第21回JPNICオープンポリシーミーティング
  日時:2011年11月28日(水)  13:00〜17:00
  参加者数:オンサイト 58名(関係者除く),リモート 137人(のべ人数)

[■議事録について]
  - プレゼンテーション資料は別途掲載しております.こちらよりご参照ください.


[■議題]
  1. JPOPM21 オープニング (I)
    1.1 開会挨拶 (I)
    1.2 日本のポリシープロセスの紹介 (I)

  2. JPOPMフォローアップ
    2.1 Action Item 確認 (I)

  3. APNIC32アップデート (I)

  4. [提案021-01] IPv6アドレスの割り振り基準の追加提案(prop-083 in APNIC) (P)

  5. アドレス移転ポリシーに関する最新動向 (I)

  6. [提案021-02] JPNICの移転ポリシーにおける移転先、移転元要件の変更 (P) 

  7. [提案021-03] RIR間アドレス移転提案(prop-095 in APNIC) (P)

  8. [提案021-04]移転の際に、IPv4アドレス必要条件提示を必須とする提案  (P)

  9. ICANN42 におけるIPアドレス関連動向 (I)

 10. RIPE63レポート (I)

 11. ISOC/ISOC-JP 活動紹介 (I)

 12. コンセンサス確認/まとめ (I)

  (P) 提案事項
  (I) 情報共有を目的とした発表 


[■ 発表および質疑応答 (以下、Q. 質問、A. 回答、C. コメント)]
1. JPOPM21 オープニング (藤崎智宏/ポリシーWG) 1.1 開会挨拶 (I) [質疑応答] なし
1.2 日本のポリシープロセスの紹介 (I) [質疑応答] なし
2. JPOPMフォローアップ 2.1 Action Item 確認 (藤崎 智宏/ポリシーWG) [質疑応答] なし
3. APNIC32アップデート (奥谷 泉/JPNIC) [質疑応答] なし
[提案021-01] IPv6アドレスの割り振り基準の追加提案 (prop-083 in APNIC) (橘 俊男/楽天株式会社) [質疑応答] Q. APNICでこの提案が通ったということは、APNICでは6rd用にIPv6アドレス の割り振りが認められるということか。 A. 今回の提案は、既存の割り振り条件を満たさないケースについても、割り 振りを行えるようにするものである。6rd用も含まれる。(提案者 橘) Q. この提案が日本でも通った場合、JPNICでの施行時期はいつになるのか。 A. 本日の決議でコンセンサスとなった場合、この後IP-USERSメーリングリス ト上で最終的なコンセンサス確認を行う。その結果、最終的にコンセンサ スになれば、ポリシーWGがこの提案を実装するようJPNICに勧告する。 (提案者 橘) A. 実装勧告を受けた後のJPNICにおける検討状況にもよるが、施行は早くて 2012年3月頃になると思う。(JPNIC 奥谷) Q. この提案が通り、JPNICで実装を検討することになった場合に、考慮したほ うがよいことがあれば、ご意見をいただきたい。たとえば、以下のような 点など。(JPNIC 奥谷) * 1組織がネットワークを複数持つ場合に、追加割り振りとして扱うので はなく、ネットワークごとに新規割り振りとして扱ったほうがよいの ではいか。 * 複数ネットワーク等の運用的な問題と、6rdなど技術的な問題を、分け て考えたほうがよいのではないか。 C. 1組織が複数のネットワークを持つ場合など、APNICとJPNICでは、多少事情 が異なる点もあると思う。実際にJPNICでポリシーを施行する場合には、 少し日本のネットワーク運用事情を考慮した実装になる可能性はあると思 う。(提案者 橘) Q. 6rd用に割り振りを受け、6rdを終了する場合には、そのアドレス空間を返 却することになるのか。IETFでは6rd用に割り振りを受けたアドレスをその まま利用することの是非について、議論が行われているようだが。 A. 今回の提案内容に含まれていないので、実験終了後には返却を強制するこ とはできない。ただ、6rd終了後のアドレスの扱いは大事な問題意識である と思う。必要であれば、返却についても実装を検討する。(JPNIC 奥谷) [コンセンサス確認] 参加者総数:68 (関係者含む) ・提案021-01をJPNICでも実装することに 賛成:38 反対:0 ⇒コンセンサス。今後、ML(IP-USERS)上で最終的なコンセンサス確認を行う。
アドレス移転ポリシーに関する最新動向 (奥谷 泉/JPNIC) [質疑応答] Q. JPNICで行われた移転の中には、APNICの移転履歴に掲載されているものと 掲載されていないものがあるが、これはなぜか。 A. APNICでの移転かどうかの判断は、JPNICでの移転の判断とは少し基準が異 なっている。APNICでの判断基準のほうが少し狭いようである。JPNIC管理 下のアドレスの移転履歴は、すべてAPNICと共有しているので、APNICで掲 載するかどうかの判断をしているようである。(JPNIC 奥谷)
休憩
6.[提案021-02] JPNICの移転ポリシーにおける移転先,移転元要件の変更 (藤崎 智宏/慶応大学大学院) 7. [提案021-03] RIR間アドレス移転提案 (prop-095 in APNIC) (藤崎 智宏/慶応大学大学院) 8. [提案021-04] 移転の際に,IPv4アドレス必要要件提示を必須とする提案 (prop-096 in APNIC) (藤崎 智宏/慶応大学大学院) [提案内容についての質問] ■RIR間でアドレスを移転する際の手続き Q. NIRがあるのはアジア太平洋地域だけだが、RIR間の移転において、 JPNICなどのNIRはどのような立場なのか。RIRと同等と見なされるのか。 A. JPNIC管理下のアドレスは、APNIC管理下の一部と見なされている。(提案者 藤崎) A. 具体的な手続きの話になるので、詳細は実装方法を検討する段階で決まる が、たとえばARIN地域と移転を行う場合、APNIC経由でARINとやり取りする ことになると思う。(JPNIC 奥谷) Q. 手続きがAPNIC経由になる場合、3者間(ARIN-APNIC-JPNIC)での合意が必要か、 それとも2者間(ARIN-JPNIC)での合意になるのか。 A. 合意は2者間でよく、手続きを行うときには3者が関係してくるのではないか。 (提案者 藤崎) ■要件確認(審議) Q. JPNIC管理下のLIR同士で移転をする場合にも、要件確認(JPNICの審議)が必 要になるのか。要件確認が必須化されると、アドレス移転の妨げになる可 能性がある。アドレス移転制度が作られた本来の趣旨とは離れてしまうの ではないか。 A. この提案をそのまま適用した場合、JPNIC管理下のLIR間の移転でも、要件 確認を実施することになると思う。JPNIC管理下のLIR間の移転の場合は、 現在と同じ様に要件確認は行わないようにできるかは、APNICに確認が必要。 (JPNIC 奥谷) Q. JPNICは、過去に独自のアドレスプールを持っていて、それらはAPNICのデー タベース上、JPNICではなく割り振りを受け組織の名前が表示されていると 思う。それらのアドレスを移転した場合、APNICのデータベースの更新が必 要になる。データベース更新の必要がある以上、JPNIC管理下のLIR同士の 移転であっても、APNICのルール(ポリシー)に従う必要性はないか。 A. まずJPNIC独自のアドレスプールだが、現在はAPNIC管理下のアドレスと見 なされ、すべてAPNIC管理下のアドレスの一部として扱われる。確かにAPNIC データベース更新時にAPNICの審議が必要だが、JPNICのアロケーションウィ ンドウサイズ(/14)内であれば、審議はしなくてもよい。(JPNIC 奥谷) Q. これまで実施された国内の移転のうち、要件確認が実施されたら実現しな かったものはあるのか。 A. 現在は要件確認を実施していないため、そのための審議資料の提出は求め ていない。そのため、分からないというのが実情である。(JPNIC 奥谷) [全体についての質疑応答] ■本日の決議について C. 今後APNICに確認予定、あるいは今後APNICと調整予定という点が多い状態 での決議は、判断に必要な情報が十分に揃っていないため、進め方として 少し問題があるのではないか。 A. この提案は既にAPNICで通っていて、いち早く日本でも議論を行いたかった ため、提案した次第。十分な情報が出揃ってから判断したい方が多ければ、 それでもいいと思う。(提案者 藤崎) A. APNICと詳細を詰める前に、コミュニティの意向を確認しておきたかった。 コミュニティの意向を伝えた上で、APNICと調整する方が、こちらの意向を 認めてもらいやすいと思う。意向を伝えないと、JPNICもAPNICと同じ内容 を実装するように言われる。(JPNIC 奥谷) C. JPOPMはポリシーを議論する場なので、IPアドレス管理指定事業者としての 個別のご事情は、NIRであるJPNICに個別にお伝えいただければと思う。 (ポリシーWG 橘) C. 今日この場で判断することは難しいという意見に賛成。JPNICで戦略を考え、 ある程度の方針をコミュニティに提示してほしい。国内のアドレス流通量 を考慮し、流通量が減少したら、他のRIRやAPNIC管理下の組織との移転に 対応するという進め方でもいいのでは。 A. アドレス流通量という観点では、ARINは歴史的PIアドレスなど多くのアドレ スを持っているのは事実。 C. ARINに埋蔵量が多くても、まずJPNIC管理下の組織がそのアドレスを必要と しているかどうかでを判断すべきだと思う。 A. 現在のところ、歴史的PIホルダからIPアドレス管理指定事業者への移転が 多い。参考までに、JPNIC管理下の歴史的PIアドレスは/7程度あり、IPv4 アドレスが枯渇するまで、JPNICはひと月に約/13のIPv4アドレスを割り振っ ていた。(JPNIC 奥谷) C. これまでの意見を踏まえると、もう少し情報が揃い方向性がはっきりした 段階で議論したい方が多いと考えて問題ないか。(ポリシーWG 中川) ■決議を見送った場合の影響 Q. 今回決議を見送った場合、どのような影響があるのか確認させてほしい。 C. 3件の提案(021-02、021-03、021-04)はすべてAPNICで施行することが決定 していて、APNIC配下のNIRであるJPNICでの対応は、そのNIRに委ねられて いる。今回採決を行わないということは、JPNICはRIR間の移転に対応しな いこととほぼ同じことを意味すると思う。(ポリシーWG 橘) Q. 継続議論とし、次回決議を行うことはできないか。 A. ポリシーWG内で調整が必要なので確定ではないが、同じ提案内容のものを ポリシーWGが預かって次回JPOPMで提案することは可能。その場合、基本 的に元のAPNICの提案は変わらないので、次回のJPOPMまでに誰が何をやる か明確化しないと、今回と状況は変わらないと思う。(ポリシーWG 橘) C. APNICでこのポリシーが施行されて、まだ1週間程度。提案内容は変わらな くても、周囲の状況は変化するかもしれない。今後の移転申請の状況等を 見て判断しても遅くはないと思う。 C. 現状、JPNIC管理下の範囲でアドレスの需要が賄えているのであれば、急 いで決める必要はないのではないか。 Q. 他のRIRとの移転が可能になるのはいつか。 C. ARINの場合、早くて来年の夏頃になると思う。(JPNIC 奥谷) C. 早くてもあと半年かかるのであれば、次回のJPOPMで決めてもいいと思う。 ARINとの移転を急ぐ組織がいれば、組織間の協議のみ進めておき、実際の RIR間の移転が認められてから、実際に申請すればいいと思う。 C. 強い意見をお持ちの方は、来年2月のAPNIC33(*1)で提案することをお勧め する。APNICで提案された内容に少し変更を加えて実装したいのであれば、 JPOPMでの決議だけでなく、APNICのPolicy-SIGでの決議も必要になる。 APNIC33でコンセンサスになれば、その提案を次回JPOPM(来年6〜7月)で議 論することができ、実装までの期間が短縮できる可能性がある。(ポリシーWG 橘) (*1) APNIC33 Conference http://meetings.apnic.net/33 ■今後の対応 以下の情報をJPNICが整理する。 確認のため、これらはIP-USERSメーリングリストにも投稿する。 - 移転範囲によって要件を分けることの可否 (JPNIC管理下の組織同士の移転とAPNICや他のRIRとの移転) - JPNIC管理下の組織が、他のRIRと移転をする際の具体的な手続き - IPv4アドレスの消費状況 (国内とARIN地域) Q. ポリシーWGではなく、JPNIC職員がAPNICに確認するのは問題にはならないか。 JPOPFとJPNICは独立しているが、コミュニティの代理としてJPNIC職員が 確認すると、APNICのスタッフはその区別が認識できないのではないか。 また、JPNICの役員としては、JPNIC職員がAPNICに確認することでやぶ蛇 にならないかということを危惧している。(JPNIC 丸山) A. APNICへの確認をお願いしたいのは、ポリシーの実装に関することなので、 JPNICに確認をお願いすることが適当と考える。(ポリシーWG 藤崎) Q. もしJPNIC理事会が、JPNICがAPNICに確認することでやぶ蛇になると判断 した場合、本日の決定とは異なる聞き方で確認しても問題ないか。(JPNIC 丸山) A. JPNIC理事会として問題があると判断した場合には、ポリシーWGに差し戻し てもらうべきと考える。(ポリシーWG 藤崎) [コンセンサス確認] 参加者総数:67 (関係者含む) ・今回は採決を行わず、JPNICがAPNICに確認した情報を踏まえて、 提案021-02、021-03、021-04を次回JPOPMで再度議論することに 賛成:27 反対:0 ⇒提案021-02、021-03、021-04は継続議論とする ※JPNICがAPNICへ確認を行う際の情報として、コミュニティの意向確認を行った ・移転範囲によって異なる移転要件を適用することに 賛成:26 反対:0
9. ICANN42 におけるIPアドレス関連動向 (藤崎 智宏/ポリシーWG) [質疑応答] なし
10. RIPE63レポート(奥谷 泉/JPNIC) [質疑応答] Q. スライド14の「CGN用にARINが予約した/10空間」については、いつから利 用可能になるのか。 A. IETFにおいて11月初旬まで最終的なコンセンサス確認期間中とのことだっ た。詳細は発表者(*2)のスライドを確認してほしい。(JPNIC 奥谷) (*2)Work in progress in the IETF: IANA Reserved IPv4 Prefix for Shared CGN Space (David Kessens) http://ripe63.ripe.net/presentations/84-201111012011-ripe63-vienna-sharedaddresspace.pdf
11. ISOC/ISOC-JP 活動紹介(橘 俊男/ISOC-JP仮事務局) [質疑応答] なし
12. コンセンサス確認/まとめ (藤崎 智宏/ポリシーWG) [質疑応答] なし