039-01: JPOPFオンライン開催に係わるPDP修正の提案
概要
[提案ID]
- 039-01
[提案タイトル]
- JPOPFオンライン開催に係わるPDP修正の提案
[提案内容]
(1)提案の目的
現在のCOVID-19影響下でのコミュニティ運営はFace to Faceのミーティング開催が難しく、(JPOPFに限らず)多くのコミュニティはオンラインでの運営を行っている。
JPOPM38ではこの点に関して議論が行われ、オンラインでの意思決定に関してもコミュティの賛意が得られた。
本議論を受け、オンラインでの意思決定も行えるようPDPも合わせて改定したい。
(2)問題と考えていること
現在の日本コミュニティのPDP
「JPNICにおけるIPアドレスポリシー策定プロセス」
https://www.nic.ad.jp/doc/jpnic-01250.html
では、ポリシー提案及びコミュニティの意思決定の場を「オンサイト(会議場に参加者が集合する)でのミーティング」と定めている。オンラインでのコンセンサス確認を実施できるよう、これらの文言を修正する必要がある。
(3) 提案の具体的な内容(変更案)
「JPNICにおけるIPアドレスポリシー策定プロセス」
https://www.nic.ad.jp/doc/jpnic-01250.html
原文:
2.1. オープンポリシーフォーラム
オープンポリシーフォーラムは、日本におけるIPアドレスおよびAS番号の管理に関するポリシーを検討し、日本のIPアドレスコミュニティで調整し、コンセンサスを形成するための場です。JPNICからポリシー提案を行う場合も、本文書に定義するプロセスを経るものとします。
オープンポリシーフォーラムは、ポリシー策定に関する最終的な決定機関ではありません。ポリシー策定に関する最終決定は、オープンポリシーフォーラムのコンセンサスに基づいてJPNICによって行われます。
オープンポリシーフォーラムには特に参加資格を設けておらず、誰でも参加することができます。 また、オープンポリシーフォーラムは、以下に定義するオンサイトフォーラムおよびオンラインフォーラムで構成されるものとします。
2.2. オンサイトフォーラム
オンサイトフォーラムはポリシー提案が提出され、その場でコンセンサス形成に向けた議論が行われる、オンサイトで(会議場に参加者が集合して)行うミーティングであり、JPNICオープンポリシーミーティングがこれにあたります。
2.3. オンラインフォーラム
オンラインフォーラムは、IPアドレスポリシーに関する議論・情報交換・情報提供を行うとともに、オンサイトフォーラムで得られたコンセンサスの確認を行うために、メーリングリストで構成されるものであり、IP-USERSメーリングリストがこれにあたります。
修正案:
2.1. オープンポリシーフォーラム
オープンポリシーフォーラムは、日本におけるIPアドレスおよびAS番号の管理に関するポリシーを検討し、日本のIPアドレスコミュニティで調整し、コンセンサスを形成するための場です。JPNICからポリシー提案を行う場合も、本文書に定義するプロセスを経るものとします。
オープンポリシーフォーラムは、 ポリシー策定に関する最終的な決定機関ではありません。 ポリシー策定に関する最終決定は、 オープンポリシーフォーラムのコンセンサスに基づいてJPNICによって行われます。
オープンポリシーフォーラムには特に参加資格を設けておらず、 誰でも参加することができます。また、オープンポリシーフォーラムは、以下に定義するオンサイトフォーラムおよびオンラインフォーラムで構成されるものとします。
2.2. ミーティング
ポリシーミーティングはポリシー提案が提出され、その場でコンセンサス形成に向けた議論が行われる、オンサイトで(会議場に参加者が集合して)行うミーティングであり、JPNICオープンポリシーミーティングがこれにあたります。
2.3. メーリングリスト
ポリシーメーリングリストは、IPアドレスポリシーに関する議論・情報交換・情報提供を行うとともに、ポリシーミーティングで得られたコンセンサスの確認を行うために、メーリングリストで構成されるものであり、IP-USERSメーリングリストがこれにあたります。
同文言の修正伴う付随修正:
以下に関わる全体基本方針:
・現在のオンサイトフォーラム、オンラインフォーラム相当の区別の必要が特別に必要でない文言は「オープンポリシーフォーラム」と短縮・統一する。
・現在のオンサイトフォーラム、オンラインフォーラム相当の区別の必要がある場合、上記提案に基づく表現に置き換える。
3.2. JPOPF-STの役割
(~本文略)
*1 「2.2. ミーティング」における 3.および4.の役割はJPOPF-STの共同チェア(Co-Chair) による代行が可能です。
ミーティングにおけるコンセンサスの判断は、 ポリシー提案の議論進行の役割を担ったチェアまたは共同チェアが行います。
4.1.1. ポリシー提案の提出
ポリシー提案は、オンサイトフォーラム前に最低2週間の募集期間を設けるものとし、JPOPF-STが別途指定する方法、様式、期日に従い、JPOPF-STに対して提出されなければならないものとします。
4.1.3. ポリシー提案の公開
JPOPF-STは、提出されたポリシー提案を、ミーティング開催にあたり、最低2週間前までに、Webおよびメーリングリスト上の双方で公開します。
4.1.4. ポリシー提案の議論
提案者は、 提出したポリシー提案に関し、メーリングリストで質問に対応するものとします。また、ミーティングで説明を行い、参加者の質問に対応するものとします。
4.1.5. 一次コンセンサス
ミーティングで得られたコンセンサスを"一次コンセンサス" と言います。ミーティングの進行を務めたJPOPF-STのチェアまたは共同チェア*2がポリシー提案に対して会場の賛否両意見を元に質と量の両面から総合的に判断することとします。 その際、 この一次コンセンサスは提案がその場の総意として支持されている状態であると見なします。
一次コンセンサスに至らなかった提案に対し、 ミーティングの進行を務めたJPOPF-STのチェアまたは共同チェアが議論を継続するべきと判断した場合は、 翌々回のミーティングまでオンラインフォーラムで継続議論することとします。
4.1.6. 最終コメント期間
1次コンセンサスを得たポリシー提案は、メーリングリスト上で、 最低2週間の最終コメント期間を経るものとします。 ただしミーティングの進行を務めたJPOPF-STのチェアまたは共同チェアの裁量で、 当該期間は延長できるものとします。
4.1.7. 最終的なコンセンサスの確認
前項の最終コメント期間において、本質的な反対がなければ、 当該ポリシー提案は最終的なコンセンサスを得たものとします。この判断は、ミーティングの進行を務めたJPOPF-STのチェアまたは共同チェアによって行われます。
4.2. ポリシー提案の棄却
提出されたポリシー提案は、以下のような場合に棄却となります。
1.一次コンセンサスが得られず、ミーティングの進行を務めたJPOPF-STのチェアまたは共同チェアにより議論を継続するべきと判断されなかった場合。
2.メーリングリストでの継続議論となった提案のうち、 その翌々回のミーティングまでにメーリングリストにおいて議論がなされなかった場合。 3.一次コンセンサスを得たが、メーリングリスト上での最終コメント期間中、 最終的なコンセンサスの確認が取れないとミーティングの進行を務めたJPOPF-STのチェアまたは共同チェアが判断した場合。 4.最終的なコンセンサスが確認されたが、その内容が妥当でないとJPOPF-STによって判断された場合。 5.JPOPF-STからの実装勧告に対し、JPNICが実務的な面、 財務上の問題、APNICとのポリシーとの整合性等の観点から実装することができないと判断した場合。 6.ポリシー提案の実装がJPNICだけで決定できず、APNICに提案する必要があり、その提案がAPNICオープンポリシーミーティングにおいて棄却された場合。
提出されたポリシー提案が棄却された場合、上記1から4においてはJPOPF-STが、5、6においてはJPNICが、オンサイトフォーラムまたはオンラインフォーラム、 もしくはその両方で、オープンポリシーフォーラムへ棄却となった理由について報告するものとします。
(補足略)
5.1. APNICでの決定事項
JPNICにおいて実施することが求められるもの
JPNICがAPNICの決定事項に関し実装検討を行ったうえ、JPNICの理事会の審議を経て実装可否を決定し、オープンポリシーフォーラムに報告を行います。 この場合、実装がAPNICで決定しているため、オープンポリシーフォーラムでの検討の対象とはなりません。ただし、本件についてはAPNICでの正式決定前に、 [5.1.1./5.1.2.]に定める通り、APNICオープンポリシーミーティング前後に、コメントを受け付ける期間をメーリングリスト上で設け、 コメントをAPNICに対しフィードバックします。 また、実装に際し重大な問題がある場合には、オープンポリシーフォーラムで意見をまとめAPNICに提案を行うことを検討します。
5.1.1. APNICオープンポリシーミーティング前の対応
APNICに対してなされたポリシー提案 (オープンポリシーフォーラムからAPNICに対してなされた提案に限りません) については、APNICオープンポリシーミーティング開催前に、 JPNICからWebもしくはメーリングリスト、 あるいはその双方において オープンポリシーフォーラムへその提案の内容の紹介を行います。 あわせて、 その提案に対するコメントをメーリングリスト上で募集します。
ただし、重要な提案とJPNICもしくはJPOPF-STが判断した場合、 臨時にミーティングが開催されることがあります。
(以下略)
5.1.2. APNICオープンポリシーミーティング後の対応
APNICオープンポリシーミーティングの結果については、JPNICがメーリングリストにその報告を行い、 コメントを再度募集します。 コメント期限は、APNICが定める最終コメント期限前に設定し、いただいたコメントをAPNICに対しフィードバックします。
[提案の影響]
(4) 想定されるメリット
- 現在の情勢にあった(Face to Faceに限定されない)柔軟な意思決定が行えるようになる
- 遠隔参加者などの間口が広がりやすくなる
- 会場費用などの物理設備費の削減
(5) 想定されるデメリット
- 発言者の一意性の確保が難しくなる・コンセンサスに重要な場の雰囲気の醸成が行われづらい
- Brute Force攻撃・組織票などの対策のため運営コストが増加
- オンライン開催のための回線・Web会議利用費などのコスト増加
(6) 提案が各ステークホルダに与える影響 (ユーザ、指定事業者、JPNICなどに対して)
- 遠隔参加者などの間口が広がりやすくなる
(7) その他、補足など (他 RIRにおける状況など。)
- 他NIR、RIRのオンライン開催のスタイルや利用ツールなども参考にしたい。
[提案者]
- JPOPF運営チーム (JPOPF-ST)
提案の履歴
アクティビティ |
日付 |
状態 |
参照 |
MLへの提案送付 |
2020年11月10日 |
IP-USERS 2717に提案を送付しました |
|
JPOPM39での発表 |
2020年11月30日 |
JPOPM39にて議論され、一次コンセンサスに至りました |
|
MLでのコメント募集 |
2020年12月8日 |
JPNIC-IP-USERS 2719にてアナウンス、2020年12月20日にコメント募集期間終了 |
|
実装勧告 |
2020年12月25日 |
JPOPF-STよりJPNICにポリシー実装を勧告 |
|
JPNICからのアナウンス |
2021年10月1日 |
JPNICからポリシー策定プロセスの変更を予告するアナウンスを行いました。 |
「IPアドレス管理業務に関するJPNIC文書公開のお知らせ~IPv6アドレスポリシーとIPアドレスポリシー策定プロセスの改定~」 |
JPNICからのアナウンス |
2021年11月1日 |
JPNICからポリシー策定プロセスの変更を反映した文書の施行に関するアナウンスを行いました。 |
「IPアドレス管理業務に関するJPNIC文書施行のお知らせ~IPv6アドレスポリシーとIPアドレスポリシー策定プロセスの改定~」 |