JP共有アドレスの一部をIPv6移行用アドレスとして利用する提案
山口 二郎 (株式会社インターネットイニシアティブ)
1 (2011.6.15)
JP共有アドレスの一部をIPv6移行用アドレスとして利用する提案
IPv4が枯渇し、新規にIPv4の割り振りを受けることができなくなった今日、新規ユーザーがIPv4にアクセスするためには既存のIPv4アドレスを有効利用してNATなどの技術を用いて接続する必要がある。IPv4からIPv6への完全な移行にはIPv4ネットワークが利用されなくなる必要があるが、それには相当の時間がかかると予想される。このため、新規ユーザーがIPv4ネットワークへの接続を行うためには当面の間、NATなどの技術が必要となる。IPv6 移行用アドレスとして、JP共有アドレスを利用することを提案する。
IPv4枯渇後のIPv4ネットワークへのアクセス方法の一つとして、NAT444方式がある。この方式では、組織内部(1)-ISP(2)-インターネット(3)の3つのIPアドレス空間が必要となるが、ISPが利用するIPアドレスにプライベートアドレスを利用すると、組織内部で利用するプライベートアドレスとバッティングして、ルーターによっては正常にルーティングできない。ここにJP共有アドレスの一部を利用することで、この問題を解決することができる。
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