009-03: プロバイダ非依存なIPv6アドレス割当に関する提案
概要
[提案ID]
- 009-03
[提案タイトル]
- プロバイダ非依存なIPv6アドレス割当に関する提案
[提案内容]
- 現状の問題
企業ユーザがインターネットを利用する際に複数のISPを用いてインターネット接続を行ういわゆるマルチホームのニーズは,インターネットをビジネスに活用している企業を中心に根強く存在する.現状のIPv4では,BGPによる方式,あるいはアドレス変換(NAT)による方式などで実現していることが多い.
しかしながら,IPv6においては経路表膨張の懸念から原則としてプロバイダ集約型のアドレス(PA)しか割り当てておらず,また企業などのユーザは割り当てられたアドレス空間を別のプロバイダから広告することが許されていないため,BGPを用いたマルチホームが困難となっている.
またIPv6ではNATをしないことが前提となっているため,NATによるマルチホームも困難である.
さらにIPv6で特徴的と思われる,複数プロバイダから割り当てられた複数のアドレスを使い分ける方式も,企業から見て使い勝手がよいものとは言いづらい.
そのため,マルチホームを必要とする企業などのユーザ向けに,プロバイダ非依存なIPv6アドレス(PI)を割り当てることを提案する.
PIを割り当てることで,ともすればIPv6のビジネス利用の足枷となりかねない現状を改善できると考える.
また,懸念の多い経路表膨張に対しては,何らかの条件・基準を設けることでPI取得数(およびAS番号取得)を制御すれば,抑制できると考える.
- 提案が採択された場合
- 想定されるメリット・デメリット
- メリット
- 企業ユーザに対してマルチホーム利用を促進することができ,信頼性の高いインフラとしてIPv6インターネットが認知される
- デメリット
- 経路表の増加率が高まる可能性がある
- メリット
- 影響をうける対象(指定事業者、JPNIC、ユーザなど)
- 指定事業者
- 経路表増加に伴うルータの負荷(デメリット)
- 企業ユーザへのマルチホームサービス提供による収益増(メリット)
- JPNIC
- (PIをJPNICで割り当てる場合)審査業務の増加
- ユーザ
- (主に企業ユーザに)マルチホーム利用が容易に(メリット)
- 指定事業者
- 想定されるメリット・デメリット
[提案者]
- 外山 勝保 (NTT情報流通プラットフォーム研究所)
提案の履歴
アクティビティ |
日付 |
状態 |
参照 |
MLへの投稿 |
2005年11月21日 |
JPNIC-IP-USERS 1030 |
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JPOPM9での発表 |
2005年12月8日 |
JPOPM9にて議論されました |
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MLでのコメント募集 |
2005年12月29日 |
JPNIC-IP-USERS 1049にてアナウンス.2006年1月18日(水)にコメント募集期間終了 |
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WG設立 |
N/A |
APNIC21での提案を目標に,WG設立,提案内容議論開始 |
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(参考)APOPM21での発表 |
2006年3月2日 |
21st APOPM Policy SIGにて,Informational Item として,JPNIC穂坂氏よりプレゼンテーション、APOPM22でのポリシー提案を目指して議論継続. |
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APNIC22にて提案 |
2006年9月7日 |
APNIC22 Policy SIGにて,提案者の外山氏(NTT)より Proposal としてプレゼンテーション,コンセンサスに至る. |
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APNICにて実装 |
2007年3月19日 |
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JPNICにて実装 |
2008年2月8日 |