臨時 JPNIC オープンポリシーミーティング(2008年8月18日)議事録
議題
- [prop-060] Change in the criteria for the recognition of NIRs in the APNIC region/APNIC地域でのNIR認定条件の変更
- [prop-055] Global policy for the allocation of the remaining IPv4 address space/IANAからRIRへの最後のIPv4アドレスの分配
- [prop-059] Using the Resource Public Key Infrastructure to construct validated IRR data/IRRデータにおけるRPKIの利用
- [prop-061] 32-bit ASNs for documentation purposes/文書記述用の32ビットAS番号
- [prop-065] Format for delegation and recording of 4-byte AS numbers/4バイトAS番号の委任および登録フォーマット
- [prop-064] Change to assignment policy for AS numbers/AS番号割り当てポリシーの変更
- [prop-063] Reducing timeframe of IPv4 allocations from twelve to six months/IPv4アドレスの割り振り期間の縮小
- [prop-066] Ensuring efficient use of historical IPv4 resources/歴史的経緯を持つIPv4アドレスの効率的な利用
- [prop-062] Use of final /8/APNIC管理下の最後のIPv4/8の分配について
- [prop-050] IPv4 address transfers/IPv4アドレスの移転
資料
議事録
[prop-060] Change in the criteria for the recognition of NIRs in the APNIC region/APNIC地域でのNIR認定条件の変更
+ ふたつ以上NIR候補の組織が出てきたらどうするのか
→NIRの設立を希望する経済圏の会員の75%以上の支持が得られることが条
件となるため、その条件を満たしている方の組織がNIRとなる(JPNIC 奥谷)
[prop-055] Global policy for the allocation of the remaining IPv4 address space/IANAからRIRへの最後のIPv4アドレスの分配
→コメントなし
[prop-059] Using the Resource Public Key Infrastructure to construct validated IRR data/IRRデータにおけるRPKIの利用
→補足説明。RPKI=RIRがリソースに対して証明書を発行している仕組み。本
提案はIRRデータに対して、RPKIを利用したデータを入れ込んで正当性の強化を
目指している。しかし、実装と影響の詳細を確認しないと判断できないため、
現時点では反対(JPNIC 前村)
→JPNICの意見に賛成
→賛成の場合はひとことでもよいので賛成と表明していただけるとよいので
はないかと思う
→JPNICでも同じような取り組みをやっているので同じような提案をしてもよ
いのでは.
→JPNICで検討しているものも実現したいことは同じ。ただ、方式が異なる。
これに対して反対して、その対案としてぶつけるほど親和性はない。情報共有
程度であればよいかもしれない。
挙手
→賛成 0名
→反対 3名
→判断できない 多数
[prop-061] 32-bit ASNs for documentation purposes/文書記述用の32ビットAS番号
→補足。プロセスとしてIETFで提案することが適切ではないかとの意見が
APNIC MLでは表明されている(ポリシーWG 藤崎)
→会場からコメントなし
挙手
→賛成 多数
→反対 0名
→判断できない 0名
[prop-065] Format for delegation and recording of 4-byte AS numbers/4バイトAS番号の委任および登録フォーマット
→ASPLAINでいいと思うけれど、大きくなったときにどうするのかという問題
は気になる(10何桁書くのか?)。5-10年程度であればそういった問題もないの
でASPLAINでいいと思う.
→どちらかに統一して、運用することが重要だろう(ポリシーWG 藤崎)
→APNICでやるべきではなくて、IETFでもっていくべき。APNICのドキュメン
トは誰も参照しないがRFCであれば参照されるので。
挙手
→賛成 多数
→反対 0名
→判断できない 0名
[prop-064] Change to assignment policy for AS numbers/AS番号割り当てポリシーの変更
→コメントなし
→ここにそういう人がいないからここで聞かれても困るのでは
→ここはまた別の提案なので別途JANOGコミュニティも交えて今後議論するべ
きではないか
挙手 第1回目
→賛成 11名
→反対 0名
→判断できない 約半数
→prop-064を認めるということは、2010年の4バイトASの配布を開始すること
を認めること。それで本当によいのか聞きたいところ(JPNIC 前村)
→世の中的にはルータのファームの出てくるペースが遅い。特に過去のもの
についてはそう。したがって、ベンダーの対応状況をみるろリスキーなの
ではないか。
→このタイミングで遅らせなければいけないのであれば、いつまで遅らせれ
ばいいのか明確にしなければいけない。ベンダーの対応を待っていたらいつま
でたってもできないだろう。例えばルータの減価償却期間が5年なので、提案が
行われた2006年から5年ということで提案すればいい。ベンダーの対応よりも買
う側の対応状況次第。したがって、2010年でも構わない。
→レジストリとしてはむやみに遅らせることは望ましくはないが、全く不可
能であれば見直す必要もあるだろう。その点を念頭において検討していただけ
ればと思う。
挙手 第2回目
→賛成 10名
→反対 1名
→判断できない 約半数
[prop-063] Reducing timeframe of IPv4 allocations from twelve to six months/IPv4アドレスの割り振り期間の縮小
→補足:アドレスの消費量を減らそうとしているのではない。一部の組織が
がばっととることを避けることにより、多くの組織がIPv4アドレス
→あまりこの提案は意味がない。負荷が増えるだけ。積極的に賛成する気に
はなれない。
→1回あたりの負荷は多少は減る(JPNIC 前村)
→申請を行う過程事態は同じなので、さほど負荷の軽減にはならないと思う。
→LIRの申請頻度はどの程度なのか(ポリシーWG 藤崎)
→まちまち。あまり先の見えない事業者さんだと、とりあえず半年分を希望
される方もいる。(JPNIC 川端)
→半年に1度だと、APNICのnon-memberが割り振りを受ける期間が倍になる?(ポリシーWG 橘)
挙手
→賛成 1名
→反対 12名
→判断できない 14名
[pro-066] Ensuring efficient use of historical IPv4 resources/歴史的経緯を持つIPv4アドレスの効率的な利用
→歴史的PIは現状管理ができない。インフラで使っているのかどうなのか管
理されていない。したがって、利用率をどう判断すればよいのか。
→DB登録を求めないのであれば上記対応可能
→利用率はピークをとるのか?
→3ヶ月程度で1回限りであればカウントされないが、定期的にむらがあるの
であれば、ピークを数えていいだろう(JPNIC 奥谷)
→ISP事業で使っていない歴史的PIについては本提案の対象に含めるのであれ
ば現実的ではない
→使っていることを言えれば問題ない。使っていない場合に利用しろという
ものである(ポリシーWG 藤崎)
→明らかに使っていないもの意外は、使っていると言って申請してよいだろう
→イントラネットで使っている場合はリナンバしろということになるのだろ
う(JPNIC 前村)
→JPNICとしては賛成を表明するけれどフォーラムの意見とは分けて紹介する
→ちゃんと影響を調査したうえで検討したほうがいい。MACアドレスにうみこ
まれている可能性が高い
→PIをPAのように目的を変えることで提案されているのか
→特に明示的には定義されていない
→事業者以外も歴史的PIの割り当てを受けているが、事業者にだけ適用されているのか
→歴史的PI管理者への調査はする必要はないのか(ポリシーWG 藤崎)
→利用率に換算されるのか
→換算されるのは困る。用途が違うので。また、顧客割り当てには利用できないのか。
→明確なこたえはない。必要であればアウトリーチが必要かもしれないが、
まさにLIRを対象としている理由は、ポリシー情勢を理解している人が対象。お
そらく個別に歴史的PIアドレスの割り当て先全員にあたるということはないだ
ろう。(JPNIC 前村)
→歴史的PIを持っている人だけに意見をきくのはあまり公平だと思わない。
全体の意見をきくべき
挙手
→賛成 13名
→反対 6名
→判断できない 13名
[prop-62] Use of final /8/APNIC管理下の最後のIPv4/8の分配について
→大筋賛成。/22では細かすぎて参入しようとしても参入できないのではないか。
/20にして救える事業者は1/4になってしまうが、/22はNATで救おうとするとア
ドレス数としては少なすぎると思う。
→4096アドレスがあれば問題ないのか。現存の人達が取れなくなってしまう
のではないか。
→既存の事業者を救おうとするのであれば/21ぐらいではないか
→MLでのコメントでは、提案そのものではないが、データベース登録情報を
/24単位にすれば効率的に管理が出来るようになるのではないかというコメント
だったが、そうか?(JPNIC 奥谷)
→そうである。
→この提案との関連性は?(JPNIC 奥谷)
→LIRが申請するときの単位として/24として、必要なものを明確に取る、と
いう方針ではどうだろうか。/24単位だと不要になった場合には、その/24単位
で返却できると思う。LIRがその/24というのを明確に認識するようになると思
う。
→APNICにコメントするにあたって、具体的な数を出したほうがいいと思うが
(ポリシーWG 中川)
→さっきのコメントをメモにしてMLに投げる
挙手
→賛成 約半数
→反対 1名
→判断できない 11名
[prop-50] IPv4 address transfers/IPv4アドレスの移転
→前回のJPOPMでAPNICの美和さんからコメントをいただいた点は、prop50を
読んでメリットデメリットをよく考えた上で議論しないといけないと思う(ポリシーWG 藤崎)
→移転を認めるのはわかるが、移転を認めたところでみなさんちゃんと移転
してくれるのか?移転してくれなければ意味がないと思う。
→移転を認めてもDB更新をきちんとするか、ということか、それともきちん
と移転されるのか、ということか(JPNIC 奥谷)
→サービスとしてこっそり渡すことも出来るのではないか、ということである
→DB登録が不正確になることの懸念があるが、現状のDB登録がどれぐらい正
確化について検証をおこなわないといけない。目指すゴールとしてどれぐらい
の正確性を追求していくのかを決めておかないといけないと思う。
→なにを持って正確か、という議論もあると思うが、IPアドレスの割り当て
先としてはほぼ正確だと思う。経路ハイジャック等はやれば出来ちゃうと思う。
この提案では、レジストリがお金を徴収するデータベースを作るのが目的なの
ではないか(ポリシーWG 藤崎)
→ここで問題になっているのが、レジスタードホルダーと実際のホルダーが
異なっていることではないだろうかと思う。
→JPNICの歴史的PIについては、残り1%ぐらい以外は明確化されているが、実
際のホルダーと一致するかどうかは調べてみないとわからない(JPNIC 前村)
→おそらくは、レジスタードホルダーと実際のホルダーが異なっていて闇取
引の舞台に上がるのは、印象論の問題と思う(JPNIC 前村)
→JPOPMで出た、歴史的PIの扱いについてわかったことがあれば教えてほしい
→APNICとの合意書が締結されているPIについては移転の対象。(JPNIC 奥谷)
→現在の割り振りでは、必要なサイズを元に行われている。移転ではその点
が全く考慮されていないので、少しぐらいは考慮してほしい
→APNICの提案では全く考慮されていないが、ARINでは利用状況を考慮したう
えで移転を認めることについて議論が行われている(JPNIC 奥谷)
→移転を認めたとしても闇取引は増えると思う。IPv4が枯渇したあとのソ
リューションの一つになるとはあまり思えない。闇取引をしたい人とされたい
人に移転のメリットはあまりない
→移転を認める方針に変わりはない。Option1については現在でも認められて
いるのではないか。現在と同じなのであれば移転を行おうとする人は少ないの
ではないか
→アドレスだけを出して接続性を渡さないようなケースが該当するのでは
→実際には提案を受けることもあるので、技術的には可能だが、それを実際
にやるかどうかについてポリシーの面から議論が行われていないことが問題な
のではないか
→option1とoption2と両方を認めるようにしてほしい
→両方認めるのもいいと思うが、option2の弊害が大きいと思う。それらの問
題点をきちんと洗い出してから検討したほうがいいと思う
→接続性の制限を何とかできれば、Option1でも問題ないと思う
→Option1については問題を整理する必要がある。整理できれば移転と同様の
方法があるのではないか。(ポリシーWG 中川)
→他のISPに預けて運用することもあると思うが、そういった運用も問題ない
のではないかと思う
→自ASから経路広告するのは問題ないが、他のASから経路広告するのが問題
の一つとしてあると思う
→Option1は枯渇後の問題だと思うが、前提条件として、枯渇した後の在庫分
についてはOption1について成り立つと思うが、在庫がなくなった後の議論とし
ては成り立たないと思う
→JPNICに返却されたものを再割り振りすることもあると考えているので、必
ずしも枯渇後には対応できないとは思えない。(ポリシーWG 中川)
→Option1については、現行のポリシーを少し変更すれば移転と同じ効果が得
られるのではないかという議論である。(ポリシーWG 藤崎)
→移転できるようなアドレスがあれば返却しないのか、という疑問がある
→RIPEでは議論されているが盛り込まれていなかった「Temporaryな移転」に
も通じると思う
→prop50の対案として、option1的内容を盛り込むのは非常に意味があると思う
→(IPv4の枯渇前の話になると思うが)option1について、割り当てる需要予測
を含めて、多くのIPアドレス数の追加割り振りを希望するLIRが多いのではないか
→接続性がなくても割り当てられることが明文化されると困るので、何らか
の制限を設けたほうがよいと思う
→prop-62とかをあわせると/20や/21の割り振りになると思うので、無限に割
り振りサイズが増えることはないと思う。
→枯渇後はそういうことはないと思う(ポリシーWG 藤崎)
→Option1と2でどのような問題があるのかについて考えないといけないと思
う。2だと1timeでお金が移動するからなのか、1だと毎年利用料みたいなお金が
発生するからなのか、問題をちゃんと考えておいたほうがいいと思う
→Option1は割り振りを受けた人が割り当てる。Option2はレジストリのデー
タベースごと移転する。1はPAのみ対象で、2はPIにも対象範囲が広がる。1に
PIを含めてしまうと、RIRから割り当てを受けた人とLIRから割り当てを受けた
人とそれぞれの意味が異なる人が混在する。
→Option1で、他のISPに割り当てたとする、そのISPが他のISPに割り当てた
いと思ったときにどうするか。レジストリとしてそのISPが割り当てられている
アドレス数を調べたいときにどのようにするか、ということが気になった。
→PAとPIについての整理を行う(ポリシーWG 中川)
→この提案自体はNIRが除外されていると思うが、JPNICとしてどのような立
場になるのか
→prop50がコンセンサスになっても、JPNICは直接影響を受けない。JPNICか
らの割り当て先は移転できないがAPNICからの割り当て先は移転できる状況になっ
てしまう。JPNICでもポリシーを制定する必要がある場合にはJPOPMなどを経て
実装することになると思う
→今回直接影響は受けなくても後々影響受けると思うのであれば、日本
/JPNICにとって不利益があるところは直してもらわないといけないと思う。
→需要予測について、追加/新規の割り振りのときとは異なって移転では何も
考慮されないのは不公平だと思う
→移転についてはAPNICまたは第3者機関が審査して、公平性を担保する、と
いうことを付け足したほうがよいと思う
→ルールを厳しくすると闇取引が増えてしまう。提案者としてもその点を考
慮しているのではないか
→なにを正確にしたいのか、提案の意図を提案者に確認してみるのはどうか
→守るべきは、インターネット空間における一意性であって、それを守るた
めのルールを作りたいのではないか。決まったルールの中で台帳をきれいにし
ようという話だと思う
→提案の中で欠けているのは、ルーティングシステムへのインパクトだと思
う。これをコメントとして言っておいたほうがよいと思う。守るべきはアドレ
スの正統性
→IRRとの連携など、別のところで考えられていると思うので影響は少ないと思う
→「論点(3)についての検討項目」にかかれた内容は、スコープ外となってい
るので、ここも議論をして問題ないことを確認してから進めるのではないかと
思う。
→言語のTransferも考えないといけないと思う
→日本の経済圏にない組織がであれば、JPNIC->APNICに移管することもある
と思う。逆方向のAPNIC->JPNICへの移管についても起こると思うので、ひとま
とめに方法を考えないといけないと思う。(JPNIC 前村)
→そのときに不都合があれば、それを考えないといけないのではないか。基
本概念だけであればこのままで問題ないのか
→JPNICとしては、いろいろな懸念事項が払拭できていないので賛成できない
と考えている
→いまのProp50の議論はNIRは対象外とされているので、議論が通ってしまえ
ば、JPNICとしてもやらざるを得ない部分もあると思う。そのときにせめてここ
は譲れないということを考えておいたほうがいいと思う
→アドレスの移転を土地の移転と同じアナロジーで考えている。IPアドレス
がほしいときにはブローカーに言えばよいということになったときに、レジス
トリとして容認できる立場にあるのか、ということがいま懸念される点である
(JPNIC前村)
→歴史的PIも含むこととなっているが、歴史的PIのステータスのまま移転さ
れるのか、PAアドレスとして移転されるのか、それぞれいろんなところに問題
が波及するのではないか
→現在の提案では、歴史的PIは移転するとPAと扱うことになっている(ポリシーWG 藤崎)
→とすれば、そのときの問題を洗い出しておいたほうがよいと思う
→もっとも簡単に管理をするとすれば、どちらかのレジストリに管理を移管
した上で、アドレスを移管するのではないかと思う(JPNIC 前村)
→それぞれ懸念事項に対して、重要なのかそうでないのかについて
→課題を整理して、APOPMで報告する(ポリシーWG 中川)
→APOPMで成立しそうだったら、こういう懸念点があるのでそれを整理して実
装しようよ、ということにすればよいのでは(ポリシーWG 藤崎)
→option1は、次のJPOPMでの提案事項として、その後APOPMに提案すればよい
のでは
→差分の必要について説明を求められるので、可能であれば今回の議論に乗
せておいたほうがよいと思う。
→コミュニティの意見としては反対。コンセンサスになりそうであれば、問
題点を払拭してから実装することを提案する(ポリシーWG 藤崎)
挙手
→無条件で賛成 3
→反対 6名
→まだ課題が多い 過半数
挙手
option1をサポートする:11人
option1をサポートしない:3人