第19回JPNICオープンポリシーミーティング議事録
日時:     2010年12月14日(火) 10:00-17:00
場所:     日本教育会館
出席者:   39名

[■議事録について]
  - プレゼンテーション資料は別途掲載しております.こちらよりご参照ください.
  - ご参加いただいた方: 39名

[■議題]
  1. JPOPM19 オープニング (I)

  2. JPOPMフォローアップ
    2.1 Action Item 確認 (I)
    2.2 JPNICにおけるポリシー施行ステータス (I)

  3. whois へのAS情報の追加について (I)

  4. APNICアップデート (I)

  5. RPKIアップデート(I)

  6. APNIC30レポート (I) 

  7. APNIC31で議論予定の提案への対応について (I)

  8. [ディスカッション] IPv4アドレス在庫枯渇前後のアドレス分配とポリシーの行方 (I)

  9. 最近のインターネットガバナンスに関するホットトピック(I)

 10. コンセンサス確認/まとめ

  (P) 提案事項
  (I) 情報共有を目的とした発表 


[■ 発表および質疑応答 (以下、Q. 質問、A. 回答、C. コメント)]
1. JPOPM19 オープニング (藤崎智宏/ポリシーWG) [質疑応答] なし
2. JPOPMフォローアップ 2.1 Action Item 確認 (藤崎 智宏/ポリシーWG) [質疑応答] なし
2.2 JPNICにおけるポリシー施行ステータス(奥谷 泉/JPNIC) [質疑応答] ■移転ポリシーの実装 Q. アドレス移転については、IPv4アドレス在庫枯渇までに施行の準備を進める とのことだが、JPNICでの在庫枯渇はいつを予測しているのか。 A. APNICの在庫枯渇と同じく、2011年度後半を想定している。(JPNIC 奥谷) Q. スライド10の残された検討課題のうち「在庫枯渇後、維持すべき概念/原則」 と「在庫枯渇後、 JPNICが提供すべき役割/機能」については、JPNICでの検 討結果とRIRでの検討結果とに齟齬がある場合は、RIRへ提案を行うことを想 定しているのか。(ポリシーWG 橘) A. 具体的にはまだ想定していない。(JPNIC 奥谷) C. JPNICの立場だと、日本の法制度に立った考え方になると思う。ただし、イ ンターネットの資源管理という考えに立つと、日本以外の組織と今後アドレ スのやり取りがある可能性もあり、日本だけで議論しても成り立たないと思 う。正しいと考える「あるべき姿」があれば、RIRに持っていってほしいと 感じた。検討が遅いことについては懸念や不安もあるが、適切な情報開示に 注力をいただきたいと思う。(ポリシーWG 橘) A. JPNICでの検討内容については、他のフォーラムとずれがないようにしてい きたいと思う。またご報告できることは、逐一お伝えしていきたい。(JPNIC 奥谷) ■APNICで実装されたabuse-cの新設への対応 Q. abuse-contactについて、APNICデータベースへの登録は必須となっているが、 全ての情報について、連絡先がJPNICとなっているのか。(ポリシーWG 藤崎) A. APNICでのポリシー施行以降に新規の分配を行った、および更新が発生した 割り振り情報については、JPNICの情報を登録している。(JPNIC 奥谷) Q. 国内での実施に際しては、APNICデータベースとの連携については考えたほ うが良いかもしれない。現状の対応は、APNICデータベースへの登録方法と しては不十分に思えるが、変更したい場合は、どのような対応を取るのが 望ましいのか。(ポリシーWG 藤崎) A. 業務上の変更として扱うか、ポリシー提案になるのかは、どのように実施す るかによると思う。(JPNIC 奥谷) C. IRTオブジェクトへの対応は中途半端だと思う。新規割り振りのみ登録して いるとのことだが、APNICの情報にJPNICのコンタクト先が掲載されることは 認識していなかった。前回のJPOPMで日本では対応しないことになったが、 APNICのデータベースに登録されるという観点で考えると、NIRはコンタクト 先の登録の対象外とするなど、この場で少し意見を求めても良いと思う。 個人的には、NIR管理下の情報については、IRTオブジェクトに関する情報 の登録は不要だと思う。 C. 前回のJPOPMでは、JPNICでは対応しないが、APNICでは対応するとなった場 合のJPNICでの対応までは議論の考慮に入れていなかった。自組織に割り振 られたアドレスについて、APNICのWHOIS上ではJPNICがコンタクト先になっ ている点について、他にもコメントがある方がいれば。(ポリシーWG 藤崎) C. 情報がどのように利用されるか、JPNICに連絡が行った場合にはJPNICはど こに連絡をするか、という点は検討した方がよいと思う。 C. JPNICに連絡が来た場合には、これまでと同様、JPNICデータベースに登録 されている情報に基づき、コンタクト先をご紹介することになる。(JPNIC 奥谷) C. 1点補足だが、(1)JPNICからAPNICに転送をしている情報と、(2)APNICデータ ベースに登録されている情報の2つがある。(1)についてはIRTオブジェクト に関するデータは入っていない。(JPNIC 岡田) C. JPNICの連絡先が入っているとインシデントへの対応が遅れるのではないか。 JPNICの情報を登録するよりも、空欄にするか直接のコンタクト先ではない 旨を登録すればよいと思う。 C. JPNICからAPNICフォーラムへ提案する場合、JPNICでは実装していないので APNICデータベース上で空欄にして欲しい旨を提案するのがいいか。(ポリシーWG 藤崎) C. デフォルトではJPNICの情報を登録する。希望する場合にはIP指定事業者の 情報を登録する、という方法はどうか。 C. 選択肢に含めることは可能。その場合、JPNICでの業務の変更、新たにIP 指定事業者から情報をいただくことになるので、進めるにあたって、国内の 皆さんからの同意が必要になると思う。(JPNIC 奥谷) C. 提案者の意図としては、Abuseへの対応を効率的に行い、セキュリティの向 上に努めるということもあるので、その意図も踏まえて議論をして欲しい。 実装に関しての疑問と哲学的な部分も考える必要がある。(APNIC 藤井氏) C. 国内の対応はまた別だが、まずは次回のAPNICミーティングで、JPNIC管理下 のアドレスのAPNIC WHOIS上の表示について、JPNICに提案をしてもらえるよ うにMLで継続して議論するのがいいか。その場合、JPNICは対応可能か。 (ポリシーWG 藤崎) A. コミュニティより提案者を募って、そのお手伝いをすることは可能。ただ、 JPNICとして提案するには組織判断も必要なので、この場では明言できない。 (JPNIC 奥谷) A. APNIC31に提案する際に、オプトイン方式にするのであれば、まずは国内の コンセンサスが必要ではないかと思う(JPNIC 伊勢) A. APNICに提案することは違和感はない。誰が提案するかについては、当事者 であるIP指定事業者、かつ登録したいと思っている人が入るべきだと思う。 ここで議論形成をすることについては、ポリシーWGとしても、一参加者とし ても問題ないと思う。(ポリシーWG 橘) C. その提案は、IP指定事業者等が自身でAPNICデータベースの書き換えを行え るようにすることなのか。現在IP指定事業者はAPNICデータベースの更新権 限がないので、JPNICが提案するのが自然では。(ポリシーWG 藤崎) C. JPNICデータベースに登録された情報を元にAPNICに転送しているものがある。 それとは別にAPNICデータベースに直接登録するものがある。IP指定事業者 からいただく情報を元にAPNICデータベースに登録することは可能。ただし、 その情報をIP指定事業者からいただくためには、ポリシーコンセンサスが 必要。(JPNIC 奥谷) C. このポリシーが実装される時に、APNICに空欄にできないか相談したが、で きないということだった。国内の要望があったので、もう一度APNICに相談 して、APNICの見解としてポリシー提案が必要と判断されれば、提案するの はどうか。(JPNIC 奥谷) C. IRTオブジェクトにIP指定事業者の情報を登録するという対応をする場合、 APNICフォーラムへの提案は必要なのか。過去に分配した情報については、 情報の登録を促すことになることを考えると、これはJPNICの業務的な規約 の問題であり、ポリシー提案ではなくJPNICで判断できる問題なのではないか。 (ポリシーWG 橘) C. 論点を整理すると、何を入れるのか入れないのかという点と、新しい割り振 りについてのみ登録する点がある。特に2点目は、オペレータの立場からす ると、登録されている割り振り情報とそうでない情報があるのは、中途半端 であり困る。 C. 情報の登録については、必須にしないほうがいいと思う。必須にするのであ れば、必要な情報が登録されるような啓発活動も必要になる。初めから必須 にするのではなく、できる範囲から始めて開始していく方がいいのでは。 (ポリシーWG 橘) C. ポリシー提案を行わずに、今の運用の枠組みで、この問題に運用上どのよう に対処できるのかをJPNICで確認する。(JPNIC 奥谷) C. IRTオブジェクトの内容をIP指定事業者の内容を登録できるかどうかをJPNIC で検討してほしい。項目を空欄にしたいのであれば、運用で解決するのか、 ポリシー提案にするのかは、APNICでの検討結果によると思う。国内におけ る対応は、必要に応じて次回のJPOPMで議論すればよい。(ポリシーWG 藤崎) Q. 空欄にするのと、IP指定事業者の情報を登録するのとでは、どちらが対応と しては望ましいか。両方の可能性を探るということか。(JPNIC 奥谷) A. JPNICの業務プロセスの変更だけで済むのであれば、IP指定事業者の情報を 登録できることが確認できればいいのでは。(ポリシーWG 藤崎) C. 日本のコミュニティで提案が通っていない状況であれば、JPNIC管理下の情 報については、IRTオブジェクトに関する項目は空欄とすべきである。意図 せずJPNICの情報がAPNICに登録されるよりは、空欄としてもらったほうが良 いと思う。両方の案とも同じ優先度で調査するべき。 [宿題]  APNICデータベースにおけるJPNIC管理下のアドレスの割り振り情報について、 以下の対応が実現可能か確認し、まずはJPNICからポリシーWGへ報告する。  ・希望するIP指定事業者は、自身の情報をIRTオブジェクトに登録する  ・IRTオブジェクトを空欄とする
3. whois へのAS情報の追加について (JPNIC) [質疑応答] Q. WHOISの項目の追加であるが、JPNICの判断だけで施行できるものなのか? (ポリシーWG 藤崎) A. 現時点では追加は任意のため、ご報告でよいと認識している。必須化する際 は、みなさんのご意見もおうかがいした上で進めたい。ただ、この点につい ては、明確に定義された判断基準がないと思うので、進め方についてもご意 見をうかがいたい。(JPNIC 岡田) Q. 最終的に狙っている効果は何か。 A. JPNIC WHOISから参照されるOriginASを、100%カバーできるようにしたい。 (JPNIC 岡田) Q. 既存のIRRとの関係、連携はどうなるのか。既存のデータについても、登録 を求めるのか。それとも新規登録、または情報を更新したオブジェクトにつ いて任意に登録を求めるのか。 A. 既存のデータも今後登録されるデータも、どちらも登録していただくよう お願いしていく。ただし、多くのIP指定事業者がJPIRRを利用していて、登 録済み組織については、特に追加で登録作業をしていただく必要はない。 (JPNIC 岡田) C. IRRは参照されるものであるので、参照する側のことも考慮した方がいい。 世界的にIRRが主流なのであれば、2つのデータベースを並列して運用するの は難しいし、混乱をきたすのではないか。OriginASの登録を徹底したいので あれば、JPIIRへの登録を促す、あるいは世界との協調も含めて適切な方法 を検討したほうがよい。 A. WHOISに登録されたデータについても、何らかの形でJPIRRに参照されるよう にしていきたいと考えている。まだ具体化していないが、例えばWHOISで登 録されている情報をJPIRRでも参照できるようにして、基本的にはJPIRRを 参照すればいいようにする仕組みなども考えている。(JPNIC 岡田) C. そうであれば、JPIRRに情報をきちんと登録されるように働きかけていくの がよいのではないか。また、WHOISに登録されているネットワーク情報の単 位で経路広告されているわけではない。パンチングホールなども含めて実態 を反映し、登録した情報が正確性を維持できているかは、IRRの情報で管理 していく必要があると思っている。 A. 完全な一致ということではなく、まずは登録がない状態から、何らかの登録 をしていただくことを目指したい。(JPNIC 岡田) C. 枯渇もあるので、このタイミングでやることが適切なのかも含めて考慮する 必要がある。 C. APNICでは、WHOISにabuse-cという項目が追加されるにあたって、ポリシー 提案が行われた。今回は提案が不要となるのはなぜか。WHOISに表示される 情報については、登録者の同意を得た上で登録を進めるもの。したがって、 たとえ必須でなくても、登録しないと空欄となるため、あえて登録しないの か、登録するのかという選択をせまられる。changed項目など、管理上必要 なものれあれば、JPNICの判断でもよいと思うが、今回はWHOISに公開される という項目が追加されるのに、コンセンサスもなく実務手続き上必要という 理由で進めることについては違和感がある。既存のIRRとの協調や運用者と の協調も含めて考えていったほうがいい。取り組み自体はいいと思うが、 提案をしないで、実装を急いでいる印象を受ける。(ポリシーWG 橘) Q. WHOISに表示される項目を増やすことについて、APNICとの調整は不要なのか。 A. 日本でうまく運用しされることを確認し、様子を見てうまくいけば上位レジ ストリに持っていくことを想定していた。(JPNIC 岡田) C. 階層構造になっていることを考えると、上位(APNIC)にはないエントリーが JPNICにあることに違和感がある。 A. JPIRRをよくするためにJPNICのWHOISを使いたいという意図があったため、 JPNICで運用しているWHOIS他のIRRとの連携を考えるということであれば上 位との連携が必要であると思うが、JPIRRとの連携のため、JPNICのWHOISに 閉じている。(JPNIC 岡田) C. 任意だったらJPNIC判断でできるのであれば、abuse-cの項目追加もポリシー 提案ではなく、対応できる問題だったのではないか。手続きについてはもう 一度整理した方がいいのでは。(ポリシーWG 藤崎)
4. APNICアップデート (藤井 美和/APNIC)/a [質疑応答] なし
5. RPKIアップデート (木村 泰司/JPNIC) [質疑応答] Q. まとめのスライド(スライド12)の下の部分(プロトコルの策定動向)につい て確認だが、実際に使われるものが出てくるのはいつ頃か。みんなで対応 を始めないと意味がないと思うが。(ポリシーWG 藤崎) A. 一部対応しているルータベンダーはある。本年1月のIIJでの実験では、 ルータを稼働させた。対応はベンダー判断によってまちまちだと思うが、 一度対応を開始すると比較的早く実装される可能性はある。みんなで揃っ 対応を開始すべきかどうかについては、まずはセキュアなルーティングを やらないといけないと考えるASの担当者から始め、通常のBGP4の裏でこの ような技術を走らせるなど、一部から対応を始めるという可能性も考えら れる。(JPNIC 木村)
6. APNIC30レポート (奥谷 泉/JPNIC) [質疑応答] C. APNIC Member petion BoFについて、自身も参加していたが、積極的なのは 発展途上国の人々であったように思う。APNICの運営にも関わるので、今後 より関心を持って関与していかなければと考えている。(ポリシーWG 藤崎) A. 個人的な意見だが、そのような国は政府としての意見も多いと思う。政府 の意見も取り入れていくことも重要だが、政府の意見=地域の意見となる と、ミーティングに直接参加している人の意見が反映されにくくなるとい う課題もある。引き続き動向を見ていく必要があると思う。(JPNIC 奥谷)
7. APNIC31で議論予定の提案への対応について (橘 俊男/ポリシーWG) [質疑応答] ■(prop-083)IPv6追加割り振りにおける別要件の新設 Q. IPv6に関しての提案だと思うが、IPv4の場合でもAS番号が違えば新たな アドレスブロックの割り振りを受けられる、という理解で問題ないのか。 A. 今回の提案はIPv6に限ったものである。(ポリシーWG 橘) C. この提案が通ったときに、日本への影響についても考えないといけない と思う。(ポリシーWG 藤崎) A. この提案は、NIRにおいても同様に適用されるものである。(ポリシーWG 橘) A. 現在の内容では、別ASであることが明記されていないが、APNIC31での議論 では、別ASであることが明記される可能性が高い。提案が通ると、各拠点ご とに合計/31の割り振りとなるが、追加割り振りの際は、少し悩ましいと思 う。(JPNIC 奥谷) Q. オリジナルの提案では、「追加」割り振りと定義されているのか。別AS番号 であれば新規割り振りを受けられるのは、現在も実装されているルールなの か。 A. はい。追加割り振りではなく、新規の割り振りとして取得できる。別ASで あることを明記される予定なので、その前提で考えてもらえればよいと思う。 (JPNIC 奥谷) C. 現在複数のAS番号の割り当てを受けている組織の場合、IPv6は利用率が低く ても追加割り振りを受けられるので、ばらばらに分けた方が効率的に利用さ れるのではないかと思う。 C. 同じような理由でAPNICに申請して却下された経緯があるので、元々の提案 に対して賛成。このようなルールがないと、結局分割して経路広告すること になるが、分割広報すると、到達性が出ないケースも出てくるため。 ■(prop-084)定期的なWHOIS情報の更新要請 C. 前回のJPOPMで、WHOIS情報へのabuse-cの追加について議論したときに、 このような提案があれば、abuse-cの追加は不要では、という意見があった。 この点も含めて、ぜひご意見いただきたい。(ポリシーWG 藤崎) Q. この提案は、NIRに対しても適用されるものか。 A. NIRでの施行は任意である。(ポリシーWG 橘) C. NIRの業務に負荷がかかるという議論があるが、どの程度負荷がかかるのか。 「更新間隔がxヶ月とすると作業量はxxxである」といった具体的な情報はな いのか。情報更新はやったほうがいいと思うが、作業量とのバランスである と思う。 C. JPNICでもAPNICでもそういった形の情報提供は行っていないと思うが、あっ たほうが共感が得られるのではないか。 C. 情報が変わったときにデータベースを更新しなければペナルティが与えられ ることにして、情報の精度が保たれるようにしたほうが良いのではないか。 提案のように情報の変更がなくても確認を求められるのでは、LIRとしても 負荷がかなり高くなる。 C. ご意見は理解したが、情報が変わったことを検知するのは難しいのではない。 もし実装することになった場合、課題になりそうな点である。一方で、提案 どおりに実装しても、クリックだけして更新したふりをする人もいるかもし れない。(ポリシーWG 橘) Q. JPNICから割り振りを受けたものについては、JPNICでルールを決めるので、 この提案がAPNICで実装されてもIP指定事業者には連絡は来ないと理解して いる。現在APNICのデータベースには割り振りを受けたIP管理指定事業者の 情報が登録されているが、IP指定事業者へ連絡が本当に来ないのか。 A. 午前中に議論したAbuse-cの議論と同じで、明確に決まっていない。議論の 際に、明確にしなければならないと思う。(JPNIC 奥谷) C. メールが送られることに意義があるのでは。確認や情報更新を必須にせず、 気がついて必要であれば情報を更新するぐらいの姿勢で進めれば、負荷は 上がらないと思う。 C. 前の意見に賛成。確認を必須にすると、毎回MyAPNICでクリックするだけで、 情報は変わらない、といったことが起きると思う。 ■(prop-085)APNIC最後の/8在庫からのクリティカルインフラへの割り当て 特に意見なし ■(prop-087)IPv6の実装実現のためのIPv6アドレスの割り振り Q. JPOPMで合意に至らなかった提案をAPNICに持っていって合意が得られた場合、 JPNICで実装されるのか。 A. この提案はNIRでの実装は任意なので、APNICでコンセンサスとなった場合に は、JPOPMで再度議論することになると思う。(提案者 藤崎) Q. APNICではどのような説明をしたのか。IPv6へのスムースな移行のためには 6rdに限らず何でもいいということか。 A. APNICでは、「RFCになっているIPv6の実装のためのプロトコル」という表現 をした。ただし、APNICでは逆に6rdと明記した方がいいという意見があった。 (提案者 藤崎) Q. 前回のJPOPMでの提案内容では、料金に関しては何らかの考慮をしてほしい という内容があったが、この点は今後どう考えているのか。APNICの提案で は、費用に関する記述が消えていたようだが。 A. 今回については特に考慮に含めておらず、純粋に技術的な面についてのみの 提案となっている。(提案者 藤崎) A. 費用についてはAPNIC ECでの決定事項のため、ポリシーでは決められない。 ただし、考慮する旨の付記を過去に行ったことはある。(ポリシーWG 橘) ■RIRを跨いだ IPv4アドレスの移転について C. ICANNとは関係ないのでグローバルポリシーにはならない。ただコーディネー トポリシーになると思う。(ポリシーWG 藤崎) C. 移転のポリシーがRIR間でばらばらなので、このまま実施すると非常にまず いと思う。アドレスがなくなったら、アメリカの会社を買収して移転によっ てIPアドレスを入手しようと考える人もいると思う。もしこれを認めるので あれば、全世界的にルールが統一されることを希望する。 C. 先ほどのコメントにもあったように、これはコーディネートポリシーになる ので、全RIRというよりは、関係するRIR間で合意することになるのではない か。(ポリシーWG 橘) C. このままでは、APNICでは提案されない可能性が高い。もし必要であれば、 次回のAPNICミーティングで提案したほうがいいかということもここで検討 するということか。(JPNIC 奥谷) C. 一番多くアドレスを持っているところからアドレスをもらえるように、提案 をしたほうが良いのではないかと思っている。 C. ポリシー提案や実装するための費用と、それを実施することでIPv4アドレス がどれくらい延命できるのかを考慮して決めた方がいいと思う。今出ている 情報だけでは判断できない。 C. IPv4アドレスは今後も使い続ける。今後誰が使うかはわからない。正しい 情報をDBに登録し続けるためには、移転のポリシーを認めないといけない。 RIRをまたいだ移転の際にもDBが正確である必要があると思う。(ポリシーWG 橘) C. ARINのデータベースに日本の住所が書かれていても問題ないと思う。データ ベースの中身が正しく維持できているのであれば、登録先がARINでもAPNIC でも変わらないと思う。提案するかどうかはどちらでもいいと思う。 C. 例えば、移転元のRIRと契約関係になれる組織のみ移転を認める、というよ うなルールを作る可能性もあると思う。(ポリシーWG 橘) C. データベースを正しく保つという理念も大事だが、IPv4在庫枯渇後に本当に IPv4アドレスがほしい人に行きわたるようなしくみ作りも大切では。そのよ うなことを考慮すると、この提案の意味が見えてくるのでは。(JPNIC 木村)
8. [ディスカッション] IPv4アドレス在庫枯渇前後のアドレス分配とポリシーの行方 ■イントロダクション [質疑応答] 特になし ■IPv4アドレス(Various Registries)の配布について [質疑応答] C. 補足させてほしい。Various Registriesは、現在/8が様々なRIRに分配され ている状態だが、今後その/8の残りの部分は、その/8をもっとも占有してい るRIRに分配することで、結果的に各RIRに均等に分配されることになる、 という思想。その結果、各RIRに1.5個分の/8がVarious Regisitiresの空間 から分配されることになる。また、この施行時期については、IANAのIPv4 アドレス在庫枯渇前後と考えている。この分配は、APNICの在庫枯渇時期 予測には織り込み済みなので、枯渇の時期を大きく左右するものではない。 (APNIC 前村) ■在庫枯渇後に返却されたIPv4アドレスの管理について [質疑応答] Q. IPv4アドレス枯渇前後、プロバイダのアドレス管理ポリシーに対して、 JPNICは関与するのか。ユーザの立場で考えると、いつまでプロバイダから アドレスをもらえるのか気になる。JPNICとしては、この在庫枯渇の前後の 期間、どのような対策をとるのか。 A. プロバイダ(IP指定事業者)のアドレス管理については、事業者自身の判断に お任せしており、JPNICは関与しない。JPNICでは、アジア太平洋地域の在庫 枯渇は2011年後半と予想している。その後、各プロバイダが保有している アドレスが枯渇する時期については、その組織次第となる。(JPNIC 奥谷) C. RIRの在庫枯渇時期は全RIRの平均(*)なので、APNICでは11月よりも早いと予 測している。今後も継続して在庫枯渇時期の予測は提供していくが、在庫枯 渇前ということで申請が増えている現状もあり、確実な時期を予測するのは 難しい。(APNIC 藤井氏) (*) 事後補足:保守的な値であり、おそらく日付は早まる可能性が高い C. 経路表を見ている限りでは、IPv4はかなり消費されている印象を受ける。 いつ枯渇するかを考えるよりも、前倒しでIPv4がなくなったときの準備をす るのがいいのではないか。 C. 在庫枯渇時期は段々早まってきているので、前に発言された方が言われたよ うに、多少悲観的に考えて前倒しで準備するのがいいと思う。(JPNIC 奥谷) C. 残りの/8(2つ)を取るのはAPNICである可能性が高い。APNICが割り振りを 受ける時期=IANAのIPv4在庫が枯渇する時期ということになる。ただし、 Interopが/8を返却したことは、http://ipv4.potaroo.net/ (APNIC Geoff Huston氏によるIPv4在庫枯渇時期予測)にはまだ反映されてい ない。IPv4の在庫が枯渇する日が近くなっており、その時期を正確に予測す ることは難しくなっている。レジストリは判断材料を提供するので、枯渇す る時期については、その情報を基にみなさんも考えてほしい。(APNIC 前村) C. 1/8がAPNICに割り振られたと思うが、汚れている等の理由でまだリザーブさ れているブロックもあることを補足させてほしい。ただし、それほど大きな 空間ではない。 Q. 在庫枯渇直前はIPv4を確保したいということで、駆け込み申請も多くなると 思う。その際のRIRやNIRの申請処理のオペレーションはどうなる予定か。 APNIC管理下には、別のNIRや他にも多くの会員がいるので、在庫枯渇直前に 申請が重なった場合などは、問題にならないよう何らかのオペレーションを 決めておく必要があるのでは。 A. 現状では具体的な運用上のすり合わせはしていないが、問題としては認識し ている。今後APNICと調整する上で参考にするので、この後のセッションで、 ぜひご意見をうかがいたい。(JPNIC 奥谷) Q. 具体的な対案は思いつかないが、返却されたアドレスを、最後の/8と同じ扱 いには、あまりしてほしくないと思う。 A. APNICのフォーラムでも同じような意見が出ていた。直近の需要に対応する ために別のプールで管理して、割り振りの機会を2回与えてもいいのではな いかという考え方もある。(JPNIC 奥谷) ■最後の/8直前のアドレスをどう分配するか? [質疑応答] C. JPNICでの申請処理ついては、以前議論して、問題ないという結論が出たと 記憶している。ただし現在の運用では、IPv4在庫枯渇前後に問題が起こる 可能性がある。申請書にミスがあると申請内容の確認が多くなり、割り振り までの期間が長くなることを考えると、申請に慣れていない新しいIP指定 事業者は不利。1つの申請が終わるまで、次の申請は受け付けないぐらいの 運用をしないと公平にならないのでは。また、APNICの確認が入る割り振り サイズの申請についても、確認が入らない申請を同じように処理されるよう 考慮しなければいけないと思う。 C. 問題は認識していて、今後APNICと基準のすり合わせをしていきたいと考え ている。(JPNIC 奥谷) Q. 「駆け込み」とは、どの程度申請が殺到することを想定しているか。具体的 にイメージして議論したいので、現状どれくらいJPNICに申請が来ていて、 どれくらいの頻度で対応しているのかが知りたい。 A. 割り振りについては、実質2名で、1週間に20件程度処理をしている。アドレ スが割り振られるまでの期間は、確認の回数や申請者からの返事の早さにも よるが、早ければ2~3日、長ければ1か月以上かかる。また、IP指定事業者へ は通常は3営業日程度、遅くとも5営業日までに回答している。(JPNIC 川端) C. そこまでの申請処理順に厳密性を求めるべきかと思っていたが、週に20件と いうことであれば、何かしらの基準を設けた方がいい気がする。 C. 枯渇後はアドレスの金額が高騰するのではないかと心配している。ユーザと しては、JPNICのような機関が、アドレスの値段をある程度規制してほしい。 アドレスを配った後はISP任せでは、ISPからアドレスをもらっているユーザ としては打つ手がなく困る。 A. ISPによってアドレスの単価は異なる。プロバイダが顧客に課す料金体系に 対してはJPNICは関与しない。それは各IP指定事業者のビジネスの話となる ので、規制するのは適切ではないのではないと思う。 C. アドレスは今後も公平に分配してほしい。ここで議論すべきではないことは 理論的には理解しているが、実情は違うのではないかと懸念している。 C. JPNICでの審議と同様に、ISPでもポリシーに基づいて審議をしているので 割り当ての基準はどのISPも同じで、そこで公平性は担保されている。完全 に公平にしたければ、AWSをゼロにして、すべての割り当てについてJPNICで の審議を行えばよいのでは。 C. ホスティング業者としては、Webサイトを閲覧する一般ユーザがIPv6に対応 しないとIPv6には移行できない。そのため、当面はIPv4を使う必要がある。 残っているものを公平に分配するだけではなく、残ったものを公平に使える ようにしてほしい。初めにアドレスを使い始めた人がたくさん持っていて、 後から来た人が在庫がなくなってもらえないのでは困る。JPNICがプロバイ ダを規制するか、プロバイダ自身が自主規制できるような取り組みを行って ほしい。 C. 最後の/8ポリシーは、IPv4の在庫が枯渇した後にサービスを始める人が困ら ないようにという意味もある。最終的にはIPv4はなくなるもの。JPOPMはア ドレス分配ポリシーについて議論する場なので、IPv4が残り少なくなっても、 混乱なく決められたルールに従って公平に分配できるよう議論をしている。 Q. これまでに返却されてJPNICで寝かせているアドレスがあると思う。これら は、IPv4の在庫が枯渇したら再分配されることになると思うが、JPNICは どのようなプロセスで分配するのか。少しであれ、これらのアドレスが在庫 枯渇後も分配され続けるのであれば、全くアドレスの分配が停止することは ないと思うので、確認させてほしい。 A. 特に決まっていない。返却されたアドレスは、現在合計で/13程度ある。 JPNICの対応は、おそらくAPNICに合わせることになると思う。(JPNIC 奥谷) C. 前回のAPNICミーティングでも同じような議論がなされた。多くの意見が出 たが、少量の返却されたアドレス空間の分配について考えるよりも、IPv6に 移行する準備を進めたほうがいいという意見が多かったように思う。(APNIC 藤井氏) Q. ルールとしては、PIアドレスの割り当てを申請すれば、その空間から分配が 受けられるという理解でいいか。 A. 現在のポリシー上、在庫枯渇後は最後の/8ポリシーのみが適用され、一律 /22の分配となるので、PIアドレス用としての分配は受けられない。JPNICに 返却されて寝かせているアドレスの分配方法は未定義なので、今後APNICに も確認する。(JPNIC 奥谷) C. 質疑応答だけでなく、JPOPMでは議論をすることも大切では。もし、在庫が 少なくなった場合、在庫枯渇前にみなさんがJPNICに申請処理を早くしてほ しいという思いがあれば、JPNICで対応できないか検討したいし、このセッ ションはそれを確認する場では。(JPNIC 木村) C. IPv4在庫枯渇まで残された時間を考えると、細かいことを考えないほうがい いという議論もあるが、その細かいことがビジネスに大きな影響を与えるこ ともある。JPNICとしては十分な情報を提供する義務があるし、ポリシーWG には適切なポリシーマネジメントをしてほしいと思う。それがコミュニティ にとって最大の幸福になるのでは。(JPNIC 前村) Q. 今日議論する点は、次のAPNICミーティングでも議論されるのか。 A. 日本のコミュニティからご意見があれば、次回のAPNICミーティングに持っ ていきたい思い、このセッションを企画した。(JPNIC 奥谷) C. APNICのミーティングで1つのセッションを設けるほどではないか、何らかの 問題提起はすべきだと思う。IPv6に移行すれば問題は発生しないと思うが、 混乱を避けるためには、やはりルールは決めておいたほうがいいと思う。 C. これは何年も前から議論されてきた。そして未だ議論が出ていない。そろそ ろ細かい議論はやめて、残された時間を考慮し、議論すべきことを絞って進 めていくべきでは。 C. 日本ではまだアドレス移転ポリシーが施行されていないが、アドレス移転に よってアドレスが手に入る機会が多少でも残されていれば、心情的にも違う ので、その点も考慮してほしいと思う。 C. まずはJPNICで運用レベルで決められることは何かをAPNICとすり合わせる。 もしポリシー上の課題が明らかになったら、MLで共有する。(JPNIC 奥谷)
9. ISOC-JP 再活性化について (橘 俊男/ISOC-JP仮事務局) [質疑応答] なし
10. コンセンサス確認/まとめ (藤崎 智宏/ポリシーWG) [質疑応答] なし