エンドツーエンドNATを前提としたアドレス分配
太田 昌孝(東京工業大学)
NATの存在とアドレスポート割当・変換の様態をプライベート網内のエンドに知らせるエンドツーエンドNATの導入により、エンドはアドレスポートを逆変換しエンドツーエンド透過性を回復できる(実は、ポート変換は不要)。また、NATの状態維持を、エンドにより正確に行える。マルチキャストにも対応。
各ユーザが使えるポート番号は制約されるが、URLにより自分のポート番号を指定できる場合、問題ではない。また、DNS、SMTP、HTTP等のプロトコルは、アプリケーション層リレーにより、デフォールトポートをNAT背後のユーザが共有できる。DNSクライアントのリレーで、ポート番号をランダム化してセキュリティを高めることも可能。
そこで、エンドへのエンドツーエンドNATの実装を推奨し、エンドツーエンドNATを前提としてアドレス分配量を減らすことで、IPv4アドレス空間を長持ちさせる。エンドツーエンドNATの実装と共にクラスEアドレスもユニキャストアドレスとして使えるようにすることとすれば、IPv4アドレス空間はさらに長く使える。プロトコルの詳細は、ftp://chacha.hpcl.titech.ac.jp/e2enat.txtにある。
エンドツーエンドNATに対応するには端末の改造が必要であるが、同時にクラスEアドレスをユニキャストに使えるように端末を改造することとすれば、エンドツーエンドNATが普及してしまえば、当分の間エンドツーエンド透過性を維持しつつもIPv4アドレスが枯渇することはなく、マルチホーミングによる帯域経路表サイズの爆発を抑える新たなIP方式をじっくり検討できる。
IPv4アドレスが足りないが、NATは醜いし、IPv4とIPv6の同時運用は大変。
NATを美しくすることで、IPv4アドレスを長持ちさせる。
指定事業者
JPNIC
ユーザ
質問,議論は ip-users ML( ip-users@nic.ad.jp) にてお願いいたします.