第11回JPNICオープンポリシーミーティング議事録

[■議事録について]
  - プレゼンテーション資料は別途掲載しております.こちらよりご参照ください.
  - ご参加いただいた方: 79名 (関係者を除く)
    コンセンサス確認の際には,関係者を含めております.

[■議題]
  1. オープニング

  2. 前回までのフォローアップ
    2.1 Action Item 確認
    2.2 JPNICでの対応状況

  3. JPNIC システム関連動向紹介
    3.1 JPNICデータベースに登録する連絡先情報について
    3.2 JPNIC認証局と経路情報の登録機構について

  4. [提案] 逆引き DNS の lame delegation 改善に関する提案 (P)

  5. [提案] 使用されていない歴史的PIアドレスの回収について (P)

  6. APNIC22でのポリシーコンセンサス対応 (I)

  7. [提案] JPNICによるIPv6 PIアドレスの分配について (P)

  8. [パネル討論] IPv4アドレス枯渇への対応 (P)

  9. 各種ご報告・ご案内
    9.1 APNIC22ミーティングのご報告 (I)
    9.2 IGF(Internet Governance Forum) Update (I)
    9.3 IPアドレス検討委員会報告 (I)
    9.4 JPOPMショーケースのご案内 (I)

 10. まとめ
   10.1 コンセンサス確認/まとめ

  (P) 提案事項
  (I) 情報共有を目的とした発表 


[■ 発表および質疑応答 (以下、Q. 質問、A. 回答、C. コメント)]
1. オープニング (藤崎智宏/ポリシーワーキンググループ チェア) [質疑応答]   なし
2. 前回までのフォローアップ 2.1 Action Item 確認 (藤崎智宏/ポリシーWG チェア) [質疑応答]   なし 2.2 JPNICでの対応状況(JPNIC) [質疑応答]   なし [チェアより補足] 「システム障害時の対応について」についてはこの報告にて対応完了とし、ステータスは「実装済み」にする。
3. JPNIC システム関連動向紹介 3.1 JPNICデータベースに登録する連絡先情報について (サトウススム/JPNIC) [今後の進め方] いただいたご意見を踏まえて課題を整理し、WHOIS WGと相談しながら検討を進 める。検討状況の報告は次回のJPOPMで実施する。WHOIS WGは今からでも参加 可能であり、メンバーを募集中。 [質疑応答] Q.JPNICハンドルの更新にあたって、自分のハンドルのパスワード紛失により 更新できなくなった。情報更新の仕組みも検討してほしい A.重要なポイントである。JPIRRについては一定期間更新のない情報は削除/メ ンテナンスをうながすことをしている。慎重な検討が必要ではあるが、他のIP アドレス関連の業務についても同じ施行をすることもひとつの方法である。 Q.ISPや指定事業者が連絡先の項目を自由につけかえられる実装が一番よいよ うに思うが、実装がなかなか大変であることも想像はできる。 A.かなり大がかりな変更になるため、対応は慎重にする必要がある。また、要 望としてあげられていた連絡先に優先順位をつけることは実装としてなかなか 大変である。現在項目名と連絡先が固定だが、これを自由に設定できるように すると要望に近いかたちで対応できるのかもしれない。ただ、これは一案のた め、引き続き検討が必要。 Q.従来の連絡先として登録されていた技術連絡担当者、管理者連絡窓口が個人 の場合とISPの場合があり、個人の場合は連絡窓口としての意識が高くない。 従って、JPNICから連絡を受けた場合、ISPに問い合わせがくる可能性があるが、 ISP に事前連絡を行うことは予定しているのか。 A.機能していない逆引きDNSへの対策の件では、同じ内容を上位の事業者へエ ンドサイトと同じ内容を通知する予定である。その他のケースでは技術連絡担 当者への連絡は、現時点で想定していない。 Q.JPNIC側で項目を変更することにより、JRPSとの情報共有の面でどの程度影 響があるのか。 A.担当者情報の登録については影響を及ぼす。その他の情報についてはJPNIC の裁量で対応可能であるため、JPNICに裁量のある範囲で検討を進めていけれ ばと思う。 Q.ISPが直接の自分の顧客ではない方のハンドルを参照して連絡をとった場合、 なにか問題はあるのか。 A.法務的な確認を行ったところ、お客さまはJPNICへ登録を行うことについて 合意が得られているので問題ない。 Q.IPv6ではポリシー上、再割り振りを認めているが、JPNICのデータベースで は再割り振りに対応していない。これは本件の検討の対象になるのか。 A.関わってくる部分もあるとは思うが、基本的に独立した課題であるため、別 途検討を進めていきたい。 Q.他のRIRでの登録情報はどうなっているのか A.RIRにより若干異なり、詳細は今後調査していきたい。
3.2 JPNIC認証局と経路情報の登録機構について (木村 泰司/JPNIC) Q.実験期間が不明であり、導入時期も含めてどこでどういう判断が必要である のか明確にしたほうがよいのではないか。 A.1年を目処にレビューを行い、その都度今後の方針を決めている。利用者が 増えない状況であるため、このまま本運用を進めてよいのかという点が課題で あった。 Q.JPNICでの実装をカードにしていることにはなにか理由があるのか。APNICに おいては似たような実装をしているが、JPNICとは異なりカードを利用してい ないのはなぜか。 A.ICカードを利用している理由はパスワードと同じく、デジタルで提供すると コピーできてしまい、これは管理上望ましくないため、ICカードで運用してい る。枚数は限定していないため、必要な枚数を発行していきたい。 Q.ルートCAの運用管理は適切に行なっているのか。 A.ルートCAの運用については、設備とユーザ向けのフィンガープリントの徹底 が2つ大きな課題。CPSでどうったレベルで管理をすることが適切なのかを定 義し、それに基づいた運用をしている。CPSと実運用をレビューし、見直すス キームを導入しており、某認証局と同じくらいの強度は保っているのではない かと考えている。 Q.APNIC等、他のレジストリでの費用はどのようになっているのか。 A.APNICでの費用面での対応が不明。また、実装方法が異なり、データをトー クンで持ち運ぶなどさほど高いコストを必要としないと思われる。RIPEについ てはシステムと連携して証明書が発行できる仕組みであることからもう少し設 備がよいと予測される。 Q.本運用にあたっては原則としてこのICカードを使った認証がデフォルトとな るとの理解で正しいのか。 A.デフォルトとするべきなのか検討が必要と考えている。ひとつの方法として は、指定事業者契約時にあわせて提供する方法もあり、一番厳しい運用をする と、強制的に移行するなどの方法もある。いくつかの方法を現在検討中。 Q.JPIRRの登録との整合性を図る動きはよいと思うが、RADBなど国外のIRRとの 連携についてはどう対応するのか。RADBは情報更新が行われていないケースが 多く、JPIRRの登録情報との整合性が必要ではないか。 A.国内の主要なISPにはほとんど登録していただいており、JPIRRの情報は高い 確率で正しい情報が登録されているが、RABDは古い情報も多い。海外とのミラー リングの交渉など、海外のIRRの情報との整合性を高める活動は進めつつ、ま ずはJPNICに情報を集めてそこを正しく更新していきたいと考えている。ただ、 現在他人のIPアドレス・AS番号の情報も登録できてしまうのでそこは正したい。 (JPIRR企画策定専門家チーム 吉田友哉) Q.JPIRRでは情報登録を他の組織へ委託することを認めなくなるのか。 A.証明書管理はWeb上で管理できることにより、発行先が自組織でなくともよ い。割り振り先とIRRの登録先が異なる場合がこれに当てはまるケースである。 Q.今後ちゃんと正しくIRR情報を登録していくように促進するような動きになっ ていくのか。 A.アドレスはレジストリで管理しており、経路はISPが管理している。日本の 経路についてはまずこのふたつの差分をできるだけなくし、健全にしていきま しょうという動きを進めている。そして、海外ではRADBとRIPEがきれいになれ ば9割方きれいになる。JPIRRとRADBを比較したところ、10万経路ほどRADBに登 録されていない経路がある。そのようなこともあるので、海外のIRRとのミラー リング、相互連携を目指して対応を進めており、将来的にはそういう方向にもっ ていきたい。また、経路を証明する方法として、BGPの経路広告に証明書をつ ける方法を検討している人もいて、どちらの方法がよいのかは今後検討してい く必要がある。JPIRRはひとつの流れの一部であり、ぜひみなさんとよい方法 を一緒に検討していきたい。(JPIRR企画策定専門家チーム 近藤邦昭) Q.今のところ明らかに海外のデータでまちがっている情報について修正するこ とは考えていないということになるのか。 A.その通りである。(JPIRR企画策定専門家チーム 近藤邦昭) A.IRRのアーキテクチャ論をまず考えていくとRADBはNSFネットの経路を受け付 けるためのものでそれ以上の正統性はない。JPNICのものはレジストリデータ ベースをもとにしたものであり、アドレスの利用について信頼性が高い。ISP が自ら運用しているIRRについては、Tier1がすべて運営するとおおよそ情報は 網羅される。IRRのアーキテクチャーとしてはこの3つに整理することができ、 我々はレジストリが運用する仕組みがよいと考えて運用している。そして、 JPNICとしては2009年くらいにはJPIRRに登録していただければRADBに登録しな くともよい時代がくればよいと思っているが、これには世界的な流れや様々な 要因がある。IRRについては運用だけではなく、利用促進もあわせて行ってい く必要があり、個人的には運用と利用推進が一体とした日本のケースが世界の モデルとなっていけばよいと考えている。このような考えをもとに事業を進め ていく意向であり、みなさんにもご協力をお願いすることもあるかもしれない。 (JPNIC 前村昌紀)
4. 逆引き DNS の lame delegation 改善に関する提案 (小山 祐司/JPNIC) [コンセンサスの確認] 賛成   69名 反対   0名 参加者  89名 [結果] 提案内容でミーティングでのコンセンサスが得られた。 [質疑応答] Q.対象を連絡がつくところだけに絞るということだが、その場合の対象数はど の程度になるのか A.歴史的PIについては50%程度。 Q.lameと表示された場合、表示の削除、更新はだれが行うのか。また、ネーム サーバ情報そのものを削除することは検討していないのか。また、lame表示の ステータスも含めてlameの一覧を参照したい。 A.現在提供しているlameリストにlame表示のステータスも含める。lameの設定 が正しくなれば特に申請しなくともlame表示は消える。 Q.lameがなおらなかった場合、なにかペナルティを想定しているのか A.ペナルティはない。個人的な見解としてWHOISでlame表示をされると技術者 としては恥ずかしいということはあるかもしれない。 Q.歴史的PIは対象外であるという点が気になった。歴史的PIの検討を待ってか ら本提案を実装するのもひとつの方法ではないか。 A.できるところから始めて、歴史的PIの取り組みも平行して進める。 Q.海外の状況はどうなっているのか。 A.APNICはほぼ同じ施行をしている。AfriNICの状況は不明だが、そのほかの RIRもすでに施行している。 Q.歴史的PIも含めても本提案の対象とすれば歴史的PIの対象者の特定促進にも つながるかと思うがそのような対応は予定してないのか。 A.前回の議論もふまえると懸念を示される可能性があり、今回の対象に含めていない。 Q.lameと表示される情報をWHOISから削除することは可能なのか。 A.lameとなっているネームサーバの設定を直す、またはネームサーバの登録を 削除すればlameの表示はなくなる。 Q.ゾーン委譲の停止に伴う通知はどういう風に行われるのか A.停止した時点でメールで通知するが、その後も定期的に送信することはない。 Q.lameの判定基準に基づいて結果がでると古いDNSサーバであることを公表す ることになり、セキュリティ上の懸念がある A.lameについての悪影響があり、そちらの対応を優先している。セキュリティ 上の懸念があるのであればlameの状態を直していただくことになる。
5. 使用されていない歴史的PIアドレスの回収について (佐藤 香奈枝/JPNIC) [コンセンサスの確認] 「関係組織」の文言は修正の前提で歴史的PIの回収について作業を進めることに ついて 賛成 : 70名 反対 : 0名 参加者 : 80名 [結論] 提案当初に記述されていた「関係組織」経由での連絡は「関係組織(グループ会 社、関係する官庁・地方公共団体、上流ISPなど)」に修正のうえ、コンセンサス が得られた。 [質疑応答] Q.経路広告されているものについては、一通り連絡はついているのか。 A.連絡を進めているところではあるが、まだ全て連絡が取れたわけではない。 経路広告がされている場合には、回収対象としない予定である。 Q.ISPに協力を要請して連絡を取ることが提案では明記されていないが、もし そのようなことを想定しているのであれば顧客に明確に説明できるため、この 点を明記して欲しい。現在の提案での文言である「関係組織」だけでは曖昧な 表現となっているのは好ましくない。 A.経路広告をしているケースについてはここで提案している回収対象外となる ため、回収作業の実施にあたってISPからご協力をお願いすることはないだろ う。しかし、経路広告が行われている歴史的PIについてはISPにご協力をお願 いすることになると思われ、この点明記することについては了解した。 Q.経路広告されているものとされていないものの比率について教えて欲しい。 A.正確な数値は手元にないが、対象となるアドレス空間の半数は経路広告して いると考えられる。 Q.回収するまでに、例えば官報等で公式に回収対象になることを公表してから 回収作業を進めていたほうがよいのではないか。 A.どのような手段で世の中に対して周知していけばよいのかについて、知恵を  お持ちの方は教えていただければと思う。 A.周知の話は重要であり、みなさんからのコメントは今後もありがたく頂戴す るとともにこの提案とはまた独立している。回収対象の確定に向けたプロセス を明確にすることを前回のJPOPMでご指摘を受け、その対応が今回の提案となっ ている。(JPNIC 前村) C.チェアにご了承いただけるのであれば「関係組織」となっているところに上 流ISPを含めるかたちで修正したうえで提案し、コンセンサスの確認をさせて いただければと思う。(JPNIC 前村) [チェアより補足] 「関係組織」を以下のように詳述する形で,ミーティングにて最終コンセンサスを確認. ☆ 割り当て先組織の関係組織(グループ会社、関係する省庁・地方公共団体、 上流ISPなど)への問い合わせ、取次ぎ依頼登記簿謄本の情報に基づく連絡そ の他に、合理的な範囲で取りうる手段
6. APNIC22でのポリシーコンセンサス対応 [質疑応答] Q.IPv6のポリシー変更について、データベースの最小登録単位について確認を させて欲しい。ユーザへの個々の割り当てについて、ISPのインフラとして登 録できるのかどうか、あるいは、文字通りアクセスラインの部分だけ、ISPの インフラとして登録できるのか。個人的には、そのポリシーに従って運用する と業務が回らないかもしれない。 A.後者の、アクセスラインで利用するケースが該当し、サイズに関わらずユー ザ割り当てであれば個々に割り当て登録が必要になる。 C.アクセスラインの向こうで個人ユーザに/64の割り当てを行うケースがあり、 ユーザ割り当てが求められるのであればそれはあまり現実的ではないように思 う。解釈によって対応可能であれば厳密に定義する必要はないと思うが、こう いった割り当ては個々に登録する必要がない方向で検討してほしい。 A.アクセスライン以外のところでもユーザへの割り当ての件数が多くて件数が 多く、現実的ではないという理解になるのか. A.経緯を説明するとIPv6において/64であれば、登録不要というかたちで議論 をしていたが、アクセスラインに割り当てるサイズが一律ではない可能性があ るのでサイズで区切らず、用途で区切ったほうがよいという話になった。 A.これで基本的にカバーできると考えていたが、お話いただいたケースには対 応できないということが確認できたので、見直しが必要だと考える。 A.適切な表現については今後相談させてほしい。 C.登録サイズについては実際登録して利用率に計算されるのかも含めて検討してほしい。 A.了解した。 Q.200の顧客についてはあまり具体的ではないように思うが、どのように解釈すればよいか。 A.サービスを提供している200の顧客ということになる。 Q.1台の共有サーバに200ユーザ収容している場合、その200ユーザをもって 「200の顧客」として/32の割り振りを受けることができてしまうことは問題な いのか。この数字が一人歩きすることがないようにして欲しい。 A.以前にダイヤルアップユーザ中心にサービスを行う指定事業者にも/32の割 り振りが行われたことを考えると、そういったケースでも割り振りを受けるこ とができると言える。 A.「200のIPアドレスの付与を行う顧客」と考えるのが一番近いかもしれない。 C.グローバルポリシーを制定したときには、200に数字にはあまり意味はなかっ た。「これぐらいの規模がないと/32の割り振りを行うのはもったいない」と いう考えがあったからだと思う。全世界的には、この基準が消えつつあるので この数字について議論を行うことにあまり意味はないのではないか。 C.「200の/48」とすると規模感がわかるが、「200の顧客」とした場合にはそ の規模感がわからなくなってしまうのではないか。 C.規模の小さなユーザにも配慮してこのような話になっているのではないか C.200という数の根底には、PAアドレスであるということがある。ISPが集約 をしてくれるような数ということで200になっている。200ぐらいであればきれ いに束ねてくれるのではないかと考えている。集約できるような人から優先し て割り振りを行いたいという考えをわかってもらえれば助かる(IPv6ポリシー 策定メンバー 伊藤公祐) C.「200の顧客」という基準についてはもう少し書き方を工夫する必要がある。(JPNIC 前村)
7. JPNICによるIPv6 PIアドレスの分配について (奥谷 泉/JPNIC) [コンセンサスの確認] 賛成 : 66名 反対 : 0名 参加者 : 80名 [結論] JPNICを経由したIPv6 PIサービスを提供することについてコンセンサスが得られた。 [質疑応答] Q.提案事項のうち、1点目と2点目についてはどのような違いがあるか。 A.1点目はAPNICにあわせてJPNICポリシーへ反映することへの確認、2点目はポ リシーの反映を受け、JPNIC経由での分配を進めるべきであるのかの確認である。 C.そうであれば1点目は、国内では選択の余地はなく、APNICで施行されれば JPNICのポリシーに反映しなければいけないということになるのではないか。 A.その通りである。 C.コンセンサスの確認は2点目の「JPNICを経由したIPv6 PIサービスを提供す るべきか」について実施する.(ポリシーWGチェア) 8. [パネル]IPv4アドレス枯渇への対応 (モデレータ:伊藤公祐、パネリスト:近藤邦昭、前村昌紀、荒野高志) ◎はじめに(伊藤公祐) ・IPv4アドレスは今後10年でなくなるといわれながらまだある。しかし統計的 には先が見えてきた。v4がなくなったらv6に移ればよいという話もあるが、v6 はいつかなくなるので、どういう終わり方が望ましいのか考えていきたい。 ・消費は予測通り進んでいるか、実際にどれだけ残っているのか確認したい。 予想通りだといつ頃なくなるのか。 ◎現在のアドレス消費状況の報告(近藤邦昭) ・2006年4月に「枯渇に向けての提言」のレポートを作成した。 ・使用したデータは2005年12月のもので、今回1年後の評価をした。 ・いろいろな数字があるが、2012〜2013年になくなる予想となっている。 ・1年前の予測からのずれは大きくなく、2012年の枯渇は現実的と言える。 ◎フリーディスカッション ・ほぼ予測通り消費が進んでいる。(伊藤) ・人口当たりのアドレス数のWeb情報を紹介。本当かどうかは分からないが。(伊藤) ・発展途上国が本気でアドレスをとりはじめたら消費は更に加速する(前村) ・ところでv4アドレス使えるアドレスは?(伊藤) →クラスA223/8まではユニキャスト用。224以降はマルチキャストなどに使っ ており、ユニキャストに使えるかは? 使えたとして/8*16個分。ユニキャ スト用アドレスの中にも0/8、127/8など使用できないものがあるので、使 えるのは220個くらい。(前村) ・つまり、256*/8すべてが使用できるわけではなく、220いくつがシーディン グとなる。今後直線的に需要が増加していくとして2012年、5年後にはv4ア ドレスはなくなることになる。 ・5年を長いと考えるか短いと考えるか。ポリシーを変える場合2年程度必要である。(伊藤) ・RIR・NIRはどのように考えているのか。対応状況はどのようになっているか。 使いきるまでこのまま使いきって良いのか、JPNICとしてはどう考えているか。(伊藤) ◎JPNICとしてどう考えるのか(前村昌紀) ・世界人口60億人中、10億人には既に分配した。後の50億はどうするのか。 次の10億のうち半分は中国だという言われてもいる。 ・枯渇レポートについてはAPNIC22、カラチや秋葉原でのIPv6サミット等で機会  を見つけては紹介してきた。 ・日本はIPv4アドレスの枯渇に対する意識は高いが、そうでない地域もある。 ・レジストリとしては枯渇期に向けて何か対策を考えなければいけない。 ・レジストリの立場から考えてみると節約はさほど重要でなく、公平性が最も重  要だと考える。限りある資源を公平に使うことはとても重要である。 ・公平性実現の手段としてのひとつの個人的意見は、歴史的PIにも課金をする ことである。ただし、金額を現行のJPNICの料金体系にあわせ、/16で年間84万  円なのであれば返却するよりも支払うとの意見もいただいており、あまり経済  原理は働かない可能性もある。 ・公平性を考えるうえで、 誰が最後の1ブロックをとるのかは大きな課題であ  る。一つの案は特許モデルとして、申請状況を開示して、申請処理の順序を厳  密にする方法がある。 ・今後の対応、活動についてはマイルストーンを決め、実施していく。日本はす  でに世界をリードする立場にあると認識している。 ・世界はまだIPv4アドレスの枯渇は現実として捉えられていないので、問題意 識の共有から始めていく必要がある。 ◎フリーディスカッション ・世界からすると個々での議論は進んでいる印象を受けるがAPNIC、そしてIANA  やICANNはどう考えているのか。(伊藤) →IANA、ICANNについては不明である。APNICでは前回APOPMで枯渇に関する   セッションを初めて実施したがまだ意識の差が見受けられる。まだ対応をめ   るうえで遅すぎはしないと思うが、もう少しペースアップした方がいいかも   知れない。ポリシーは今のままでいいとは思えない。(前村) ・必要な人へ必要なだけというのはとても原始的なやり方。渡すだけ渡し てなくなったら終わり、では済まない。(前村) ・IPv4がなくなるまでポリシーは変わらない方がいいと思う方、このまま駆け 抜けた方がよいと思う方(挙手)…2名 ◎今後どうしていったらよいのか(荒野高志) ・枯渇の問題を大局的に見た話をしていきたい。 ・レジストリはIPv6というIPv4とほぼ等価なものがあるなら、それを説明して いかなければならないのではないか。強制はしないまでも、IPv4アドレスが なくなるたとえば2年くらい前からは、IPv6を進めていかなければいけない のではないか。 ・全部使いきるのではなく、IPv4アドレスを少し残して置くべきなのではない か。 ・IPv4アドレスの上で行なっているビジネスも多いので、ポリシーは変えない でいくのではないか。 ・IPv4アドレスの残存料がどこまでいったらIPv6の推進を始めるなど、という ことをこの場で話し合うのでは。そのために、本当になくなるという意識を 持ってもらうことは重要。 ◎フリーディスカッション [一定のIPv4アドレスを残しておくべきか] ・個人的には使いきらない方がいいと思っている。みなさんのご意見は?(伊藤) →公平感という点から、残しておいた方がよいと思う。もっと早い段階で、 ルーティング等に関わる特別な状況がない限りv4は割り振らないとして も良かったと思う。抜け駆けをする人は必ずいる。(会場) →残しておいた方がよい、という感触を持っているが、どの程度が適切である   のかが問題。/8を1つなのか10個なのか。時期で区切るのもありうる解かも   しれない。(近藤) →量と時期のバランスなのかもしれない。残すものは直感では/8 1つぐらいの   感触だが、みなさんのイメージは?(前村) →明確なイメージはない。駆け込まれてもショートしない時期を見極める必要   がある。(会場) [枯渇に向けた対応] ・さきほどの方の意見に賛成。AS番号も終わりに近くなっているが、駆け込みで  2オクテットASをとりに行くかというとそうでもない。v4の枯渇について情報  量が足りないので対応もおのずと変わってくると思う。駆け込み需要がある  や、 情報量の差によって対応が違ってくることは考慮せず、いつIPv4アドレ  スの分配を終了するかを決めた方がよいと思う。 ・総務省データ通信課の方も混乱のない終わり方を考えてくださいとリクエス トしている。(伊藤) ・必要なところに必要なだけもらえるというポリシーはすばらしいと思ってい る。一定のアドレスを残すという話がでているが、残したものをどうするの   か、イメージがあれば聞きたい。(ポリシーWGメンバー) →v4がなくなりv6に移れば残したv4アドレスは、一部のクリティカルインフ ラなどへ割り当てられる他は死蔵されると想定している。それで良いと思っ ている。(近藤) →死蔵が悪いと言っている訳ではなく、枯渇期から死蔵期に移るのに何年く らいかかると思うか聞きたい。(ポリシーWGメンバー) →それは議論しておらず、分からない。残ったものをクリティカルインフ ラに割り当てると言っているが、IPv6に移っていくので実際にはほとんどな   いと思っている。(近藤) →死蔵されるために返却する人はいないのではないか。(ポリシーWGメンバー) →返却されてもされなくても良いと思うが、IPv4からIPv6に移行することによ   りIPv4を返却する人はいないのでは。(近藤) ・残したアドレスの利用価値がなくなり使用されなくなるならいいが、引き続き  使用されるのであればそのルールは厳格に決めておかないといけないのではな  いか。そして、価値を持った場合、IANAのような脆弱な組織で管理できるの   か?(JPNICスタッフ) →その通りである(近藤) →IANAが脆弱な組織というのはその通り。終末期用に向けてIANAの機能を強化   する必要はあるかもしれない。(前村) ・終末期に、利用者の不利益になりそうなことをボトムアップで決めることが できるのかが疑問。上意下達でしかうまくポリシー変更が出来ないのでは。 説得すれば出来るものなのか。(ポリシーWGメンバー) →ボトムアップですべて決められるのであれば、アドレスをただで配ると言 うようなことが起ってしまう。(前村) →ボトムアップで今も穏当なところに落ち着いているし、ちょうどよいとこ ろに落ちるのでは。少し残して終わる、というのはみんなが納得する可能 性が高いのではないか。(荒野) ・IANAが脆弱な組織ということだと国連やITUといった組織の管理という話が でてきてしまうのではないか。(ポリシーWGチェア) →重大なご指摘である。これまではICANNにとっては商標権がからむドメイン   名の方が重要だったが、ここに来てIPアドレスについての役割も出てきた。   国連や政府間組織に文句を言われないようにやることは重要だと思う。(前 村) [枯渇への準備に向けて] ・枯渇対策を施行するまでにリードタイムはどのくらい必要なのか。また、 ど  のくらい考える時間が必要か。(伊藤) →プロバイダだけでなくエンドユーザがIPv6を使うことも重要である。エンド   ユーザがまだIPv6を使わない理由は流行っていないからである。製品化して   出すのに1〜2 年かかるので、2009年に切り替えるならいまからやれば間に   合うかな、と言う感覚を持っている。ただし、もう10年も前からIPv6 と言   われていることを考えるとまたオオカミ警報ととられる可能性もある。プロ   モーションも含めてどういう対応をしていくかは慎重に考えるべきと思う。   (会場) →それほど規模が大きくない事業者だが、中期事業計画を考えると3〜5年と いう感覚を持っている。 →機器の入れ替は通常5年ですよね? といいつつインターネットの機会は5年 持たないので3年とすると、そろそろかな、という感覚。(近藤) →機器のみでなくサービスの変更を考えると3年ぐらいという感覚を持って いる。(会場) →減価償却期間は短く償却できるようになってきた。中期計画の枠の中に入 れられるところでいれたい。5年先のことを3年後までの中期計画には入れ にくい。(ポリシーWGメンバー) →サービス入れ替えをするとサービスが消滅するまでに3年くらい。しかし お客様の移行を含む本当に消滅までには10年くらいかかった。むしろ明日 にでもと言ってもらえた方が楽なところはある。(会場) →v4はすぐ使えなくなるわけではない。新たなユーザをとらないということ だけで、そうは困らないのではないか。(荒野) →海外はどんな感覚なのか。(近藤) →決めると1年以内というような感覚のところもある。5年先を考えていると ころはない。3年が十分ロングタームという認識だろう。(伊藤) →アメリカは減価償却という考え方がない。(ポリシーWGメンバー) →海外の感覚も視野に入れないと、議論が進まないように思われる。(近藤) [IPv4からIPv6への移行] ・4オクテットASの導入についても危機感を持っている。(会場) →AS番号とIPアドレスは同じには考えられない。IPアドレスはインターネッ トにとって必須であるのに対し、ASはそうではない。4オクテットASは新た にAS番号をとる人にのみ影響があって、すでにAS番号を持っている人には影 響がない。更に言うと2オクテットASと4オクテットASは互換性があるのでそ の点も問題はない。枯渇時期はIPv4アドレスと同じくらいである。(近藤) ・レジストリの観点で話をしているのが気になっている。(会場) →IPv6へ移ることはv4とは別の世界を作ろうとしているに等しいので、コネク ティビティをどうするかという議論なしには、アドレスの割り当てだけの 議論をするのはおかしいと思う。 →単純に言うと、IPv4とIPv6ダブルで費用が発生することになるので、今から   議論が必要なのだと思う。 →v4を使い続けることに何の異議も称えていない。使用し続けることは問題 を感じていない。問題は新しいv4の世界をどこまで広げるかだけ。(伊藤) →IPv4を使っている人をどうするのか心配されているようだが、FDDIの例を聞   くに、移行に3年かかったのだという認識を持ったまでである。(近藤) →心配しているのは、IPv6しか割り当てられない人がいつか出てきたとき、新 興国の人なら仕方ないと思うだろうが、IPv4の利用者はIPv4を使い続けるだ   けなのではないか(会場) →ここでするべきはコネクティビティの話であり、マーケティングの議論では   ないが、経済原理で考えると、IPv4が高くIPv6が安ければエンドユーザは    IPv6に行くだろう。(会場) ・レジストリの論理ではなく、IPv4アドレスの制約の議論を進めており、混乱が  ないように終わりたいと思っている。そして、そのために状況の周知と啓蒙を  していかないといけないと考えている。(前村) [経路への影響] ・先ほどからIPv4を配り終わる話ばかりだが、別の観点で、IPv4の節約より経 路は重要ではないと前村氏がコメントしていた。先に経路がとんでしまう のではないかと考えたがその辺りの想定はどうなっているのか。 すでに20万  経路を越え、そのうえデュアルスタックになるとそこにIPv6も乗ることにな   る。(ポリシーWGチェア) →現在は約20万経路が広告されており、テレストラでは27万経路と言ってい    る。その理由はパンチングホールしている人が多いからである。(近藤) →訂正。テレストラはIGPの経路も含めているから多い。日本でも多いとこ ろはある。ただ、伸びとしては外部経路が多く、現在、だいたい20万経路 くらいである。(会場) →今後の増加は年間1.16倍くらいに推移しており、5年後くらいに40万経路、 50万経路にはなる。IETFで経路集成していかなければならないという声が 上がっている。(会場) →経路集成より節約が大切と言うと、1.16倍以上になってしまうのではない かと懸念した(ポリシーWGチェア) →前村氏は重要ではないと言ったが、バックボーンは200万経路くらいまで行   けるからいいとしてエッジノードにとっては死活問題。  エッジの方でうまく集約出来る仕組みを別の、技術的な観点でやっていくの   だと思う。 (近藤) [IPv6への移行促進の方法] ・IPv4枯渇前にIPv6への移行ができれば問題ないと思うが、小さい事業者では IPv6移行のモチベーションがまったくない。テレビの地デジのように、国など 強い強制力で進めないと難しいのではないか。IPv6アドレスは申請ベースでは  なく配布するぐらいで進めないと無理なのではないか。(会場) →戒厳令ルールでも、どこまででIPv4の割り当てを終わるのだ、とJPNICや APNICが呼び掛けていくことが重要。あとは、国際的にやるのが難しい。 (荒野) →IPv6をただで配るくらいしないと移行は難しいのではないか。(会場) →IPv4の割り当てを根拠にIPv6の申請をすることは可能である。(近藤) →だからその辺を押し付けて欲しい。(会場) →あげても使わないのは問題になるので、レジストリはそれは出来ない。 (伊藤) →IPv6も難しい。当初50年持たそうとしていたのが、今や100年以上持たせよ うとしている。IPv6ももう少し節約という話も出てきている。(近藤) [グローバルアドレスの利用以外の技術的な解決] ・グローバルアドレスの話ばかりをしているが、全世界的に最も使用されてい るのはプライベートアドレスである。IPv6化したときプライベートアドレスを  リナンバする必要はありますか、と言う質問にみなさんがどう答えるか興味が  ある。VPN以外は本質的にグローバルアドレスは不要であり、二重NATの使用   等、技術がすべての問題を解決すると思っている。(会場) →おっしゃる通り。誤解しないでいただきたいのは、乗り換えなければなら ないとか、IPv4でいいものをIPv6にという話は一切していない。ただ、v4ア   ドレスがなくなっていくときにどうするのかを考えていきたい。(伊藤) →私からの提案は、ある特定の期日よりIPv4のルーティングを止めるというの   がいいのではないかと考える。(会場)  →その他参加者は反対の反応 →提案するコミュニティーが違う気がするが、方法としてはなくはないのかも   しれない。(荒野) [IPv6とIPv4ネットワーク間の変換] ・いつであれ、いつかIPv4アドレスの割り当ては終わる。IPv4の割り当てが終了  したとき、IPv4ネットワークとのコネクティビティをどう提供するか、と言う  点について、どのようにお考えか聞いてみたい。 誰がIPv6からIPv4へ変換す  るのか。(会場) →もっと具体的な議論をする必要があり一緒に考えていきたい。(近藤) →数年後、v4の割り当てが終わるまでにv6が主流になっている可能性もあるの   ではないだろうか。(荒野) →それは少し楽観的過ぎるのではないか。(会場) →少なくともレジストリの観点では、枯渇の状況について宣言しておけばそれ   までに必要な人はとる、それでいいのではないか。(荒野) →IPv6を新しくとる人がIPv4ユーザにサービスを提供しやすいようなメカニズ   ムを考えるべきではないのか(会場) ◎最後に ・まとめ(伊藤さん) - 楽観的かもしれないが2012年くらいにIPv4アドレスはなくなる。 - 公平性を考えるとこのままのポリシーで行けるとは限らない。 - 駆け込みは多少あってもいいようにする必要がありそう。 - 混乱のない最後に向けて、多少残すのが良さそう。 - 数よりも時期を決めた方が良さそう。 - リードタイムは3年くらいが妥当か? - IPv6しかもらえなくなる人への手だても検討しないといけなそう。 - JPNICで検討のための専門家チーム結成?(伊藤さん) ・v4の枯渇を伝えなければならない相手は運用に関わっているプロだけではな く、ステークホルダーが増えている。事実をつたえることと、対策オッズと いうアクションを分けて考えたほうがよい。アドレスがなくなる事実だけで も早めに伝えたほうがいいと思う。(昔機器を作っていた立場の方) ・いつIPv4アドレスの割り当てを終了するか、事業者のみなさんに気付いてい ただくこと、そのために宣言していくことが何にも増して重要だと分かった。 専門家チームの結成か、レポートの作成か。JPNICとしては必要となるステー クホルダーとも連携をとりながらイニシアティブをとりながら、積極的に進 めていこうと思っている。(前村) ・1年前に枯渇に向けた提言をまとめるための専門家チームを結成した。今日 議論をしていくつかのことは見えてきたが、やはり具体性がない。ポイント は毎回同じ。もっと具体的にやっていかないといけない。もっと広い範囲の 人を巻き込む必要もあるし、国際的な展開も必要だと思う。(近藤) ・まずAPNICに持って行って話を始め、その反応を見て対策を立てる必要があ ると思う。プランはもっと具体的であるべき。専門家チームをJPNICの中に 作り、議論を始めたい。混乱しないことが非常に重要なキーワード、次がフェ アネス。(荒野) ・こんなに議論が盛り上がるとは思わなかった。今後も議論を続けていきたい。 是非ご参加ください。ありがとうございました。(伊藤)
9. 各種ご報告・ご案内 9.1 APNIC22アップデート(JPNIC 奥谷泉) [質疑応答]  なし 9.2 インターネット・ガバナンスフォーラム(JPNIC 前村昌紀) [質疑応答]  なし 9.3 IPアドレス検討委員会活動報告(IPアドレス検討委員会委員長 吉田友哉) [質疑応答]  なし 9.4 JPOPMショーケースのご案内(ポリシーWG) [質疑応答] ・今回通ったポリシーなど、ポリシー動向をJANOGにもう少し情報を流しても良  いのではないかと思う。(会場より)
10. まとめ 10.1 コンセンサス確認/まとめ(ポリシーWGチェア 藤崎智宏) [質疑応答] なし
[その他、連絡事項] ・1月25-26日JANOG沖縄で開催。Webからお申し込みください。申し込みは明日 までです。(JANOG 近藤) ・昨日pre-JPOPMを開催。関係者以外に30名ほどご参加いただきました。昨日 pre-JPOPMにご参加いただき、本日初めてJPOPM にご参加くださった方、あ りがとうございました。今後もプロモーションを続け、多くの方にご参加い ただきたいと考えています。 以上