は「累積件数」と「割当件数」が逆に表示されているのではないか。 A. ご指摘の通り逆でした。修正します。(発表者) [事後報告:修正は資料に反映済み]
6.6 IPアドレス検討委員会活動報告 (芦田 宏之/IPアドレス検討委員長) [質疑応答]  なし
7. まとめ 7.1 本日のまとめ (藤崎 智宏/ポリシーWG) [質疑応答]  なし
  7.2 オープンマイク (橘 俊男/ポリシーWG) [質疑応答] C. レジストリとは独立したポリシー調整機関が存在するポリシー策定プロ セスは日本独自のものである。ポリシーWGのみなさまのご尽力に非常に 感謝している(JPNIC) C. JPNIC以外の方が3名提案していただけたことをありがたく思う。今後コ ミュニティからの提案を支援するよい方法があればお聞かせいただきたい(JPNIC) C. APNICにも関わる議論が多いのでAPNIC関係者がこの場にいるともっと議 論の幅が広がってよいと思う。 A. APNIC事務局長のPaul Wilsonまでが参加できるかはわからないが過去に APNICスタッフに参加してもらったこともあり、今後も招待する方向で話を 進めている。次回のミーティングには参加してもらうようにしたい。(JPNIC) C. ポリシーWG専用のドメイン名を取得したほうがよいのではないか。 A. ポリシーWGには独自費用がないので難しい。独立性担保のためにJPNICに 負担してもらうのは方針としてしないことにしている(ポリシーWG 橘) C. ドメイン名取得のために募金を募ってはどうか。(JPNIC) C. JPNICとOPFを独立させていることを活かすために、辛らつであってもよ いのでもっとJPNICに対する率直な意見を遠慮なく述べていくべきである(JPNIC) C. 指定事業者連絡会でJPNICがJPOPMで決定した内容の報告を行っているとき、 事業者は自分達の関わる前に決定事項の事後報告をされていると感じている ような空気があるように思う。 C. 事業部から指定事業者への周知が足りないことが原因かと思われる。こ れは改善していきたい。(JPNIC) C. 指定事業者自身も関わっていく努力をする必要があるだろう。 C. 指定事業者連絡会でJPOPMやIP-USERSメーリングリストへの参加状況を尋 ねたところ、JPOPMへある程度定期的に参加している事業者は3分の1程度し か参加がなかった。(JPNIC)   [事後報告:指定事業者向けアンケートの回答結果](JPNICより提示いただきました)  -------------------------------------------------------------------------  3 JPNICオープンポリシーミーティングに参加されてことはありますか。  -------------------------------------------------------------------------  a. ほぼ毎回 11  b. 興味のあるトピックスのとき 6  c. 1,2回 13  d. 出席したことはない 17  -------------------------------------------------------------------------  4 JPNICが運営している ip-users@nic.ad.jp のメーリングリスト(IPアドレス・   AS番号ポリシーについて議論を行うメーリングリスト)に現在ご登録いただいて  いますか。  -------------------------------------------------------------------------  a. はい 28  b. いいえ 18  無回答 1  ------------------------------------------------------------------------- C. 議題がなければJPOPMに参加しなくてもいいし、IP-USERSメーリングリス トへの登録も義務ではない。このぐらいの人数が適当な気もする。(ポリシーWG 伊藤) C. 私はもっと参加が多いとよいと思っている。(ポリシーWG 藤崎) C. LIRはIPアドレスの管理にそれほど時間を費やすことはできないと思う。 今後の実装方法について具体的なイメージがあるわけではないがJPNICはIP アドレスの専門家として専門性を提供していきたいと考えている(JPNIC) C.過去の提案、コンセンサス事項がリストとして参照できるとよいと思うの で是非ご検討いただきたい。

閉会 17:55 以上