臨時 JPNIC オープンポリシーミーティング(2009年2月10日)議事録
議題
- [prop-060] Change in the criteria for the recognition of NIRs in the APNIC region/APNIC地域でのNIR認定条件の変更
- [prop-069] Global policy proposal for the allocation of IPv4 blocks to Regional Internet Registries/IANAからRIRへの割り振りに関するグローバルポリシー提案
- [prop-063] Reducing timeframe of IPv4 allocations from twelve to six months/IPv4アドレス割り振り期間縮小(12ヶ月→6ヶ月)
- [prop-070] Maximum IPv4 allocation size/最大IPv4割り当てサイズ
- IPv4 アドレスの移転に関する議論(以下はまとめて議論しました)
- [prop-050] IPv4 address transfers
- [prop-067] A simple transfer proposal
- [prop-068] Inter-RIR transfer policy
資料
議事録
注意
本ミーティングは,APNIC27にむけたJPコミュニティの意見集約が目的です.採決は,コンセンサス確認のためではございません.
[prop-060] Change in the criteria for the recognition of NIRs in the APNIC region/APNIC地域でのNIR認定条件の変更
・まだAPNIC27のagendaが発表されていない(当時)ため、この提案自体、次回
ミーティングで議論されるかどうか不明。
<意見・議論>
・特になし
<結論>
・日本にはすでにNIRがあり、直接的に影響はないので静観する。
[prop-069] Global policy proposal for the allocation of IPv4 blocks to Regional Internet Registries/IANAからRIRへの割り振りに関するグローバルポリシー提案
<意見・議論>
・提案グループはRIRのCEO、理事会からのメンバーで構成されていて、APNIC
EC Chairとして参加している。この提案のポイントは、枯渇後に返却された
アドレスのRIRへの再分配方法を定めていること。この提案を特に推進して
いるわけではないが、妥当な提案だと思っている。(JPNIC前村さん)
・JPNICには影響はないと書いてあるが、JPNICに戻ってきたブロックも返却し
なければいけなくなるように読めるが。また、前村さんが提案者に含まれる
が、日本の意見を代表していることになるのか。
→JPNICに返却されたアドレスもこの影響を受けると解釈するのが正しい。
提案者に入っているからといって、日本の意見を代表するという意味では
ない。(JPNIC前村さん)
・移転のポリシーが通るが通らないかに関わらず、このポリシーは存在するこ
とになるのか。移転が実現した場合、売れるものを無料で返却する人はいな
いと思うので、効果はないと思うが。
→個人的な解釈だが、アドレスの移転とアドレスの返却は全く別のポリシー
だと思う。国など公的機関が持っていて売りに出せないアドレスや、持ち
主が分からなくて回収したアドレスには有効だと思う。
・特にARIN地域などで、大きなブロックが返却された場合にRIR間での再分配
を公平に行うというのがこの提案の趣旨と理解している(JPNIC奥谷さん)
・Phase2で、RIRの未割り振り在庫が最小割り振りサイズの50%となったら一度
だけ追加割り振りが可能となっているが、最後の/8*1つも含まれるのか。
→明記されていないが、意味を考えると含まれないように思う。(JPNIC奥谷さん)
→確認が必要。(ポリシーWG 藤崎)
※事後補足:含まれないことを確認(APNIC27)
・グローバルな観点で見るとやるべきだと思うが、日本のアドレスがどう扱わ
れるかが分からない状態で賛成するのは危険なのではないか。
・日本で余ったものも当然返すべきだとと思うので賛成する。
・細かい問題点はあるが大筋で賛成。空間を分割しておくと効率的に使えない
ので、一度まとめることに意味があると思う。日本も返さなければいけなく
なるが、米国からの返却を考えるとAP地域・日本としてはメリットが大きい。
・Phase2の2点目の割り振りサイズが気になる。提案の英文自体が分かりにくい。
→IANAがその時点で持っている10分の1のサイズをRIRに分配するという意味
だと思う(JPNIC奥谷さん)
→それでは細切れに返却された場合を全く想定していないように思うが。
オペレータの立場では、最小割り振りサイズを決めておいたほうが賛成し
やすい。
・必ずしも反対ではないが、返却された空間をプライベートアドレスとして使
用するなど、他の案も考えられると思う。もう少し考えて決めるべき重い問
題だと思う。また反対の仕方もかなり難しいと思うので、賛成せざるを得な
い可能性もかなり高い。
・合意のとり方について、提案の趣旨に対しての賛否と、テキスト全体に対し
ての賛否では大きく異なると思う。テキスト部分に確認が必要な点があるの
であれば、賛成と言わない方が安全だと思う。
<採決(議論前)>
・賛成・・・24名
・反対・・・0名
<採決(最終)>総数53名
・テキスト全体に賛成・・・3名
・アイデアに賛成(提案の趣旨には賛成するが、不明点を明らかにするべき)・・・37名
・反対・・・0名
<結論>
概念には賛成するが,明らかにすべき課題があるため,提案自体には賛成せず,
以下のポイントを指摘する.
- 最小割り振りサイズに関する議論.
- 表記を明確にする.
- 最後の/8 が含まれるのか
[prop-063] Reducing timeframe of IPv4 allocations from twelve to six months/IPv4アドレス割り振り期間縮小(12ヶ月→6ヶ月)
<議論>
・この提案のメリットとして、虚偽の申請の影響を減らすことがあると思うが、
そういう議論はAPNICではなかったのか。
→特になかったと記憶している。導入する際の手間とAPNIC事務局負荷、
他のRIRの状況を考えると、賛成・反対は五分五分だった。
(ポリシーWG藤崎)
<結論>
前回と同様,負荷の増加に比べて,効果が疑問であることをコメント.提案には反対する.
[prop-070] Maximum IPv4 allocation size/最大IPv4割り当てサイズ
<議論>
・反対。事業者が大きいほど枯渇時期が早まるため、公平感を出そうとして逆
に不公平になっている。今のIPv6の普及状況を考えると、事業継続の危機に
立たされる。
→一回に取れるアドレスサイズを小さくするだけで、繰り返し申請すること
は可能。
→それでは、prop-063と同様、負荷を考えるとあまり意味がないように思う。
→繰り返し申請すると言っても1年に2回までしか申請できないのでは.
→[prop-063]とは独立(ポリシーWG 藤崎)
・資料で「メリット」として挙げられている「IPv6プロモート」とは。
→申請の回数が増え、IPv4の申請が大変だからIPv6を取ろうという方向に
流れるのでは、という単純な予測(ポリシーWG 藤崎)
・この提案が実装されると、たとえば/9の割り振りは受けられなくなる。
一気に未割り当てのIPv4減るが可能性がなくなるので、一定の制限を設ける
のは枯渇時期が予測しやすくなるという意味では賛成。
→同じ理由で反対。スマートフォンなど、今後大規模な新ビジネスが出てき
たときにアドレスが取れないことになると非常に問題。ただし、虚偽の申
請を防ぐ何らかの手立ては必要だと思う。
・内部ルーティングへのインパクト等を考えて、この提案は厳しいという方は
いないか(ポリシーWG 藤崎)
→(会場からの意見はなし)
<採決>総数59名
・賛成・・・2名
・反対・・・39名
<結論>
・日本からは反対の意見を表明する。
IPv4 アドレスの移転に関する議論
以下はまとめて議論しました.
- [prop-050] IPv4 address transfers
- [prop-067] A simple transfer proposal
- [prop-068] Inter-RIR transfer policy
[議論]
▼最小移転単位
+ 経路制御を考えた時の最少移転単位について。IP-usersでも出ていたが、移
転を行ったときに移転してほしいと思った人が移転を受けられなくなる状況
は避けたい。経路制御にインパクトがあるので、不明確な要素とか、誰がど
ういう状況で移転を受けたいと思うかが不明なので、/22や/24等の最小単位
にしておいて、臨機応変に対応する進め方にしても良いのではないか。
+ レジストリからの最小割り振りサイズにそろえておいたほうが、既存のルー
ルとの一貫性が保てると思う。経路は今後も増え続けるものなので、理由に
はあまりならないと思う。また、移転範囲についてはAP地域だけではなく、
なるべく広く、自由にしておいて欲しいと思う.
+ 移転サイズを厳しく決めてしまうことで、闇取引が起こってしまうことを懸
念している。移転サイズを厳しく決めてしまうことについてコメントがあれ
ば教えて欲しい(JPNIC奥谷さん)
+ 親しい関係の会社で移転する場合には、/24で移転はするが、経路広告上は
集約して、それ以上のアドレスサイズで行うことも多いと思う。その場合
は、prop-050/068の提案の方が良い。
+ 大きなアドレスブロックが2回3回移転され、アドレスが高値で取引されるよ
うであれば、変な取引が発生しないように移転のサイズは/24に決めておい
たほうが良いかもしれない。ただ、サイズを制限しても、結局は通常の経路
増加のペースとそれほど変わらないように思う。
+ prop-050では/24が最小移転単位、prop-067は最小割り振りサイズとなって
いる。移転サイズと経路広告を行うサイズがリンクしていない。そのため、
あえて最小移転単位を規定しないことで、ルーティングの問題と移転は分け
て考えればよいのではないだろうか。
+ 経路を出す人がどんどん細かくしていくと、経路全体としては増えていく方
向になると思う。最小割り振りサイズは今後も変わっていくものと想定して
いるので追従する形にしても良いと思う。/24より小さなアドレスを経路広
告しても事実上フィルタされると思う。
+ 将来IPv4の経路数を抑えるために、/24から/23にしようというポリシーが将
来実装された場合、/24のみを移転した人が経路広告できなくなるのではな
いか。最小割り振りサイズが妥当だと思う。
+ 最小割り振りサイズぐらいに抑えておいたほうが良いのではないか。将来を
考えると/24より細かくなるかもしれない。経路の証明書の利用などでより
細かな経路広告が行われるかもしれない。将来のことを考えて柔軟に、最小
割り振りサイズに追従していく方針にしておけば便利なのではないか。
+ PAアドレスの最小割り振りサイズについて議論が行われているが、移転のポ
リシーが実装されれば、もっとも移転されるのはPIアドレスになるのではな
いか。(最小割り当てサイズにした場合、)アドレス範囲が大きい旧クラスB
のアドレスについては、細かくちぎったアドレスが闇で流通するのではない
か。現段階では、PAについては/24が管理上妥当であると思う。
+ 歴史的PIの割り当ては/24または/16の単位で行っていた。PAの割り振りは
/19からはじまって現在/22まで変遷してきている。(JPNIC奥谷さん/前村さん)
+ 歴史的PIであれば、移転単位は/24でなければならないのか.
+ 現在提案中のポリシーでも、PIは割り当てサイズと移転すると決められてい
る(JPNIC奥谷さん)
※事後補足:prop-068のこと
+ /16(旧クラスB)のPIでも/24の移転が認められるのではないか。
+ /16のPIアドレスを/22で移転することは、どちらの提案でも可能(※)。そう
なるとPIアドレスが細かくなって出回ることになり、PIとPAの区別は本当に
必要なのか疑問。
※prop-068:PIの場合はPI割り当てサイズ、または最小割り振りサイズで
の移転。
prop-055:最小移転単位は一律/24
+ 個人的な感触ではデータベースのステータスを変えるだけなので難しくない
と考えている(JPNIC前村さん)
+ いずれのポリシーでも経路のインパクトまではコントロールすることはでき
ないと思う。それを考えると、移転に適したサイズ、サイズは制限しなくて
もいいと思うが、より小さいサイズを提案している方を支持したい。
▼アドレス利用の履歴の提供
+ 移転が誰からどのように行われてきたという履歴とか過去の利用状況は、管
理する必要はないのではないかと思う。経路制御を考えた時、正しいorigin
を調べるにはIRRなど別のデータベースもあり、また移転に関わらずorigin
ASは変わっていくものなので、移転だからといって特別なデータベースは必
要ないと思う。
+ origin ASの問題だけではないと思う。移転が行われると、SPAMフィルタに
登録されていて利用できない経緯を持ったアドレスが流通することもある。
そのようなアドレスを使った場合、サーバー同士で通信ができなくなるなど
のトラブルが多数発生する可能性がある。
+ 移転させる側も、汚れたアドレスから先に出して行くのではないだろうか。
しばらく分配しない期間を設けた上で、アドレスを再利用するといったこと
もできなくなってしまうと思う。その際の解決方法として利用履歴を管理し
ておくのもよいのではないかと考えている。
+ 今回の提案では利用履歴の公開も含まれているが、その内容では不十分か。
(JPNIC奥谷さん)
+ 割り振られた履歴ではなく、そのアドレスがどのように利用されているかの
履歴が欲しい。ある限りの履歴はもらえたほうが良いと思う。返却したアド
レスの履歴は検索することができない。返却された後の履歴も管理できた方
が良い。
+ 現状と違うケースを考えないといけないと思う。アドレスが移転されたら
SPAMフィルタを解除するように業者に要請しないといけない。これを悪用し
て、アドレスの利用履歴をロンダリングする事業者も出てくるのではないか。
最悪のケースに備えて、履歴という意味では全て追えるようにしておかない
と厳しい。
+ 履歴として欲しい内容は、現在の提案に記載されている内容で十分。それ以
上細かい履歴は移転元に確認するようにすればよいのではないか。細かい情
報は事業者の機密に関わるので履歴として管理しないほうが良いと思う.
+ 過去の履歴はSPAMフィルタの解除といった用途には必要と思うが、割り当て
先の履歴が必要であることの重要性が良くわからない。アドレスがきれいか
どうかは、SPAMフィルタリングを行っている業者の得意分野であり、レジス
トリの業務ではない。(JPNIC前村さん)
+ SPAMフィルタのメンテナンスを管理している組織、移転が行われたことが確
認できれば解除してくれると思う。中には、ブラックリストからの解除に高
額な料金を取るような悪い組織も出てくるのではないか。
+ 公開した履歴を大勢の人に見られるのはセキュリティを考えると困る。
ブラックリスト/SPAMリストの運用組織と相談をしてどのような情報があれ
ば解除できるのかについて検討をすればよいのでは。それでも埒が明かなけ
ればドメイン認証など送信者側の技術で解決していけばよいと思う。
▼移転範囲
+ JPNICの範囲だけ、という結論になった場合には、APNICミーティングにどの
ように持って行くのか検討したほうがいいと思う。NIRも適用に含めるなど
APNICミーティングの枠にはめることも考える必要がある。
+ 移転の範囲がprop-50では、NIRが対象外となっているのはNIRのメンバとし
てはちょっと損した気持ちになる。最初から含めておいた方が良いのではな
いか。ただし、そこまで提案に強制力を持たせる必要はなく、現状のプロセ
ス通り、APNICでコンセンサスが得られた後に、日本で議論して決めるとい
うレベルでよいと思う。ただし、RIRにまたいだ移転に関して言うと、サイ
ズが揃わない可能性や金銭面を考えると、初めは外したほうがいいと思う。
+ 阻害する要因がないのであれば容認してしまっても良いと思うが、アジアと
アメリカでやり取りするような経路があれば考慮する必要もあると思うが、
最初はあまり広げないほうが良いかもしれない。あとは統計を取る際に、
RIR間で移転が行われると、どれがAP地域に割り振られたアドレスなのか
分からなくなってしまう可能性もある。
+ 日本はどのように移転に参加するのか、今まであまり議論されなかったので
皆さんの考えがあれば確認したい。個人の意見としては、日本も参加すべき
で、まずばAPNICの範囲内で行うのが妥当だと思う。やり取りされるアドレ
スブロックがその地域内に潤沢にある場合には、地域に閉じた話で問題ない
と思う。ただしアドレスの余り具合が地域によって偏りがあるのであれば、
アドレス流通の観点からは、地域をまたいだ形での検討が必要だと思う。
前提条件として、対象となるアドレスがどれぐらいあるかによっても変わっ
ていくと思う
+ RIRをまたいだ移転を初めから認めたほうが良いと思う。中国やアフリカな
どはアドレスの需要が高く、たくさん持っているアメリカに移転の要請を出
してくるのではないかと思う。今のところ、RIRをまたいだ移転のデメリッ
トは特にないので、そのような要請に答えられるようにするのがいいと思う。
▼移転時の審議/移転元への制限の有無
+ 使われていないアドレスが移転するだけなので、審議はしなくてもよい。
審議をするとアドレスが動きにくくなるのではないか。また、移転をすると
移転元は2年間追加割り振りを受けることができない点も気になる。もし2年
間で足りなくなったら、どこかから不足分のアドレスを補給するために、今
度は移転先になるかもしれない。
+ 2年後にはIPv4アドレスは必要なくなるなど、状況は大きく変わっているか
もしれない。それを想定して、提案では2年間追加割り振りを受けることが
できないと定めているのではないか。
+ APNICやJPNICでは年間どのくらい審議が行われているのか。また移転が行わ
れるとJPNICの審議の件数や工数が増えたりするのではないか。
+ IPv4アドレスの割り振り審議は、月10件(±5件)程度である(JPNIC川端さん)
+ 移転に審議が必要になった場合の工数は、試算してみないと分からない。
JPNICでは5人の担当者が他の仕事も行いつつ審議を行っていて、フルに審議
していると計算すると、1人強程度のコストがかかっている。(JPNIC前村さん)
+ いろいろ要求はあると思うが、それが料金となってIP指定事業者に跳ね返っ
てくることも忘れてはならない。どこまで実装すべきかは考える必要がある。
ておけばよいと思う(JPNIC奥谷さん)
+ 割り振りを受けるアドレスがある状態にもかかわらず、審議なしで同じアド
レスを手に入れることができるのではないか。審議の必要性の有無は、枯渇
前と後で、仮定を置いた上で判断する必要があると思う。
+ 必要な時期に必要な数を割り当てるという現在のポリシーがあることから、
枯渇前後に関わらず、移転を受ける必要があることを確認する手順を踏んだ
ほうが良いのではないか。将来お金で解決しようという風潮が出てきたら、
そのときはポリシーを変えればいいと思う。
+ 必要な人が審議してもらえる仕組みは必要だと思うが、長期的には難しいの
ではないかと思う。
+ 制度的には行うべきだが、審議で承認されなかった場合、結局裏で取引して
しまうのではないか。現実的には行えなくなってしまうので、審議はしない
ほうがよいのではないか。
+ もし審議をした場合に、/27しか承認されなかった時に割り当てるのは、/22
なのか/24なのか。/24を利用することが証明できなければ移転できないので
あれば、結局は裏で取引され、登録情報変更の処理を行わずに/23や/22を利
用するのではないか。サイズの決定権をRIRが持つべきではないと思う。
+ 裏で取引が行われる可能性は、枯渇前も枯渇後も変わらない。審議の結果、
サイズが/24未満になった場合も、最小割り当てサイズである/24を出すこと
にすれは、実運用上は問題ないのでは。
+ JPNICに返却されたアドレスを再分配するためには審議は必要だと思うが、
移転の場合は自力でアドレスをもらう相手を探してくるのだから、審議を行
うのは必要はないと思う。
+ 移転の提案は、アドレスは必要なところに必要なだけという今までのパラダ
イムが変わるものだと思う。パラダイムが変わらないのであれば、余ってい
るアドレスはレジストリに返却してくださいと言い続けるべき。現在のレジ
ストリからの割り振りと平行して移転が行われると、2つのパラダイムがあ
るようで違和感がある。本質的には、移転は枯渇後から始めるのがいいと思う。
+ 移転する際に審議がないと、割り振りは審議なしで通り、割り当ては審議が
必要となるので、どうしても違和感がある.
+ 一つの価値観に縛られる必要はないのでは。枯渇後であれば、割り当てサイ
ズも自己判断でいいのかもしれない。
+ JPNICの審議の結果、移転するアドレスのサイズが減った場合、アドレスが
余っていて売りたいと思っている人はどうするのか。そこまでJPNICが移転
に関与すると、移転の仲介役など今後JPNICに求められる役割はさらに増え
ていくと思うが。確かに今は審議は必要だが、移転が始まった場合はそうで
はないと思う。
+ E/Uにはサイズを制限しておきながら、LIRとE/Uの境目が見えにくい。E/Uの
数を制限しているのであれば審査は必要。これだけアドレスが必要だという
ことが証明できれば、たとえ審議があっても移転は受けられるはずなので、
今までとパラダイムは変わらないと思う。
+ 審議無しでは移転の仲介を行い利益を得る事業者が増えると考えられるが
それでもいいのだろうか。
実装時期
+ 移転のポリシーはいつからスタートするのかが良くわからなかった。ポリシー
の実装されるタイミングについて議論する必要があるのでは.
+ 提案ではIANAの在庫がなくなってからとは規定されていない。このあとの状
況によってはAPNICの在庫がありつつ、移転も可能ということになると思う。
(JPNIC奥谷さん)
+ そもそも在庫枯渇前は申請すればアドレスがもらえるので、移転のポリシー
が実装されても、移転は起こらないのではないか。
その他
+ ISP同士であれば、移転ではなく割り当ててしまえばよいという概念が、
APNICでは理解されていないのか、APNICでは黙殺されている気がする。
+ 移転で汚れたアドレスをもらった場合、同じサイズの新しいアドレスに交換
してもらえるような機能があれば、トラブルが発生した場合、消費者保護の
観点からは良いかもしれない。多少の手数料が発生してもいいので、レジス
トリで対応してくれればと思う。
+ prop-050/068の提案では、移転を受けたアドレスと同じサイズのアドレスを
交換してもらえる仕組みがあるが、経路集約が目的なので、アドレスが汚い
からという理由では難しいかもしれない。(JPNIC奥谷さん)
+ 移転のポリシーを実装して、/16のPIを有効利用してもらうのが適切だと思
う。アドレスの割り当て方を見ていると、学校法人はアドレスに余裕があり
そうな気がする。例えば大学などに説明して、余った分を返却してもらうよ
うに、国内のアドレス枯渇を延命する活動をJPNICや政府機関が行えばよい
のではないか。返却する大学側のインセンティブとしては、アドレス税が導
入された場合の経費削減、IPv4アドレス延命の取り組みに協力した組織とし
て関係者にアピールできることが考えられる。
+ PIアドレスは移転されてもPIアドレスで、PAアドレスになったりする可能性
があったりするのか。
+ 現在の提案ではその点が明記されていないので、要望があればその旨を出し
+ 移転元として考えてみると、審議があったり、/22をかき集める必要があっ
たり、移転後2年間は割り振りを受けられないなど、大変なことが多い。こ
れらの条件を緩和するか、金銭面など移転をさせたくなるような要素が含ま
れていないと、結局裏で取引が行われ、移転の制度は破綻してしまうのでは
ないか。
+ prop-050も同じようなことを言っている。それに対し、prop-067は全体的に
移転の条件が厳しい雰囲気があると思う。
+ 黎明期にたくさん/16の割り振りを受けた組織が、過去にもらった石ころが
実は宝石だったということに気がついて、そこからお金を稼ぐためにアドレ
スを移転するようになる可能性は高いと思う。学校法人であれば、長期休暇
があり、リナンバも容易だと思う。また、それらの組織からアドレスを出し
てもらわないと、IPv4アドレス枯渇後の日本は危なくなると思う。
+ そもそもここではAPNICでの提案について議論している。JPNICでも移転ポリ
シーが実装されれば、先ほどの発言者の考えも有効だ思う.
今後の進め方
+ これから採決を行うが、本日の採決の結果と表明された懸念は、提案者に伝
える。今後日本としてはどうするかという点だが、APNICメンバとNIRメンバ
は現在の提案内容では移転が行えない。そのため、APNICメンバ-NIRメンバ
間で移転を行いたいという要望があれば、これも提案者に伝える。また、現
状のポリシー策定プロセスでは、APNICでコンセンサスとなったものは、次
のJPOPMにて議論することになっている。プロセスの詳細は、決定次第お知
らせする。(JPNIC奥谷さん)
+ 提案者に伝えるという点について補足だが、もちろんAPNIC27の本ミーティ
ングにて意見を表明することも1つだが、policy SIGのMLにおいても、提案
者に対してフィードバックを行っていく。(ポリシーWG 橘)
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「提案,今までの議論のサマリ」資料の P6 を採決.
総数59名
▼移転サイズ(/24、最小割り振りサイズ・PI最小割り当てサイズ)
・すべて/24とする … 34名
・PAは最小割り振りサイズ、PIは最小割り当てサイズ … 13名
▼審議を行うか
・行うべき … 21名
・行わないべき… 23名
▼移転範囲
・AP地域内に限定 … 4名
・他のRIR地域とも移転可能 … 40名